「カスペ!ホストの花道歌舞伎町大戦争SP!!」を見た。 よくわからんが、2つの店で期間を決めて売り上げを競うというイベントだったらしい。
何かねえ……こういうのを見ると、とても不快になる。 お酒が勿体無いよ! 高いお酒が、味わわれる事無く、湯水のごとく消費されるのは、酒飲みとして見ていて腹が立つ。 商売のためと言うけれど、こんな商売は間違っとる。 ホステスとホストの違い、それは客に飲ませるか、自分で飲むか。 浴びるように酒を飲み、体を壊すホストもいるらしい。 馬鹿じゃねえの? そこまでして続けるほどの仕事か? 命を削ってまで金が欲しいのか?
全編通して見た訳ではないのだが、中でも1番印象に残ったホストがいた。 彼の弟か妹(番組ではどっちか判らなかった)は知的障害者である。 その弟妹のためにお金を作らなければならず、彼は酒を飲み続ける。 ところが彼の内臓はボロボロで、遂にドクター・ストップがかかる。 彼はある日、知的障害者の作業所に向かう。 そこで障害者達と触れ合い、決意を新たにし、母親に手紙を書いた。 「自分のやるべき事が判りました。もう迷いません」 そして彼は今日も酒を飲む。 弟妹のために、親のために……。
違うだろ! 感動仕立てにしちゃ駄目だろうが、フジテレビよ。 店としては、使い物にならないホストならとっとと馘にするだろうが、なまじ成績のいいホストなだけに、手放したくないのは解る。 でもこいつのために、他の仕事に就かせてやれよ。 この子の親もおかしい。 母親なら止めろよ、障害のある子供のために障害の無い子供まで犠牲にしてどうするんだ。 結局、本気でこのホストの事を思ってくれる人がいないのだろう。 それが彼の不幸だと思った。
最近、ホストを扱ったドキュメンタリーやドラマのせいで、ホストという職業に対する偏見が薄れて来たように思う。 しかし、警戒心まで薄れるのはいかがなものか。 若い子が、「あ、こういう職業もアリなんだー」などと、安易に思わない事を祈る。 もう無理だろうけれど……阪大生ホストとか逮捕されていたしな。 まともな親なら、子供をこんな職業に就かせちゃいけない。
昨日から首が痛いと訴え、今朝も辛そうに仕事に出たダーリンは、家に帰って来ても変わらずに具合が悪そうだった。 寧ろ、今朝より辛そう……どうしたんだ。 「大丈夫? 晩御飯食べたらすぐお休みになりますか?」 と心配して声をかけたが、首を横に振るだけ。 「顔色も悪いし、さっさと横になったらいいのに〜。明日、病院に行ってみる?」 「ううん、仕事忙しいから無理。それに、多分行っても駄目だと思う」 え。 それってまさか。 ダーリンは続けた。 「今日仕事に行って初めて知ったんだけれど、また死んだんだよね、若いのが」 「ええと、貴方、首が痛いって仰っていたけれど、もしや」 「うん、首吊り。昨日の未明だって」 またかよ! どうしてこの人はいつもいつも……。 毎度の事で、もう怖いとすら思わなくなってしまった自分がいる。 「で、自殺の理由は?」 「『もう頑張れません』って書き置きがあったんだって。こんな事で自殺するなんてさ」 と、掻い摘んで事情を説明してくれた。 ああ、ダーリン怒っているな。 「うん。悪いけれど、『こんな事』としか思えないね。馬鹿だよねえ、若いのに自分の手で人生の幕を下ろしちゃうなんてさ。それが人生の全てじゃないのに。どうしてそれしか見えなくなっていたかなあ」 全く知らない人の事だが、可哀相にというより、馬鹿だなあとしか思えなかった。 ダーリンも溜め息を吐く。 「ほんとに馬鹿だよ。どうしてこの年代の奴は、弱いんだろう。前にもあったでしょ、死んだ若い奴。同い年なんだよね」 ああ、そうか、あの子も首吊りだった。 彼は遺書も残さず、突然の死に、遺族は酷く苦しんだのだった。 「でも今回は、遺書があっただけまだましだったのかしら……理由が解らないと親御さんも辛いでしょうからねえ」 「そうだね……でもなあ。死ぬほどの事じゃないのに何でだろう」 と、彼は悔しさを滲ませた。
全部森のせいって事でいいですかね。
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