日々是迷々之記
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2004年04月13日(火) 男ならアレを飲め

会社帰りにお気に入りの酒&輸入食料品店へ行った。私が黒ホッピーをカゴに入れ、ボンベイサファイアの値段をチェックしていると、未成年、もしくはそれに限りなく近い若者が二人連れでやってきた。鼻や口のまわりの顔面ピアス、ベースボールキャップを斜めにかぶり、だぼだぼのランニングにTシャツ、膝丈のハーフパンツ。服装だけなら裸の大将と大差ないが、音楽番組に出てくる名も知らぬ和製ラッパー風に見えるのは若さ故である。

二人は私の後ろ側の列に並んだビールを物色し、ほどなくして本生を1ケース抱えてレジへ向かった。

私はおばさん年齢なので若者のことはよく分からないが、若いうちから発泡酒なんか飲まなくてもいいんじゃないだろうか?私の中の発泡酒は会社の中ではそこそこえらくなったおじさん(ビール代は小遣いから出すことになっている)が家に帰る途中、「ああ、今日はビールが飲みたいな、でも、ちょっと安いから発泡酒にしとこうか。次の小遣い日までまだ1週間はあるしな…」とつぶやきつつ手を伸ばすものである。決して二十歳そこそこのこじゃれた(死語)にいちゃんが自分で選んで飲むのもではない。

この年になって思うのは、若いころからちゃんとしたものを食べる習慣をつけておかないと、大人になってからちゃんとしたものを食べても美味しく感じられないのでは?ということだ。ビールだって発泡酒に慣れてしまったら、本当のビールって苦くてまづいよねってなってしまいそうだ。

「焼酎って飲めないんです。」といいつつチューハイは飲む。という人に会ったことがある。アンタ飲んどるがな!と時折突っ込みたくなるが、突っ込まない方が友好的なのかなとふと感じ思いとどまる。似たようなケースとして「ホルモンとかって一切食べられないんです。だからロースとハラミください。」とかのたまう婦女子がいる。以前勤めていた会社の新入社員だったのだが、ハラミって横隔膜やでと教えてあげたら嫌な顔をしていた。真実を伝えることは難しい。

そんなこんなで世の若い男性かたがたには発泡酒よりは、ビールを、そしてギネスに手が伸びるようになれば、それはそれで男の株が上がるんやでと老婆心から申し上げたい夕暮れ時だった。

そして、パブで飲むギネスはおいしいよなぁ…とつぶやきつつ、今日の私は凍ったジョッキで黒ホッピーである。


2004年04月10日(土) 100円ショップ。大人買いの悦楽

夕方から気になっていたお店に行ってみた。

その店のことは会社の新聞に入っていた折り込みチラシで知ったのだ。会社の近所なので家からは自転車で40分くらい。ちらしによると、「焼酎と輸入食料品と100円均一のお店」のようだ。ちらしには、「森伊蔵29900円」「百年の孤独9000円」「野うさぎの走り4900円」などなど、高級系の店かとも思ったが、「400種類の焼酎品揃え!」というのが気になるので行ってみた。

場所は御堂筋に面したビジネスホテルの地下。レンガの階段を下りていくとそこがその店だった。さすがに焼酎はなかなかの品揃えだった。が、有名どころが多く、これといって特筆すべき銘柄はなかったように思う。が、歓楽街という土地柄か、つまみは大変豊富だった。一回分のつまみが真空パックになってたくさん並んでいる。牡蠣のスモーク、たたみいわしと海苔を貼り合わせたもの、生ハムをモツァレラチーズで巻いたもの、などなど。値段も高くはないが、日常にむしゃむしゃ食べるには贅沢という微妙な設定だった。

併設の100円均一のお店に足を踏み入れた。これがびっくりした。店構えはまるっきり駅中コンビニといった感じだ。ジュースにデザート、おにぎりにサンドイッチ。そういったものが普通に並んでいる。その周りにはお菓子、パン、ちょっとした衣料品、文房具などなど。私の後から入ってきた女子高生軍団が、店員さんに「ここって100均なんですか〜?」と確認していたがその気持ちは分かる。

その100円均一のお店の奥には食器コーナーがあった。とても種類が多く、目移りする。ダイソーなどで見かけるものもあるが、薄いガラスでできた大ぶりのゴブレットなどとても100円ぽくないものがたくさんあった。

