今年もあいつがやって来た。 行くのはこれで3度目である。 しかし今年はいまいちだった。 何だろう、目玉と言うべきものが無かったような気が。 そして矢鱈と眠たかった。 しょっちゅう、隣のダーリンに突付かれて起こされていたな……。 曰く、 「前の席の人がグラングランに船漕いでてさ、もう大波小波って感じで。シオンもあんな風になったら見っとも無いから、小突き起こしていたんだよ」 と。 でも私、前の人の様子も気にならないぐらいに眠かったわ。 一方の彼は、気持ちが悪かったらしい。 そんな訳で、今年の出来はやっぱりいまいちだったかなあ。
それでも毎年恒例の、恐怖の心霊写真集は面白かった。 同じ写真でも、毎年形が変わってくるらしい。 毎度お馴染みの、水中から覗く霊の写真があるのだが、初めは横を向いていたのが、年が経つに連れて、次第に正面を向くように角度を変えているのだ。 霊感の乏しい私にはよく判らないが、この写真は毎回鳥肌が立つほど怖い、とダーリンは言う。 だから、よっぽど怖い霊なのだろう。
夜お布団に入って、 「ねーねー、こっち向いて」 と私が言うと、布団を顔半分に被ったまま、彼はゆっくりこちらを向いた。 「ほら、毎年角度が変わって、段々正面を向いて来るんだよ」 と言いながら……。 止めてよ! 怖くて夜中にトイレに行けなくなるでしょっ!!
ダーリンと百貨店に行った。
今まで使っていた物が無くなったので、新しい香水を買いたかった。 ダーリンは香りに敏感で、人工的な匂いが好きではない。 いつも一緒にいる人だし、彼が嫌いな物は付けたくない。 そう考えているので、今度はどんな香水が良いか、一緒に見て貰った。 「これなんてどう?」 と彼の鼻先でテスターの紙をひらひらさせたが、彼は鼻をぐすぐす言わせ、 「あんまりわかんないや」 との返事。 そうか、今は秋の花粉症の季節なのだった……。
それでも片っ端から匂いを嗅いで、 「これとこれとこれ」 と、候補を3つ挙げてくれたので、その中から1番安い物を選んだ。 インターネットで買えば安いのだろうが、匂いだけ嗅いで他所で買うのは流石に良心が咎めたので、ここで買う事に。 それでも色々と試供品を入れてくれたので、良しとしよう。
早速明日のお出かけに、付けて行くんだー♪
|