日々是迷々之記
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2005年12月08日(木) 音がわたしを

昨日の続きである。早起きして病院に行ってから会社に行くつもりだったが、やっぱり起きられなかった。心の奥の方がめんどくさいと言っているような気がした。しかし、うまくしたもんで、またも昼休みに看護士さんから電話があって、今日の20時までに取りに来れば特別に渡してくれるという。

私は粗末な農民のようにありがとうごぜえますだぁみたいなかんじで礼を言い、会社が終わって病院まで走った。

予想通りババア通販のカタログだった。血は争えない。私の趣味も通販だが、母親の手の伸ばし方はすごい。とりあえず知ってるものは全部、そして地方の名産品系まである。シムリー、住商オットー、シルクのジャスミ、ランズエンド、鹿児島うまいもの何とか、などなど。受け取るのが本当に恥ずかしい。

それと意味ありげな郵便が一通。郵便局から本人限定郵便のお知らせ。こんなものがあるのを初めて知った。これはあとでどうにかしよう。

バイパスをバイクで走ると気持ちがいい。マフラーを替えてから、軽くて気持ちのいい音になったので、回すのが楽しい。回して排気音を堪能するのはほんの数秒だけど、くわーん、くわーんと頭に残る。

家に帰るとおでんを煮込み、即席漬けを仕込みつつ、マックを起動し、ビールを飲む。そして音楽をかける。iBookはボリューム最大。が、元々そんなに音は大きくないので、換気扇の音に消されてしまう程度。今日はアメリカンなオルタナ系。ギターの弦がびょんびょん鳴って、孤独な単語を綴る。イエスタデイズサンセット「昨日の夕日」、セイブミーフロムストラグル「もがく私を救ってくれ」。目を閉じると音の中に吸い込まれて浮くのがわかる。

高揚ではなく浮遊。そんな気持ちが今日一日をどうでもいいものに変えてくれる。しんどさも、虚脱感も、切迫感も、強迫感も、やらされてる感も、背負わされている感も。全部がばかばかしいほどどうでもいい。

「かちゃ。」っと玄関の開く音でリセットされた。家人が帰ってきたのだ。音楽を聴いていたので、お風呂の水が満タンになってしまったがまあいいだろう。

自分で自分を解放することができるようになれば、毎日はさほど悪くない。


2005年12月07日(水) きょうの反省

昼休みにお茶を飲んでいたら携帯電話がぶるぶると震えた。ああ、電話や、と思って取ると、母親が入院している病院の看護士さんからだった。用件は2点。さっさと歯医者代金を払いに来ること、郵便物が来ていることだった。歯医者代金は先週からしつこく言われていたのに、私が週末行かなかったので怒っているみたいだった。寝たきりなので出張歯医者さんが来てくれたらしい。

だいたい経管栄養(鼻の穴から胃袋に通した管にカロリーメイトドリンクのようなものを流し込んで食事にする)なのに、なんで歯医者?と思ったが、そんなことを言うと鬼のようなやつだと思われそうなので止めておいた。でも「入れ歯の調整」だけで25120円は高すぎるような気がする。

明日行きます、ととりあえず先延ばしにしてみたが、それも何だかなぁということで、今日、帰りに行ってきた。大阪市の西から東、それもラッシュ時間帯なので50分くらいかかった。寒い、死ぬ…と思いながら病院にたどり着くと、なんと事務の人は5時半までしかいないので、お金は受け取るけどおつりは出さない、手紙も渡せないとのことだった。がぁぁ〜ん…。しかも日曜日は休みらしい。

つか、そんなの対応できないんすけど…。と私はトホホな気持ちマックスで訴えた。看護士さんは困っていた。そりゃそうだろう。んなこと関係ないねんけど、と思っているはずだ。とりあえず明朝9時ちょっきしに来て、手紙とお釣りを受け取り、ダッシュで会社に行くことにした。15キロくらいだし、中型の方のバイクなら多分10時の始業に間に合うだろう。

でも、ちょっと(いやかなり)行きたくない。そんなんであせって事故りたくないし、郵便物だってしょーもないババア通販のカタログかもしれないし、お釣りもらっても事故ったら元も子もないし。でも3万円出したからやっぱお釣りは欲しいし。どっちやねん。

寝たきり老人問題はみんなどうしてるんだろうと思う。一人の老人を養うために一人が収入を得て、別の一人が身の回りの世話をする。ということは、一人のために二人必要ということである。うちは父親がとっくに亡くなったのでまあいいが、一人っ子で両親が健在だったら正直面倒見切れないなんではないか。

こんな言い方は汚いのかもしれないが、本当にそう思う。

と、今までならここで深く落ち込んでいたのだが、今日はその先があった。嫌なら辞めるという選択だ。嫌なら失踪でもなんでもしたらいいわけで、それをしない今の自分は自分自身の選択だと思うようになった。くだらなくてもしょーもなくてもそれはそうなる必然性があったのだと思う。「柳に風」の柳みたいに適当にやっていこうと思う。

薄情者だと思われたくないのなら郵便を取りに行くなど世話をすればいいし、事故りたくないのなら遅刻すればいいし、選ばされるのではなく選べば気持ちはだいぶ違う。結果はまぁ同じなのだから。母親は生きているうちは生きておけば、と思う。

「明日は明日の風が吹く」とはうまく言ったものだなぁと今日は思った。


2005年12月06日(火) よくない季節

日曜日の大阪は激しく荒れ模様。夕方は6度しかないのに雨と風が強かった。私はあっさり風邪をひいてしまった。今日は咳でなんともしんどかったので早退してきた。そんなに忙しくない(はっきり言ってヒマ)のでいいらしい。

しんどくても食事はしないといけないので、スーパーで買い物。マクドでコーヒーとグラコロを胃に入れてきた。

家に帰り、パソコンの電源を入れると、ビールを飲む。これが半ば習慣化している。アルコールの依存性というのはかなり高いのではないか。パソコンを起こすことと同じくらい日常化している。

私の場合、アルコールは確実に効く。まず首から上が軽くなり、寒気が引く。明日は絶対仕事を休んでしまいそうだと思っていたとしても、まあ、行けるか、と思うようになる。

よくないなぁと感じつつも、何に対してよくないのかはよくわからない。明日も仕事だ。


nao-zo |MAIL

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