水曜はレディース・デイ。 よーし映画観に行くぞ!と前日から意気込んでいたのだが、脆くもその計画は崩れ去った。
草木も眠る丑三つ時、私は、膀胱が破裂する寸前で目が覚めた。 布団に入ってから2時間程度しか経っていないが、寒いし面倒だし、トイレに行かずに眠ってしまったのである。 行っとけば良かった……私は激しく後悔した。 少し体勢を変えるだけで下腹部に激痛が走り、トイレに行くのも一苦労だった。 出し切った後も痛みは消えず、唸りながら布団に戻ると、目を覚ましてしまったダーリンがこう言った。 「何か臭い……」 「ごめん、トイレの芳香剤の匂いがする?」 「ううん、シオンがおしっこ臭い」 ガーン! ガ━━ン!! ガ━━━ン!!! 「シオン、おしっこ漏らしたの?」 「漏らしてないっ」 「でもシオンからおしっこの匂いがするー」 そう言うと、ダーリンは寝返りを打って向こうを向き、寝息を立てて眠ってしまった。 しかし愛する夫から「おしっこ臭い」と言われた私は、暫くショックと痛みとで眠れなかったのだった。
夜が明けて、目覚ましが鳴ったが、下腹部の痛みはまだ取れていなかった。 しかも、ダーリンまで頭が痛いから半日休むと言う。 映画……まあいいか。 取り敢えず、今日のところは家で大人しくしとけとカミサマが言っているのだろうと解釈する事にした。
そういや毎月1日は映画の日で、老若男女問わずに1,000円で観られる日であった。 下手すると映画館、混む? そう考えれば、行かなくて良かったのかな……。
法律で義務付けられた身体障害者用の駐車場や点字ブロックを勝手に外していただの、身障者用の客室を健常者用に変更していただので、東横インが叩かれている。 建築確認申請時の設計図には書いてあったものが実際には作られなかったのだから、最初からそのつもりでやっていたのは間違い無いだろう。 27日の記者会見での、西田憲正社長のあの態度は確かに嫌なジジイで、多くの人の反感を買ったろう。
しかし、会見での社長は非常に正直だった。 私もあの社長に倣って正直に言おう。 何故こんなに東横インと社長が叩かれなければならないのかが解らない。 東横インのした事はそんなに悪い事なのか? 確かに社長の態度は悪かったけれど、私はあの説明で納得した。 東横インは、ビジネスマンのためのビジネスホテルである。 年に2回程度しか使われない身障者用の部屋を用意しなければならないのは、確かに割に合わないだろう。 それに点字ブロックって、スーツケースのゴロゴロが引っ掛かるから邪魔なんだよね……外国はどうなのだろう、少なくともフランスにはあんな物は無かった。
取り敢えず身障者のための施設を作っとけという法律があるなら、それを守らなかったのは確かにまずかった。 しかし東横インに問題があると言うより、寧ろこの法律に問題があると私は思っている。 ワイドショーのコメンテーターは、 「これは弱い者苛めだ」 と言っていたが、身障者って弱いのか? 寧ろ彼等は強者の立場で、東横イン社長が弱い者苛めに遭っているように見える。 身体障害者ってそんなに特別なのか? そこまで気を遣わねばならない存在なのか? 身障者は泊まりたいなら、薄利多売的なビジネスホテルではなく、きちんとした設備を売り物にしているホテルに泊まった方が良い。 その方が、より良いサービスを受ける事が出来るだろう。 その事で出費が嵩むと言うなら、そこを税金で補助してやれば良いのだ。 マスコミも、ただ責任者を叩けば良いというのではなく、本当はどこに問題があるのかをきちんと見極めるべきだ。
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