日々是迷々之記
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| 2004年02月24日(火) |
人にメーワクをかけてメシを食う人 |
いますね。そういう輩が。
右折車線から、歩道のお客めがけて一気に車線を変わるタクシーとかはまぁ目をつぶるとして、マンションのポストにチラシを入れる職業関連のヒト。最近ちょっとやりすぎではないですか?
出張○○とかのエロものは紙が小さいからいいとして、不動産屋とリフォーム屋はどっかに消えて欲しい。紙がでかいし、毎日同じ内容のチラシが入っている。
不動産屋の方は「地域に密着してガンバってます!お見積もり迅速!○○住宅 ××地区担当 △△28歳でぇーす!」と書かれて、B5の薄っぺらいざら紙に赤、青の二色刷されている。上記コピーの下には「まんが好きな中学1年生女子」風なヘタカワイイ系を目指しているけど、デッサン狂ってるから見てるだけで苦笑してしまうようなイラストが挿入されている。
このドへたくそなイラストを毎日見せられるのは本当に苦痛である。
かくもまぁ、悲惨な内容のチラシが毎日毎日、しかも不動産会社は一社ではなく、どこの不動産会社も児戯に等しいイラストの裏に、同じ物件をどこも同じ価格で掲載しているのだ。意味ないとおもうのだが。
というようなことをだんなさんに話すと、彼も私の入院中にあまりにもチラシが多くて、2,3日出張しただけでポストがあふれるので管理人に意見を言いに行ったことがあるらしかった。あふれていると郵便配達員のヒトがわざわざドアポストまで入れに来てくれるのも心苦しいというのもあったらしい。(親切だなぁ、郵便局のヒト)
すると、どーよ。管理人はだんなさんをたしなめるようにこう言ったらしい。
「あんたねぇ、チラシを入れている人も生活があってやってるんだから、こっちが断ったらその人仕事できないでしょう。人のこと考えたことがあるの、おたく。」と言われたらしい。
…。世の中にはそういう考えをする人がいるってのにびっくりである。これって「俺が道路にポイ捨てやめたら、お掃除オバチャンが失業しちゃうじゃん。」とかのたまう輩と同等である。
世の中がこれでフツーなら、私はやっぱり変な人なんだろう。と釈然としない思いを抱えながら、今日もポストからゴミを引っ張り出してゴミ箱にぶちこんでいるのである。
| 2004年02月23日(月) |
「負け犬」なのか?〜「負け犬の遠吠え」ななめ読み〜 |
土日は小学校の時の友達全部で6人が我が家に集まり、宴会をした。小さな小学校だったので女子は2クラス合わせて20人しかおらず、そのうち6人が卒業後20年間もちんたらちんたらつきあっている。宴会といっても何故かこのメンツは飲まない。どっかに食べに行って、帰り道にお茶とお菓子を買い、アイスクリームを食べながら歩くのは、高校生のときから変わらない。変わったのは話の内容だ。「自分、今年厄年やで。」と早生まれの私は言われたり。
だんなさんが家にいないということで今回はうちに集まった。コタツの周りに集まり、べらべらしゃべる。みんなそれぞれに岐路に立っているようだった。
一人は経理で10年以上やってきたが、来月から営業に出るそうだ。本当は若手の女子が出ることになっていたのだが、おとなしめの子で向いていないということになり、そのミニ上沼恵美子のように口が達者な友人に白羽の矢が立ったらしい。
もう一人は商社の本社勤務だったが、所属課まるごと同じビル内の子会社に異動になるそうだ。退職金をまるごともらえるけど、基本給はどーんと下がると言っていた。
別の一人は洋服のパタンナーとして休みなく働いていたが、自分の仕事と平行して後輩の指導をやることに疲れ果てて、この半年ほど通院をしていたようだった。が、春に退職して職業訓練校に通って、もう洋服の仕事は辞めると言っていた。
皆が言うには、異動やらなんやらって言うけど、ホントはリストラしたいからちょっとアレやなと思わせるような選択を迫ってるんやでとのことだった。
正社員として働くことのきびしさを不謹慎かもしれないけれど、初めて感じてしまった。私は何故か正社員を経験せずに派遣社員になってしまってから、ずっと派遣社員である。選り好みをしていると、すぐ無収入になるし、海外旅行に行くたんびに仕事を辞めていたので、有給休暇を使って海外旅行に行ける正社員の人をうらやましいなぁと思ったこともあるにはある。
しかしまぁ、これである。雇用主が労働者にちゃんと形として与えられるものはお金だけで、労働者が雇用主に提供するものは目先の利益だけでなく、プラスアルファがあるのに、金で誠意を見せろって思ってしまう。(あ、なんかヤクザみたいな書き方をしてしまった。)
そんな思いを心のすみっこに持ちつつ、今日は本屋に行った。すると私の神経をサカナデするような内容の本があった。その本によると、「未婚、子なしの30代女はすべて負け犬」なんだそうな。こういったことに勝ちも負けもないはずなのに、むちゃくちゃ不愉快だと感じてしまった。
この本のカテゴリー分けによると、わたしの友達(私ともう一人をのぞいて未婚。全員子供はいない。)は極論すれば「毒物カレー事件の林眞須美」以下ってことになる。人目を引いてナンボという考えで、衝撃的なコピーをまとった本を出しているのだろうが、全然関係ない他人を小バカにして小銭を集めるなと言いたくなった。
が、こんなことにイラついてるのは私くらいのもんで、当の未婚30代である友人達は、「しゃあないなぁ。」「よぉ、言うたなぁ。」と軽く笑うだろう。みんなこの年まで悩んだり、考えたりして、諦めたり、挑戦したり、泣いたり、笑ったりして来ているのだ。ただ、「今までいろんなことがあったけど、今、元気で生活しています。」という事実があるだけだ。地に足を着けて生きている人間の強さをこの作者は知らない。
他人をカテゴリー分けしたり、レッテルを貼り付けてみたり、そんなことに一生懸命になるよりも、普通に常識を持ちつつ年齢を重ねて行くことに努力するほうがいいんではないだろうか?
