起きたらお昼近かった……。
昨夜は、真夜中の最も眠い時間帯に起こされたのだった。 横で寝ているダーリンが苦しそうに魘されている声で、眠りの淵から無理矢理剥がされる様に、私は現実世界に引き戻された。 無視して寝ようとすると、また魘される声が。 「煩い!」 と言ってしまいたかったが、それでは本当の鬼嫁になってしまう。 「どうしたの? どこか苦しいの?」 と声をかけ、飲み物持って来ようかと訊くと、野菜ジュースが欲しいと言う。 ものすんごく眠たかったが、ふらふらと起きて台所まで行って、ジュースを注いだコップを持って来た。 それをダーリンに飲ませると、今度は大人しく寝てくれた。 そしてやっと、私も安眠する事が出来たのだった。
しかしお蔭で朝は起きられなかった。 9時頃仕事に行く彼を布団の中から見送ったのは覚えている。 10時間近く眠ったのか……? 流石に寝過ぎだろ。 もそもそ起き出して顔を洗っていると、彼が帰って来た。 お昼を食べて、午後から戦闘服を買いに行くと言っていたのに、 「やっぱ行きたくない」 などと言い出した……おい。 折角コンタクト入れたのに、無駄になったじゃないかよ。 昨日の疲れが残っているのだろう、仕方ないか。 私は買ったばかりの自転車で、1人でスーパーに買い出しに行った。 風がまだ冷たい。 桜はいつ咲くのだろう。
朝、カーテンを開けて驚いた。 外が真っ白だったんだもん。 タイヤ交換しようと言われていたが、待って正解だったかも。
「人生、幾つになってもやり直し出来る」
よく聞く台詞である。 しかしこれは飽くまで人生に失敗した人を励ますためのものであって、全く正しい訳ではない。 当たり前の話だ。 置いて来た過去は、何年経っても何十年経っても、人を苦しめる。
「シオンは僕の大仕事の前日には、必ず突っかかって来るよね」 と主人に言われた。 しかし私には心当たりが無い。 思うに、私はいつも通りに振舞っているのを、主人がピリピリしていて受け止め切れないのではないだろうか。 ……つまり普段からの私が悪いという事か。 彼の大仕事は、毎回見に行く。 見たいが、同時に見たくないものもあるのかも知れない。 病み上がりを理由に、途中で帰って来てしまった。 雪は雨に変わっていた。
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