ある日の事、TVを観ていたダーリンが吃驚した声を上げた。 「何でこいつがこんな所にいるんだ……」 視聴者参加型の番組で、一般パネラーの中に同僚がいたのだ。 「この番組に出るって、上司に報告してないんじゃないのか。いいのか?」 と彼は頻りに言うが、 「別にいいじゃん。仕事サボって出てる訳でも内部事情を暴露する訳でもないんだし、一々上にお伺い立てなくても、そんなのは個人の自由でしょうが」 と、私は思った通りに言った。 実は私、この番組にはダーリンにこそ出て欲しかったのだが、仕事が忙しくてそれ所ではないという事は解っているので、涙を呑んで応募を見送ったのだった。 こっそりダーリンの名で応募しようかとまで考えたが、どうせ本人に知れたら私が叱られる事になるし。
ダーリンはすっかり同僚の事を「こいつ」呼ばわりなので、 「嫌いな人なの?」 と訊いたら案の定、 「飲み会で凹ませてやったら、それ以来向こうから全く話しどころか、挨拶すらして来なくなった」 のだそうで……そりゃただのお子ちゃまではないか。 他のパネラーと違う意見を述べる同僚を見て、 「ほら、こういう奴。特に信念がある訳じゃなくて、自分が目立ちたいがためにわざと他人と違う事を言うんだよな」 と鼻で笑うダーリン……そりゃ益々お子ちゃまだな。 「そういやさっき字幕に出てたけれど、この人私と同い年よね……私もこんな風にお子ちゃまなの?」 と訊いてみたところ、 「まあ、そういうお年頃なのかもね」 とあんまりな回答が。 それって私に対して酷くないかい? 番組の最後、全員で拍手しているというのに、唯1人拍手もせずにむすっとして腕組みする同僚がTVに映っていた……こりゃ愈々お子ちゃまですな。
翌日の職場では、「昨日のTV見た?」が合言葉になっていたらしい。 そして全員の見解として、「やっぱりあいつは駄目だ」だったらしい。 というのも、全く大した発言をしなかったから。 折角TV出演を果たしたのにも拘らず、彼は周囲から一目置かれるどころか、一目下に見られるようになってしまったのだった。
| 2005年09月28日(水) |
細木数子と100人の小娘達 |
「ズバリ言うわよ!SP」のお話。 100人の一般女子高生をスタジオに招き、細木数子の説教を受けさせるという番組であった。
案の定細木は、全身ブランド物に身を包んだ女子高生と、臍を出すなど露出度の高い服を着た女子高生を否定した。 それは大人として当たり前だとは思うが、彼女の否定の仕方は如何なものか。 駄目なら駄目で、どこがどう駄目なのかをきちんと説明してやらないと、否定される方は益々反発すると思うのだが。 細木のはまるで、「アタシが駄目って言ってんだから駄目なものは駄目なの!」と言っているようで、ありゃあ大人として駄目だろうと思ってしまった。
1人だけ、顔にモザイクのかかった女の子がいた。 番組の中でその子は、彼氏との間に出来た子供を堕胎したという話をして泣いた。 これは一体、どういう涙なのだろう。 堕ろされた子供を哀れんでいるのか、傷付いた自分を哀れんでいるのか。 或いは自分の愚かな行動を後悔しているのか、だとしたら彼女が後悔しているのは堕胎なのか、妊娠した事か、それとも妊娠に至るまでの事なのか、彼女の口からは出て来なかったし、細木も抉りはしなかった。 細木は彼女に対し、 「お父さんにもお母さんにも言わなくていい。ここで泣いて忘れなさい」 と言ったが、私は後半部分には賛同出来ない。 勿論それは彼女だけのせいではないが、彼女にも責任があるのだ。 被害者面して、自分が宿したくせに殺してしまった子供の事を忘れてはいけない。 忘れるな。そして2度と同じ過ちを繰り返すな。 そして私は、細木が他の女子高生達に、 「彼女は素晴らしい経験をした。皆で拍手しよう!」 と言ったのにも、とても違和感を覚えたのだった。 確かに彼女の話は他の女の子への警鐘になるだろうが、それは「素晴らしい経験」とは言えないと思うのだ。 ああ、微妙……。
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