| 2005年12月12日(月) |
ボーナスの使い途2005冬 |
先週末、公務員にボーナスが支給されたそうだ。 公務員の給料を下げろ!だの、民間が苦しい思いをしているのに公務員にボーナスとは何事だ!などと言う人がいるが、そいつは如何なものか。 確かに、こいつを血税で食わせてやる必要は無い!と思うような、例えば不適格教員みたいなのもいるが、きちんと働いている人なら月給もボーナスも貰う権利はある。 それに民間は、バブルの時期に散々良い思いをしたのではなかったか。 アリとキリギリスとまでは言わないが、民間がバブルでウハウハだった頃に民間に比べれば低い給料で頑張っていた公務員に、民間は苦しいんだからお前等も苦しめと言うのは如何なものか。 私立大学が国立大学の授業料も私立並みに値上げしろと言うのに、どこか似ている気がする。
お金の話は聞く人間を卑しくするのでしない方が良いのだろうが、主人が(妻が、じゃないよ)病身に鞭打って働いてくれたお蔭で、我が家にもボーナスが来る。 しかし今年は私が旅行に行ったせいで、殆ど飛んじゃうなあと思っていたら、それだけでは済まなかった。 先日実家から持ち帰った着物のお直し代で、足が出そうな予感(大汗)。 実家の母は、それぐらい出して上げるわよ〜と言ってくれたが、実家には頼りたいようで頼りたくないのだ。 そこまで実家に頼ったら、まるで亭主の稼ぎが悪いみたいじゃないか。 天童荒太原作のドラマ「永遠の仔」(非常に興味はあるが実は未読)で、主人公の少女の家庭がそんな感じだったのだ。 母親はいつまでも娘気分で実家にベッタリ、高価な物も親に買って貰っちゃうという人で、父親は妻の親の手前、苦い思いをしてそれを我慢している、という描写があった。 父親のその鬱屈した思いが実の娘に性的虐待という形で噴出するのだが、これは父親も悪いが原因を作った母親も悪いだろーと、観ていて思った。 そして私は、結婚したら実家に経済的に頼っちゃいけないのだわと、このシーンを通して学んだのだった。
それでもお金はあったら嬉しい。 「ねえねえ、結婚する時に着物作らなかった分、着物のお直し代をうちの親が出してくれるって言ってるんだけど」 と主人に言ってみたところ、キッパリ即答された。 「駄目。シオンはもう僕の奥さんなんだから、シオンの事は僕の稼ぎで面倒看るの」 「ハイ……」 そうだ、そうだよね、と私は言ってしまった自分を恥じた。 「確かに僕の稼ぎはそんなに多いとは言えないけれど、足りないかい?」 「ううん、そんな事無いっ。充分です」 ごめん、もう2度と言わない。
財産は、不動産・株・現金に分けて持つのが良いと言われているらしい。 父は、昔から株をやっている。 一応研究もしているらしく、ほんの小遣い程度には儲かっているようだが、母の話すところによると、 「お父さんは駄目なのよね〜。この銘柄は今が売り時なんじゃないのって私が言っても、頑として『いや、もっと上がるから一寸待った方がいい』って言うのよ。そしてそうしているうちに、どんどん値下がりしちゃうんだから。下手に欲かくからタイミングを逃すのよねえ、いっつも」 なのだそうで……うう、父のその気持ち、よく解るわあ。
みずほ証券の発注ミス騒動で短時間に大きく儲けた人がいるという話を聞いて、私も心が動いた。 「ねえねえ、お父さんはジェイコム株買わなかったの?」 「その時間は仕事中だったから無理だな」 うむ、そうか……。 うちの両親は機械にまるっきり弱いので、昔ながらの、証券会社に電話して頼むという方法で株をやっているのだ。 パソコン使うっていう手もあるわよ、と言いかけたが、そんなものを勧めて万一スッカラカンになられたら困るので止めた。 やった事無いから憶測だが、ああいうのはきっと、ゲームみたいなものだ。 父は私と同じで(と言うか逆か)、ゲームやギャンブルが大好きなのだ。 ついつい嵌まってしまう性格で、いつの頃からかパッタリ止めたが、昔はパチンコもやっていた。 パチンコというものはパチンコ屋が儲かる仕組みになっているという事に気付いて、馬鹿らしくなったのかも知れない。 では、株は誰が儲けるのだろう。 皆が儲かる訳ではないのではないだろうか。 誰かが得をすれば誰かが損をし、誰かの損で誰かが儲ける。 人生の勝ち負けは本人の幸福度で決まるが、株の勝ち負けは数字にはっきりと表れる。 私が株をやったら、勝つのか負けるのか。 必ず勝てるという訳ではないし、負けが込んだら地獄を見る。 昔からそう考えているため、私はずっと株を避けている。 こう見えても小心者なので、儲かるかもという期待感より、もし大損こいたら……という不安の方が大きいのだ。 (ギャンブルは大好きだが、そんな自分をよく知っているので、嵌まって困る以前に、競馬もパチンコもやらない。馬券の買い方すら知らない。その方が私にとっていいのだ) 「やっぱり私、株って嫌いだわ」 と私が言うと、母が 「この間、こんな物が来たのよ」 と言って、紙切れを見せてくれた。 それには、父が買っている株の配当が記されていた。 そうか、株は売買の差額で儲けるだけではなく、配当があるのだった。 「これで半期だから、1年だと12、3万てとこかしらね。勿論これだけじゃなくて、他にも何社か持ってるのよ」 母の言葉に、また私の心が動いた……。
実家を後にして、再びバスと電車に揺られ、私は帰って来た。 ダーリンにその話をすると、 「いいよ。シオンが欲しかったら買ったら」 といつもの返事……予想はしていたが。 「一寸アナタ、それが仮にも経済を学んだ人の言う台詞? 私より詳しいんだしさ、もっとその知識と霊感を生かしてみようとか思わないの?」 「だって僕、お金に興味ないもん。お金はあるに越した事はないけれど、無くても平気だし」 と、これまたいつもの返事……本当にこの人は欲が無いったら。 「世の中貴方みたいな人ばかりだったら、絶対に経済は発展しないよね」 私が半分呆れて半分感心して言うと、彼はエヘヘと笑った。 「やっぱり私、株はいいわ。損するのが嫌だから、初めから3,000円と決まっている年末ジャンボに賭けようっと」 と私が拳を握り締めると、彼が後ろから声をかけた。 「でもシオン、それで今までどれだけ投資して、どれだけ返って来たよ?」 そっ、それは突っ込まない約束でしょ!!
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