休日、ダーリンと駅ビルに行った。 私の誕生日前後にコンサートがあるというので、誕生日プレゼントとして券を買いに出かけたのだが、ホールでも百貨店の売り場でも、良い席はもう無かったのだ。 駅の売り場で中ほどの席を買い、昼食を摂り、時間があったので駅ビルをふらふらする事に。 「そう言えば、最近シオンに服を買ってあげていなかったなあ。何か買ってもいいよ」 とダーリンは言ってくれたが、殆ど家で過ごすため、新しい服なんて勿体無いと私は思っていた。 しかし、運命の出会いが。 可愛い服だなあとマネキンの前で足を止めると、売り子さんに声をかけられてしまった。 「試着してみませんか」 色はドンピシャ、先日のカラー診断でOKを出された煉瓦色と深緑である。 ダーリンも 「その服ならいいと思うよ」 と言ったばかりではなく、服の飾りの模様を見て、 「いいじゃん、これ、格好いいよ!」 と大層お気に入りの様子……そうか、格好いいのか。 私は変な模様〜と思ったのだが。 やはりその辺の感性は違うようで、その事を改めて再認識したのだった。 試着してみると、やっぱり私によく似合う。 「ああ、やっぱりいいねえそれ」 買っても良いとお許しが出た上、暑くてじんわり汗をかいてしまったので、2着とも買って貰ってしまった。 着るのはタダだしなと思っていたのに、全然タダじゃなかったな。 「ありがと、今度は貴方のお洋服を買いましょうね」 と言ったが、彼は 「ううん、イラナイ。仕事は背広だし、家では部屋着でいいもん。それに、僕は自分の服には興味無いんだよなー」 なのだそうで……いいのかそれで。 矢鱈と自分をプロデュースしたがる男も嫌だけれどな。 でもうちの亭主は、ちゃんと奥さんの事を見ている良い亭主だ。
お会計を見て吃驚。 2万円超えてしまった……ヒィ。 勧められるままにスカートまで買わなくて良かったわあ。
主人は犬が大好きだ。 しかし転勤族で、今はペット不可のアパート暮らし。 幾ら好きでも飼える環境ではない。 実家で飼っていた犬も死んでしまい、寂しい日々を送っている。
結婚1年目のとある休日、 「ペット屋に行こう」 と彼に言われた。 何しに? 金魚でも飼うつもりか? 世話は誰が?と思ったが、彼は犬を見たかったらしい。 彼にとっての無料の癒し空間、それがペット屋。
今日も買い物序でに、ペット屋に寄った。 休日という事もあるのだろう、人だかりが出来ている。 「可愛いなあ〜」 犬コーナーで、彼は早速メロメロである。 周囲の人々も、口々に可愛いと連発している。 「いいなあ犬は、皆に可愛いって言われて」 何故か彼が僻みっぽい事を言うので、 「あら、貴方も可愛いわよ」 と言って頭を撫でてやると、周囲の視線を感じた……変な人と思われたに違いない。 「シオン、変だよ」 と照れ隠しで彼は言うが、別に気にしなーい。 どうせ知らない人ばっかりだし。(仮令知人がいたとしても私は気にしないけれど)
パグを見て 「うわー、変な顔〜。しかも不細工の癖に値段高いし!」 と驚く私に、 「何を言うか。そこが可愛いんだよ」 と反論するパグ好きの彼。 「パグもブルドッグも可愛くないわよ。私はミニチュアダックスがいいなあ。ポメラニアンもかわええ〜毛糸玉みたいだ」 「ポメラニアンは煩いから駄目。すぐ噛み付くし歯が鋭いから痛いし。あっほら、ミニチュア・シュナウツァーだよ。昔飼ってた犬にそっくりだ。軍用犬だから賢いんだよ」 と彼は私の知らない薀蓄を披露するが、幾ら賢くとも私はあの犬種は好きではないのだ。 「ヤダ。あのバンダイク髭が、子犬の癖しておじさん臭いんだもん」 犬の好みも合わないのね、私達って……。
そこの店では、頼めば子犬を抱っこさせてくれるらしい。 「貴方も抱っこさせて貰ったら?」 と言ったのだが、彼は首を振った。 「抱っこしたら、そのまま連れて帰りたくなっちゃうから」 そうか、そうだろうな……。 特に犬好きでもない私でさえ、見ているうちに飼いたくなっちゃったもん。
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