天上天下唯我独尊

2005年12月25日(日) バイオリン発表会

肉体労働(雪かき)を終えて飯を掻っ込み、私は慌てて出かける支度をした。
知り合いから、バイオリン発表会の券を貰ったのだ。
貰ったからにはお花かお菓子でも持って行くのが礼儀なのだが、思ったよりも雪かきに時間を取られてしまったため、買いに行く時間が無いので手ぶらで出かける。

私は弦楽器を弾けない。
弦を押さえる指先が痛くなるので駄目なのだ。
それでも、聴くのは割と好きだと思っていた。
思っていたのだが、独奏が始まって暫くすると、これは……

苦行。

多少下手でもピアノは聴けるのだが、バイオリンはそうも行かない。
ピアノならドと♯ドの間に音は無いが、バイオリンはその間にある無限の音を出す事が出来る。

勿論これは良し悪しではなく、その楽器の特性である。
私はピアノを弾いていて、それが普通だと思っているから全く判らないが、うちの妹など、和音が綺麗に聞こえないからピアノは嫌い!などと言う。(それはピアノが下手な言い訳じゃないのかという突っ込みをしたくなるが)
ピアノは1オクターブの音を12個に均等に分けている(平均律)。
1の和音(ドミソ)を出すには、真ん中のミの音を少し低く取ると、音が唸る事無く綺麗に聞こえるのだが、ピアノではそれが出来ない。
ミの音だけ低く調律しても、和音だけ弾く訳でもないし、ハ調以外の曲には使えないからだ。
一方、弦楽器や管楽器は演奏者がその都度音程を自由に調整出来るので、出す和音に応じて音を上げたり下げたりして、美しい響きを作り出す事が出来るのである。
勿論、奏者にそれなりの技術と耳が必要な訳だが。

音程の合わないバイオリンの演奏を聴くのは、音痴の歌を聞くのと同じである。
いや、音痴の歌はまだ愛嬌があるからいいが、それよりも遥かにきつい。
完全なる独創ならまだいいが、ピアノ伴奏が付くとピッチのずれが余計に目立ち、聴いていて頭痛までして来る始末。
現役音大生だというその教室の卒業生の独奏も聴いたが、正直言って、この程度でも音大なのか……と思ってしまった。
曲にもよるのかも知れないが。(だって本人達の力量よりも、明らかに難しい曲ばかりだったのだ)
1人だけ、安心して聴けるバイオリンがいたが、その人はプロの演奏家だという。流石。

まだ独奏はせず合奏だけに参加する程度の、小さいバイオリンを使うような小さい子供は、下手でも見ていて可愛いから許そう。
いっぱいいい音楽聴いて、頑張っていい耳を持てよ〜。



2005年12月24日(土) 南国は雪かきの苦労が無くていいよな……

私のクリスマス・イブは、雪かきで始まった。

今日は目覚ましより1時間早く目が覚めた。
いつもならここで2度寝に入るのだが、昨夜からの雪が気になり、そっとカーテンを開けてみた。



                   ムーミン!?

これは2度寝している場合じゃないだろ〜。
急いで着替えて洗面を済ませ洗濯機を回すと、私は手袋をして外に出た。
上はセーターにパーカー。
雪はまだ降っているが、すぐに暑くなるのでコートは着ない。
入り口から駐車場に向かって道を付けるだけで、もうヘトヘト。
駐車場の雪も何とかしないと車は出られないが、ここで朝食の時間だ。
慌てて戻ってダーリンを起こし、お弁当の支度をする。
「雪かきの途中だから、朝食は自分で支度してねっ」
と言い残して、再び雪かき。
漸く自分ちの車まで辿り着いたが、公道までは距離にしてその2倍、面積にすると何倍だろう……考えただけで眩暈が。
ダーリンが出かけるまでに何とか道だけでも付けるつもりが、結局彼は雪の中を漕いで職場に向かったのだった。ゴメンヨ。

間も無く、他の土曜出勤らしき住民も顔を出した。
奥さんもスノーダンプで参戦。
「こっちはやりますから〜」
と、駐車場をスノーダンプでどんどん雪かきしてくれるとは、何て頼もしい奥さん!
しかし別の住民は普段通りの時間で出て来て、他所の奥さんが雪を除けてくれた所を、殆ど何の苦労もせずにさっさと出かけて行った。
もっと早く起きて手伝えやコラ!と言いたかったが、ここで喧嘩しても仕方ないので、車の前の除雪を少し手伝ってやる心の広い私。
私なんて朝飯も食わずに2時間も雪かきして、もう腕が上がらないのに、それでもスコップ持ってやってるんだぞ!
勿論これは、自分が昼から出かけるためなのだが。


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