さっきの女子高生もかなりテンションが高くなっているようだった。これからお花見をするらしい。(声がでかいので聞こえるのだ。)「あのー、お花見の敷物ありますか?」「あ、ブルーシートですよね?ありますよ。」「(友達に)うわー、あれって100円なんや。めっちゃ大きいやん、100円て安いよなぁ。」などとかなり興奮ぎみだ。その他にも、「言っていい?なぁ、私ってピスタチオ好きやねん。」「買い買い!」などとびしばしとカゴに入れていく。この人たちに不景気は関係なさそうだ。

が、私も大量買いしてしまった。100円均一で1470円も使ったのは初めてかもしれない。



食パン、ワイン2本、焼酎1本、クリームチーズ、パイナップルジャム、ラスク、ゴブレット2個、卵料理の本、カップに引っかけるタイプの茶こし、(つまみの)ジャイアントコーン、はちみつ、ミニサイズの金串。いやはや欲望の赴くままに買ってしまった。

ワインは機内食で出てくるサイズのものだが、煮込み料理などで使い切りできそうで買ってみた。お酒は他にも、桂花陳酒、紹興酒などもあった。チーズもいちごやナッツのクリームチーズもあってかなり目移りする。その横にはセルフサービスで手作りプチケーキの100円均一もあり、横のカウンターで食べられるようになっている。そこは電子レンジも置いてあるので、その気になればそこで買ったもので即座にお茶したりできるのだ。

OL風のおねえさんがケーキを食べながらケータイをいじくっていたり、歩き疲れたおじさんとおばさんがペットボトルのお茶を飲んで一息ついていた。

ミナミの一等地でこんなかんじだとさぞかし流行っているような気がするが、実はめちゃくちゃ空いていて、半年後につぶれていたらどうしようという気すらする。多分みんな知らないのだろう。輸入食材の品揃えもイカリスーパーよりちょっと庶民的、成城石井よりちょっとだけマニアックで好きな人にはたまらないと思う。

今回行った店「スパイシーマーケット」(音が出ます。)


2004年04月09日(金) 消費税見聞録

会社帰りにスーパーに寄った。その店はお酒が置いてあり、月代わりでチューハイがどれか89円になる。先月は氷結で、今月はスキッシュが…という具合である。今月からは内税表示になったので92円だった。

私はふとあることが気になってお菓子売り場に行った。すると、やはりである。「うまい棒」が11円になっていたのである。今までは10本購入すると105円だったのが、110円になるという訳である。ということは100本購入すると1050円のはずが1100円になり50円が余計に財布から出て行くことになる。これはやっぱりスーパーの取り分になるのだろうか?が、傍らの「キャベツ太郎」は20円のままだった。このへんは誰が値段を決めているのか謎である。

次に公設市場の魚屋兼総菜屋に行ってみた。200円と書かれている鯛のあら炊きをを買おうとして、200円出した。ついでに、「消費税はややこしくなかったん?」とおばちゃんに訊いてみた。

すると、「そんなん、カッコして税金を入れへん値段とか書いとったらややこしいやろ?後でおばちゃんが計算したらええだけのことや。しかしまぁ、大きい店はてんやわんややったみたいやで。おばちゃんのトコみたいにな、このおっさんと二人ごはん食べられたらかまへんくらいの店はなんも変わらんけどな…(以下延々と続く)」とのことだった。

家計簿をつける側からすると、レシートが内税で書いてくれていたらそれは有り難い。楽なんである。スーパーでパンとキャベツとビールを買った場合、パンは主食、キャベツは副食、ビールは酒というように科目を分けている都合上、消費税を案分しなくてはならない。電卓で計算すればいいんだろうが、私はめんどくさいので198円のものを買ったら9円か10円など、てきとうにやっている。最後に1円合わないこともよくあるけれど、使途不明金にしたり、ジャケットのポケットに転がっている一円玉を財布に入れてつじつまを合わせている。

多分、今回の内税化で通販サイトや、通販カタログ、新聞のチラシを作っている人なんかはとても忙しかったと思う。大阪に限った話かもしれないが、「マッキントッシュ持ち込みDTPデザイナー募集。24時間3交代シフト。フォトショップ、インデザイン、その他フォント持ち込み必須。スキャナ、プリンタはご用意致します。昼間の時給は800円。深夜は1200円以上保証!全ての時間帯で勤務できる方優遇。」そんな求人広告を見ることがある。今回の内税化に伴って、さぞかし儲かった人もおるやろなと思う反面、薄給でボロ布のごとく働いている人もいるのである。

そんなこんなで私にとっての内税化は、便利だけどいまいち納得できない気持ちが一杯である。


nao-zo |MAIL

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