天上天下唯我独尊

2006年12月24日(日) お姉様ファンド

遊びに来ている妹は、来春の就職が一応決まっている。
連日、ウィンドウ・ショッピングに、大型立体商店街と百貨店を梯子して回っているが、
「ほら、ほわ〜んなセーターだよ。あっちにはコートが!」
と私が指差しても、彼女は
「あっ本当、可愛いなあ……でも欲しがりません勝つまでは!」
と必死で物欲を消そうとしている。
そして、
「就職したら、あれもこれも買いたい物があるなあ〜」
と夢を膨らませるのだ。
「一寸、その考えは危ないと思う。お金を稼げるようになったら、物欲が爆発する危険性があるよ。そうだ、ドビーが無駄遣いしないように、お姉ちゃんがお給料を預かってやるよ!」
と私が親切で言ってやるも、
「えっ……それって横領されそうでイヤ」
などと言う。
怪しからん奴だ。
「そうだ、村上ファンドならぬ『お姉ちゃまファンド』に預けたらいいよ。利回り確実だよ!」
「え……利回り『確実にマイナス』とか言われそうだから、止めとく〜」
チッ、余計な知恵が付いて、やり難いったら無いよ全く!



2006年12月23日(土) ゲーム狂姉妹

試験の合間を縫って、屋敷しもべ妖精がやって来た。
次の試験まで暫くあるらしいので、妹が息抜きに遊びに来たのだ。
勿論、私としては大掃除を手伝って貰うつもりだ。

屋敷しもべ妖精の朝は遅い。
主人が出かけてもまだ寝ている。
痺れを切らして私が部屋に入ると、彼女は目覚まし代わりの携帯電話を握り締めて寝ていた。
どうやら、目覚ましで起こされたものの、切ってそのまま再び眠ってしまったらしい。

顔を洗うのに異常に時間がかかるので、先に朝食を食べさせて、それから洗面所に追い遣る。
顔を洗ったら掃除をさせる。数日泊まるのだから、最早お客ではない。
それにしても、しもべ妖精は本当に便利だわ〜!
自分で雑巾がけしなくていいってのは、なんて楽なのかしら。
掃除の後は、しもべ妖精は只管PCのゲームで遊び続ける。
今嵌まっているのは、shockwaveのZUMAだ。
放っておけば、1日中でも飽きずにやっている。
その様子を見て、主人は
「本当にきょうだいなんだね……」
と呆れていた。

多摩市で元東京都職員の自宅から死体発見のニュースを見た。
元職員は一人暮らし、息子は東京大学を出たものの、自殺したらしい。
自慢の息子だったろうにねえ……。
「東京大学じゃなくても、生きててもいいんだよ」
と妹の頭を撫でておいた。


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