昨日から首が痛いと訴え、今朝も辛そうに仕事に出たダーリンは、家に帰って来ても変わらずに具合が悪そうだった。 寧ろ、今朝より辛そう……どうしたんだ。 「大丈夫? 晩御飯食べたらすぐお休みになりますか?」 と心配して声をかけたが、首を横に振るだけ。 「顔色も悪いし、さっさと横になったらいいのに〜。明日、病院に行ってみる?」 「ううん、仕事忙しいから無理。それに、多分行っても駄目だと思う」 え。 それってまさか。 ダーリンは続けた。 「今日仕事に行って初めて知ったんだけれど、また死んだんだよね、若いのが」 「ええと、貴方、首が痛いって仰っていたけれど、もしや」 「うん、首吊り。昨日の未明だって」 またかよ! どうしてこの人はいつもいつも……。 毎度の事で、もう怖いとすら思わなくなってしまった自分がいる。 「で、自殺の理由は?」 「『もう頑張れません』って書き置きがあったんだって。こんな事で自殺するなんてさ」 と、掻い摘んで事情を説明してくれた。 ああ、ダーリン怒っているな。 「うん。悪いけれど、『こんな事』としか思えないね。馬鹿だよねえ、若いのに自分の手で人生の幕を下ろしちゃうなんてさ。それが人生の全てじゃないのに。どうしてそれしか見えなくなっていたかなあ」 全く知らない人の事だが、可哀相にというより、馬鹿だなあとしか思えなかった。 ダーリンも溜め息を吐く。 「ほんとに馬鹿だよ。どうしてこの年代の奴は、弱いんだろう。前にもあったでしょ、死んだ若い奴。同い年なんだよね」 ああ、そうか、あの子も首吊りだった。 彼は遺書も残さず、突然の死に、遺族は酷く苦しんだのだった。 「でも今回は、遺書があっただけまだましだったのかしら……理由が解らないと親御さんも辛いでしょうからねえ」 「そうだね……でもなあ。死ぬほどの事じゃないのに何でだろう」 と、彼は悔しさを滲ませた。
全部森のせいって事でいいですかね。
鼻歌交じりに掃除をしていたら、歌が出来たので、帰宅したダーリンに聞かせてみた。
ダーリン ダーリン シオンが好き ダーリン ダーリン シオンが好き 口にゃ出さぬ 照れ屋さんだから けれどやっぱり シオンが好き
早速感想を訊いてみた。 「どう?」 「どうって……何でこんな民謡調なわけ?」 「民謡調かなあ。私は童謡調だと思ったんだけれど」 「いっその事、演歌調にしたら?」 とリクエストがあったので、その場で演歌調で歌ってみた。 「マテ。それじゃ最後マイナーにしただけだろ」 クレームをつけられて、私はふくれた。 「何よう。短調の方が演歌らしいと思ったのに。小林幸子っぽいじゃん」 「いっそ、ロック調とかどうよ」 と彼は新たなリクエストをした。 「ロック調……難しいな。貴方、やってみてよ」 ホイ来たとばかりに、お得意のボイス・パーカッションが始まる。
ズダダダダダダダウォ━━━━━━━━!! ズダダダダダダダウォ━━━━━━━━!!
ダーリン ダーリン シオンが好き(・∀・)
ズダダダダダダダウォ━━━━━━━━!! ズダダダダダダダウォ━━━━━━━━!!
「何それ! 何でオリジナル部分だけ元の速さなの? しかも何故デスメタ」 と私が笑い転げると、彼は 「シオンはつまらない事で笑ってくれるよね。皺が増えるよ!」 と言うのだった。 皺が増えたら貴方のせいですよ!
さあ、あなたも一緒に歌ってみよう。 ダーリン→伴侶の名、シオン→自分の名に置き換えて。
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