日々是迷々之記
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| 2004年01月08日(木) |
ママチャリとの死闘とその愛 |
年末にママチャリの後輪から空気が漏れるようになった。早速パンクかと思い、マンションの部屋まで持って上がって、チューブを引きずり出して穴の場所を探そうとしたが穴が無かった。で、とりあえず空気をパンパンに入れて様子を見たが、3日くらい経つと空気が抜けている。
それからバルブの中の虫ゴムを取り替えてみたりしたが、やはり空気は漏れてくる。ということで重い腰を上げて、チューブを新品に交換することにした。
何でそれが「重い腰」になるかというと、ママチャリの後輪をはずすのがめんどくさいのだ。マウンテンバイクや、ロードレーサーだとクイックレリーズのレバーが付いており、ブレーキワイヤーを緩めて、チェーンをたるませると簡単にタイヤが外れる。
が、ママチャリの場合は、泥除け、スタンド、荷物台をはずしたりずらしたりして、それからブレーキ部分を最低限ばらして、チェーンケースのすきまからチェーンを引っ張り出して緩めて、手をオイルでネタネタにしないとタイヤを外すことができない。ここまでで小一時間。
そこから新しいリムバンドとチューブを装着し、空気を入れる。そしてまた元に戻す。
何回もひっくり返ったり、風雨に打たれたりしているので、自転車自体がガタガタなのでねじ穴がうまく合わなかったりして、組み立てるのも一苦労だった。
結局、全工程で2時間半くらいかかった。
自転車屋に持ってゆくと、多分3-5千円くらいはかかるだろうし、自転車屋のおっさんにイヤミのひとつも言われる可能性が無きにしも有らずなので、しんどくても家でやるほうがいいような気がした。
自分で直すと愛着がわいてくるのはいつものパターンか。ベランダには11年前に購入した自転車があるというのに。これも艱難辛苦(大げさ?)を共にし、わざわざカナダから持って帰ってきたので、部品が手に入らない今も捨てることが出来ないのだ。(しかも激安でブランド的価値は一切ない。)
来週は自転車で通勤しよう。
まだ仕事始めから2日目だというのに私の顔には縦線が入っていた。いろいろ事情があって、某銀行のパソコンバンキングソフトをあるパソコンにインストールして使えるようにしないとだめなのだ。
このバンキングソフトってのが調べれば調べるほど旧時代的だった。私は新生銀行のインターネットバンキングシステムをよく使うが、ウインドウズでしか出来ないことを除けば、使い勝手は良好だ。が、この某銀行のシステムは専用ソフトが必要で、パソコン通信みたいなシステムになっている。要は常時接続の環境ではだめで、モデムで発信しないとだめなのである。
ところが、うちは現在FTTHでその前はISDNだった。ということでパソコンの内蔵モデムを使用しようにも使えない。で、以前使っていたヤマハのルーターをじっと見た。これにはシリアルポートが付いていて、そことパソコンのシリアルポートを接続してやるとモデムのように使用できるらしい。詳しくは説明できないが。ということでどうにかこうにか、シリアルポートで接続し、ネットからルーターのドライバ類をダウンロードし、CD-RWに焼いて、当該のパソコンでインストールして設定した。すると当たり前だが使えるようになった。
ものすごく感謝されてしまって、「なおぞうさんって、本物のSEみたい!」と絶賛された。ついでに、明日のお昼はものすごく美味しい弁当屋さんのハンバーグ弁当を買ってもらえるようになった。それはとてもうれしいことだ。
が、しかし、それだけのことでSEみたいとか言われてしまうのはどうかと思う。私のやったことと言えば、そのソフトがどういうモノかを調べて、それを使えるようにはどうしたら良いかを考えて、ダウンロードや、インストールをしただけである。もちろん、パソコンを使っているだけの人なら難しいだろうが、ここは会社である。この程度のことでいちいちシステム屋さんを呼んでいたんだろうか?(まぁ、実際呼んでいて、ぼったくられまくってたわけだが。)
