「近未来通信」という言葉は、少し前の社長の失踪騒動以前にも聞いた気がするのだが、気のせいだろうか。 こういう詐欺事件は後を絶たないが、どうして皆、自分だけは大丈夫だと思って騙されてしまうのだろう。 私の座右の銘は「人は信ずべし、信ずべからず」なので、大金を他人に賭ける人の気が知れない。 騙されているのかもと疑いつつ騙される人は多いが、騙す方は上手に騙すのだろう。 投資って、怖いなあ。 あ、村上ファンドの200万円/年は魅力的だったけれどー。
近未来通信は、3,000人から400億円を集めたという。 1人あたり13,333,333円という事か。 お金って、持っている人は持っているのねえ……。 そう言えば、平塚5死体事件の岡本千鶴子に1000万だか3000万だか貸していたという老夫婦がいたが、ある所にはあるもんだと吃驚した。 それより吃驚したのは、どうして全く返済しない人間に、乞われるままに次々とお金を貸したのかという事である。 普通、前のお金を返して貰わない事には新しく貸さないというのは、基本だと思うんだけどなあ。 人が良いのを通り越して、馬鹿じゃないのと思ってしまった。 そしてまた、金があって貸してくれそうな人を嗅ぎ分ける能力を持つ人間がいるものなのだ。 自分の身は、自分で守らないとな。
倫理観は、困った事に、人それぞれだ。 意見や見解が人によって異なるのは当たり前だが、倫理観だけは統一しておいた方が便利だと、私は思う。 その最低基準が神様や閻魔様の存在だった訳だが、「閻魔様に舌を抜かれるよ!」などと言って子供を躾ける親は、現在では稀なのかも知れない。
宇和島徳洲会病院の替え玉腎移植で一躍有名になった泌尿器科医・万波誠は、前任の私立宇和島病院でも13件の病気腎移植を行っていたという。 これは記録が残っている分だけなので最低でも13件という事であり、実際の数はこれより多いのだろう。 聞いたところによると、万波誠という人は、泌尿器科学会では昔から問題視されていたらしい。 警察にも以前からマークされていたという話も出ている。 因みに主人は、「この人は患者のためというより、自分が名を上げるためにやっているという感じがする」と霊視(?)していた。
普通の人間にしてみれば、病気の腎臓なんて気持ち悪いが、それでも欲しいと望む患者もいるのかも知れない。 問題は、それが患者に伝わっていたかどうかである。 万波氏の手術を受けた患者達で作る「万波先生を支援する会」というのが、2400人分の署名を集めて、厚生労働省と日本移植学会に対して、万波氏が今後も移植に取り組めるように嘆願した。 勿論万波氏だって、普通の腎移植も行っていただろうし、腎移植を受けて感謝している患者も多いだろう。 私としては、病気の腎臓でもいいから移植して欲しいと患者が望むなら、それでもいいんじゃないかという気はする。
でも、患者が望むなら何をやってもいいとは思わない。 諏訪マタニティクリニックの根津八紘みたいに、祖母に孫を産ませるのは如何なものかと。 あの人はあの人なりに信念を持っているのだろうが、依頼人の頼みだから何でもやってやるというのはどうなのさ。 患者が頼むなら、盗みもするのか? 人も殺すのか? 尤も、産婦人科は堕胎も請け負うのだから、人殺しはあり得るが。 人間として踏み越えてはならない一線というのがあると思うのだけれど、科学者・研究者にはそれが判らないらしい。 祖母による代理出産について、主人に訊いてみた。 「シオンのお母さんが代わりに産んでくれるのならアリ。でも、僕の母親が代わりに産むのは絶対嫌。気持ち悪いもん」 ……どっちの祖母が産むにしても、充分気持ち悪いと思うんだけれどな、私は。
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