蛇足だが、この本は「負け犬」だけでなく、「イヤ汁」、「子ナシ」などネット上では見るけど、印刷物として見ると、不愉快な単語が頻出する。女の子オンナノコしたどピンクの装丁と相まって、手にしただけで何か嫌なモノを触った気がした。
この本が「うまい棒140本ぶんの価値」があるとはとうてい思えない。
| 2004年02月21日(土) |
仕事を辞めるという泥沼・後編 |
昨日の続きです。
「あんたなぁ、契約とかそういう話やないんや。それであんたはええんか。ええ出会いやったと気持ちよく終わらせたくないんか!」と血管ぶち切れ状態でまくし立てた。私は静かにいらつきながら、「では、直接雇用とは関係ありませんが、一つだけ疑問に思っていたことがありました。何故、私が辞めることを経理の方に話されていなかったのですか?引き継ぎたいこともあったので、もう、話されているという前提で会話をしようとしたら、全然聞いていない、それは何かの間違えだと一蹴されてしまいました。社員の方に通知するのは社長の役目ではないのでしょうか?」と言った。
今回、辞めるに当たって、一番なんぎだったのが、経理の女性との関係だった。わたしがいなくなった後の引き継ぎをしようとしたら、そんなん社長から聞いてないの一点張りで、でも、私に去って欲しくないようで、二人だけになると、私は一人になったらどうしたらいいかわからへんわとか、社長に頼んで正社員にしてもらったら?とか、言葉は悪いけど粘着性の態度を取られるようになってしまった。彼女は悪い人ではないんだけれど。
社長の返事は、「そんなん、ワシが決めることやから、従業員に通知せなあかんとは思わへんけどなぁ。」だった。ムリもない。家族でない人間は経理の女性と私しか雇用したことがないのだから。わたしは、それは家族以外を雇用する場合は通用しませんよ、と言おうとしたが、やめた。
それから社長と担当者の水掛け論が続き、話し合いが終わったのは4時前だった。
私は席に戻り、パソコンの修復を始めた。XPなのだが、Win2000の使い勝手に変えていたし、画面キャプチャのフリーウェアやら、高機能なタブブラウザやらてんこ盛りに入れていたので、普通のXPに戻すべきだと思ったのだ。
せっせと作業を進めていると、経理の女性が、何しているの?と聞いて来た。要らないソフトを消して、データを整理しているというと、「もう、いいからパソコンはそのまま置いておいて。いるとかいらないはこっちで(専務に)判断してもらうから。で、ログインのパスワードは何にしているの?」と聞いてきた。明らかに目がいつもと違う。疑われているのだ。最後にもめたからむちゃくちゃにして去っていくとでも思っているのだろう。私は悲しくなった。短い間だったけど、楽しかったのに、そういうものは全部もう彼女の中では私への不信感に変わってしまっているのだ。
「パスワードはなしでログインできるようにします。あと、常駐しているソフトウェアや、試用版のソフトウェアを残しておくと、トラブルの原因となりやすいので、標準の状態に戻しているのです。」ときっぱりと、他人行儀に言った。拡張子も、全角、半角も知らない彼女には優しくない言い方なのは分かっているが、今の私に人にやさしくする余裕はない。
「ウチの書類は全部機密やから、書類なんかは一切持って帰らないでね。作ってもらったもの(ファイルとか)は全部ウチの会社のものなんやから。」と彼女は言って席に戻った。
あーなんかもう、ぎりぎりの気分だ。できることなら、ハードディスクをフォーマットして、アカウントIDとパスワードを漏洩させて、ファイヤーウォールをオフにして帰りたい。そんなことしたらタイーホもんだろうから、しないけど、不当解雇されたSEの人とかが悪事を働くのも分かる気がする。
5時過ぎたので帰ろうとすると、専務が引き継ぎの件で確認したいことがあるんやけどと近寄ってきた。一通り質問に答えた。すると、専務は微妙に涙を浮かべながら、俺としては今まで通り仕事を手伝って欲しいんやけどなぁ、でも、お金のこともあるしなぁと言った。あんた、泣いてどうなるよ、今更と言いそうになったが、そんなことを言うと絶対泣くだろうから、「まぁ、社長が一代でたたき上げた会社だから、ある程度ワンマンになるのはしょうがないですよ。」と声をかけて私はその場を離れた。
一体何だったんだろう?へんくつ社長に怒鳴られて、せっかく仲良くなった経理の女性には手のひらを返したように疑われて、専務35歳には泣かれそうになり、本当に訳の分からない一日だった。
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