天上天下唯我独尊

2005年09月04日(日) レイザーシオンHG

帰宅したダーリンに、早速報告した。
「ねえねえ、今日トラックが来て、上の住民が引っ越して行ったわよ。それで昨夜、夜中にガタゴトしてたのね」
「えー、本当に引っ越しだった? こんな時期に?」
「引っ越し業者のトラックだったもの、間違いないわ。でも時期的におかしいと思うでしょ? トラックも2台来てたし、とうとう離婚かしら」
「僕達もここに越して来る時、道が細くて4トントラックじゃ通れないから、2トンを2台使ったでしょ……シオンは覚えていないのか」
と、わざわざ溜め息まで吐いて呆れるダーリン。
「そ、そうだっけ……でもトラックの大きさが何トンかなんて、見たって判らないもん! で、離婚だと思う?」
「そんなの知るかっ。シオンは何が何でも離婚って事にしたいんだな……」
「違うもん。離婚なんてしない方がいいに決まってんじゃん。ただ、私は真実が知りたいだけよ。貴方は知りたくないの?」
「別に」
詰まんない男ねえ……この人は。
些か拍子抜けしたが、私は尚も言い募った。
「だって私達がここに引っ越して来た当日の夜に、いきなり『助けて〜!』でしょ? その後だって何度も夫婦喧嘩を聞いているし、あしおとだってドスドス煩くて、何度寝入り端を起こされたか。あれだけ派手な喧嘩をされたら、その後が気になるわよ。それに安眠を妨害されたんだもん、私達には知る権利があると思わない?」
という私の弁舌にも、彼はあっさり答えた。
「思わない」
がっくりする私に、彼は言った。
「シオンはHGだからなあ」
「何よ、HGて……ハードゲイじゃないでしょうね。それとも独逸語読みで『ハーゲー』……ハゲとか?」
「ハード・ゴシッパー・シオン。HGシオンと命名してあげよう!」
ご、ゴシッパーって……。
「それとも、ハイパー・ゴシッピストの方がいいかなあ?」
ゴシップ、ゴシッパー、ゴシッピスト……最上級みたいだな。
てか、どっちも嫌ですから!



2005年09月03日(土) 最後の迷惑

何だか眠くなかったので、ごそごそと夜中に起き出した。
居間で家計簿を付けたりレシートの整理をしたりしていたが、天井からゴトゴト音がする。
上の住民もまだ起きているのか……と思っていたら、ドスン!と結構大きな音が。
ガトゴトと家具を移動しているような音に、ドタドタと人が歩き回る音。
こんな真夜中に模様替えか?と思って時計を見ると、2時30分……おいおい。
寝室のダーリンは、明日も仕事なんですけど。
物音で起きないといいけどなあ。

と思っていたら、朝、ダーリンは酷く眠そうに起きて来た。
明らかに寝不足の顔である。
「上が煩くて眠れなかった……昨夜は流石に天井蹴飛ばそうかと思ったよ」
「今日も仕事なのに、可哀相に……いっそ蹴っ飛ばしちゃえば良かったのに!(足が届くなら) 或いは私に言ってくれたら良かったのに。そしたら夜中でも文句言いに行くわよ!」
「だから我慢してたんだよ……シオンはどうしてそう波風立てたがるんだ」
いや、言うべき事はちゃんと言わないと!

辛そうに仕事に出かけるダーリンを見送り、洗濯物を干して掃除をしていると、駐車場に大きなトラックが停まったのが見えた。
少し離れた所にも同じトラックが1台あって、横にはTVCMで御馴染みの、引越し会社のロゴが書いてある。
銀行なら5月と10月に異動もあるらしいが、9月に異動の職種ってある?
こんな半端な時期に、しかもトラック2台で引っ越すとは、もしやとうとう……離婚!?
自分達こそ半端な時期にここに引っ越して来たのも棚に上げ、荷物が次々にトラックの荷台へ消えて行くのを、私はカーテンの陰からわくわくしながら見守っていたのだった。


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