日々是迷々之記
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2004年03月28日(日) 道楽の食卓

いつも感じることだが、週末の、しかも給料日直後の食卓は豪華だ。昨日はアンコウの唐揚げにふきの豆板醤炒め、ほたるいかのおこわ。それにホッピーと焼酎を好きなだけ。今日はすじねぎポン酢と鯖寿司と納豆巻きだ。

スジネギポン酢はその名の通り、圧力鍋で柔らかく湯がいた牛すじ肉を一口サイズに切り、小鉢に盛り、上からポン酢醤油と青ネギの小口切りをふりかけたものだ。近所の串カツ屋の一品で、家でも簡単にできた。

鯖寿司は昨日購入した鯖をきずし(しめさば)にしたのでそれを使って作った。が、我流でやっているのでそれが正しいやり方かどうかわからない。巻きすにサランラップを敷いて、そこに小骨を取り、皮をひいた鯖を置き、その上に酢飯を乗せて巻く。多分一般的な鯖寿司(ばってら)は切り口が四角く、ごはんもみちっとくっついているので多分押し寿司のような箱を使っているのだと思うが、どうなんだろう。

鯖寿司を作ると酢飯が余っていた。冷蔵庫には納豆がある。納豆巻きを作ることにした。が、これは失敗だった。具が真ん中に入らない、なぜか丸くならない。しかも切るときに納豆が包丁に付いてビョーンと出てくる。まな板の上は(納豆嫌いの人にとっては)地獄絵図だった。

ネットで調べてみると包丁はいちいちぬれぶきんでぬぐいながら切るようだ。具が真ん中にならないのは海苔の上でのごはんの配置に問題があったようだ。なかなか難しい。



こんな感じで丸っこい鯖寿司と全然丸くない納豆巻きができた。見た目は悲惨だが、食べるとこれがなかなかうまかった。特に鯖寿司は鯖のしまり具合といい完璧だった。(自画自賛)売っている鯖寿司はどうも締まりすぎな気がする。当たったらあかんとかいろいろあるのだろうけど、塩でしっかり締めて酢で締めるのはほどほどが私の好みだ。

で、今後の課題は…
・巻きずしの作り方を会得する。
・包丁をぴしっと研ぐ。

いやはや、主婦の道はそれはそれできびしいのだ。


2004年03月27日(土) つまらない男とスタバで

つまらない男とスターバックスで会った。「つまらない男」とは三日連続の登場となる派遣会社の担当者である。仮にFとでも呼ぶことにする。

会った瞬間からどーんと疲れが出た。いつもの安物スーツに社章を付けている。のび太顔と合わせてスタバにいることが何かの間違えではないかといった違和感がある。私がFの向かいに座り、打ち合わせ議事録と書いた用紙を取り出すと、あわてて手帳を取り出した。その手帳は滅多に開いてませんといった感じで表紙がぴしっとしていた。開いた中身も書き込みは一切なさそうだった。とりあえず、ポーズで手帳を出したようだ。

言った言わないの水掛け論になると、時間の無駄なので記録することにしましたと一言言い、私がインタビューする側となって話を始めた。相変わらず的を得なくてだんだんいらいらしてきた。

「○○についてどう考えていますか?」という極めてシンプルな形で質問をしているのに、そうですね、アレあったでしょ?何日でしたっけ?1月の下旬に…といった感じでストレートに返事が返ってこない。真剣に聞いていて、もうそろそろ結論か?というときに言葉が少なくなってゆき、最後は黙ってしまう。おぼっちゃんは、今の話全体から考えを推測して欲しいようだった。

私が一番知りたかった。「空白の時間」について尋ねてみた。空白の時間とは、契約書上は契約していることになっているが、実際は労働していない時間のことである。その期間を待機とみなすかどうかで私のもらう賃金が変わってくるからだ。これについてのFの返答はここでは割愛する。あまりにも何も分かってない返答で笑止千万、へそどころか足の裏でお茶を沸かせるくらいのふざけかただったから。

私は黙ってカバンから先日この日記にも記した本のコピーを取り出した。そこには労働基準法や、民法で、契約期間内にもかかわらず、一方的に解雇された場合の法的な意味合いが説明されている。私は、この場合なら通常の賃金の何パーセント、この場合なら全額保証されますと、手短に説明した。

すると、こう言った。「あ、そんな決まりってあるんですか?30日前の告知は必要とか知ってたんすけど。」と言われた。何か、タワシにでも物を言っている気分になる。

私は、どんな仕事でも自分で勉強していかないといつか干されまっせと言いたかったが、それは置いておいて、私が契約書に記載されている期間分の賃金を要求することは的はずれなことではなく、こういった法律に基づいて、派遣労働者としての権利を主張しているだけだと告げた。

そこからは何かボロボロで見ていて哀れだった。それでも告知日から30日以内の賃金を保証するというだけで、私の主張する契約期間内全額を支払う意志はないとのことだった。

私はまだ言うか?と思い、静かに罵倒を続けた。責めるべき点は、私に延長の意志がなかったのに、勝手に延長のオファーをしつこく派遣先に行うことに問題は感じないのですかとか、労基法も知らない人間がよくこういう仕事できますねとか、「暗黙の了解で合意したと判断した。」というような自己中心的な物の言い方が周りの人間を無用に苛立たせるのだとか、いくらでもある。が、最後の言葉はさすがにショックを受けたようで黙り込んでしまった。

いるよなぁ、こういうやつ。普段は傍若無人に無神経な振る舞いをするくせに、いざ指摘されると、「何でそんなこと言うの?僕可哀想!守って、守って、誰か!」みたいな態度を取るやつが。残念でした。私は自分にはてきとうだが、他人には厳しいのだ。

私は話の内容を書き留めて、最後に署名をしてFにも名前を書けと促した。すると、1月25日の状況も書かないとおかしいんじゃないですかね?と言い出す。1月25日とは2月の半ばで辞めて欲しいと言われた日のことだ。私は打ち合わせ議事録っていうのはその日にその場で打ち合わせをしたことを書く物なんですけど、1月25日の出来事はあなたの日報とか手帳にでも書いてあるんじゃないですか?と言うと黙り込んでしまってサインすらしようとしない。

わたしは1月25日の出来事を余白になぐり書きして、ハイ書きました。サインしてくださいと言ってサインをさせた。はいごくろうさん、である。

私は月曜日に返事をするけれども、そっち側の主張は全く受け入れがたいので第三者を交えて話をすることになると思うと告げてその場を離れた。

過度にいらついていたようで私は帰りの商店街で衝動買いをしてしまった。真鰯1盛、鯖1匹、鮭の切り身、すじ肉500グラム、豚肩ロースの固まり200グラム、そして焼酎のペットボトル入2.7リッターである。

家に帰るとまず鰯を手開きして塩漬けにする。そして鯖は3枚おろしにして塩で締めた。すじ肉は圧力鍋で柔らかくして半分はカレー用、半分は何かおかずを作ろう。肩ロースはショウガ焼き用にスライスして小分けして冷凍庫に。そして昨日買ったふきのあくぬきをして、豆板醤炒めを作った。

私はまだ3時だったが、グラスに氷を入れ、今日買った焼酎を注ぎ、ふきの豆板醤炒めをつまみに吉本新喜劇を見た。ビデオに撮っていたのである。

世の中には、こんなふうに全く波長の合わない人間がいる。そういう人間をよけて生きる能力が必要ではないか。私はぼんやりと焼酎を飲みながら思うのだった。


2004年03月26日(金) 青空と自転車

目が覚めると絵の具をぶちまけたような青空だった。どうも眠りに入れなくて結局3時過ぎに寝たと思うので、4時間弱しか寝ていないわけだが、青空を見ると寝てはいられない。今日のお弁当はひやごはんしかなかったので、冷凍のウィンナーと、タマネギ、ピーマンでオムライスにした。

七分袖のシャツにGジャンを羽織って外に出た。最初は寒かったが、5分ほどでちょうどよく感じるようになった。会社まで快走。今日は週末ということもあって、それなりに忙しかった。

帰りはできたての保険証を持って病院へ行った。先日救急車で運ばれていった病院である。ちょうど保険証の切り替えをしており、とりあえず1万円を置いてきたのだ。病院では以前入院していたときの先生に会った。「顔がちいさくなりましたね。」と言われた。本当に小さくなったかどうかは謎だが、とりあえずうれしい。

病院からはリハビリ通院中のなつかしい道を通った。なんでこんなところに、というような場所にやたらとゴージャスな超高層マンションが建設されていたりしてびっくり。2年は長い年月なのか。

いつものスーパーに立ち寄り買い物をした。ここはスパゲティ(乾麺)450gで68円、食パン全品99円という驚異の店だ。プラス近所に中央市場があるので生鮮品も安い。私はふきを一束購入した。葉っぱは佃煮、茎は豆板醤炒めにする予定だ。

家に帰って携帯電話を見ると、何度か電話が入っている。同じ番号から何回もだ。派遣会社からである。ちょっと暗い気持ちになりながらも、かけ直した。すると、支店長直々の電話だったが、もう支店長は帰ってしまったとのことだった。支店長の言葉は、明日話をする担当者に伝えてあるらしい。どういう話なんだろう。ある意味どうでもいいけれど。

ふと台所を見ると、発泡トレイがたくさんたまっていた。それらを手提げに入れ、近所のスーパーのリサイクル箱に入れに行く事にした。ニュースを見てから家を出る。

外は風がうなっていた。自転車だと目にごみが入ってしんどそうなので歩いてゆく。人の庭の小さなサクラの木がひとつだけ花を咲かせているのを見たりしながらのんびり歩く。平和だなぁ。

スーパーで若ごぼうを買ってしまった。基本的に一週間に1種類の野菜を丸ごと買い、一週間で使い切るようにしている。先週は春キャベツを買った。今週はふきで行くつもりだったのに、ごぼうが登場だ。今しか食べられないのは分かっているが、春は誘惑が多い。

スーパーに併設の古本屋を覗いた。外の特売ワゴンで私はトホホな気持ちになった。新田次郎著の「アラスカ物語」とジェフ著の「真実の愛」がどっちも100円だったのだ。ジェフとは松田聖子の彼氏である。なんか激しくどうでもいいような内容の本だと思う。でも100円なんである。

私はアラスカ物語を手に取り、レジに行った。この本は中学校くらいで読んでとても衝撃的だった記憶がある。レジのお兄さんは「いつもありがとうございます、またお願いします。」と言っておられた。…覚えられているようだ。いつもワゴンの古本を手に店内に入り、バイクとパソコンの本を見てから文庫本を物色。そのパターンが覚えられてしまったようだ。

帰り道は風に転がるコンビニ袋と同じテンポで歩いた。風あるので袋は転がるように回る。ちょっと転がっては小さく舞い、なかなかさっとは進まない。私は行きと同じように植え込みのモクレンの木を見たりしながらのんびり歩いた。

平和な一日に感謝。明日も平和ならいいんだけれど。


nao-zo |MAIL

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