結局午前中はそれだけで終わってしまった。昼からは、業務の進捗状況をまとめる日報のようなものをエクセルで作った。実はこれと同じようなものを入社してすぐ作ったのだが、社長があんまり気に入らなかったみたいなのでお蔵入りになっていたのだ。それは、一つのエクセルファイルの中に「顧客ID」というシートと、「商品ID」というシートと、「工程表」というシートを作って、それぞれ入力してゆくと、最後の「納品、請求管理」というシートに、何が納品済みで、何が請求できてないかというのが出力されるというシロモノだった。
私は「いやー、ごっついわかりやすいわぁ。」と自画自賛だったが、社長にとっては「はぁ?」だったらしい。社長はパソコンを全く使わないので、シートとか、データとか言ってもそれがナンボのもんやねんという風に感じているようだ。なので私が、ここのシートに商品の明細、こっちのシートにお客さんの明細、で、こっちのシートに対応するお客さんのID番号、で、売れた商品のID番号と納期を入力すると、次のシートに状況が出るんですよ。とか言っても宇宙語なんだろう。最後は「ゆっくり見るから紙に出して。」と言われた。
これを言われるのが私は苦手である。元々出力するように作ってないから見栄えがしないし、第一、データ量が多すぎて、A3横でも出し切れない。印刷ユーティリティ任せで一枚に入るように印刷することも出来るが、そうすると文字が極小でお年寄りにはつらそうだ。
ということが今までに何度かあって、私は信用を失いつつある。最初っから信用があったのかどうかは知らないが、うさんくさいやつだという感情は高まっていると思う。毎日パソコンでかちゃかちゃやっているわりには、彼の思う成果物(=紙に印刷されたもの)を一切出せずにいるからだ。
これだけではなく、てんでばらばらに作っていた見積書や、ファックスの送り状などを統一フォームとして共有フォルダに入れても誰も使ってもらえなかったりした。何で使ってもらえないのか聞いてみたら、以前自分で作ったモノを使い回ししたほうが楽だからという返事が返ってきた。その人のマイドキュメントフォルダには「送り状」というフォルダがあり、その中にお客さんの名前を冠したエクセルファイルが50個くらい入っている。ファックスを送るときはそれを開いて、日付を今日にして使っているらしい。
ここは会社なんだから、個人個人が楽なようにってやり方はあまりよくないと思うが、家族経営の会社ではそれも通るのだろうか?
でも使ってもらえるものを作らなければしょうがないので、一切マクロや関数は使わずに、ただ日にちを入れて、誰に何をどうやって連絡してどういう結果になったかを記入する一行日記のようなものを、以前作ったシステマチックな工程表のかわりに作った。「1月5日○○工務店△氏に最終見積もりをファックスで送る。(税込み○円)」といった感じに。これでも、どれは納品できていて、請求したかどうかを知ることは可能だ。もちろんA4縦で普通に出力できる形で。これを更新するたんびに印刷して、社長の机の上に置けば気に入ってもらえそうだ。これが今日の午後からの仕事だった。
パソコンでやる意味があるとは思えないが、役に立たなきゃ意味がないのは真実だ。
私は家に帰ってコタツにはいるとうとうとと寝てしまった。電話がかかってこなかったらやばかったと思う。22時過ぎ、食事を作る気力もなく、朝食用に買ったパンと、オニオンスライス、鯖の水煮缶にポン酢マヨをかけたものを食べ、酒を飲んで今に至る。眠たい。
世の中には色んな人がいる。パソコンがない時代から生きている人もいるし、成果物が手に取れる形にならないと気にくわない人、新しいことには拒否反応を示す人、会社と家族を混同している人、私はその中のいずれも苦手で、つきあう術すら持たない。それに輪をかけて、人の話を聞こうとしない人は手を付けられない。
はいはいって聞いて、印刷せよと言われれば、見栄えなんか二の次でとりあえず印刷しておけばいいじゃんかというのが世渡りというものだとは思うが、私には、私のやり方でやれば、何かしらの利点があるという意志がある。金をもらっている以上は役に立つべきだしと考えており、自分の能力の中で最大に利益をもたらしてあげるのが使命ではないか。私の方がパソコンやそれをとりまく環境には詳しいわけだから、それをふまえて提案などをしている。それに聞く耳を立てずに、手書きの台帳や、電子メールを印刷してファイルすることなどを求めるのなら、もっと別の人間を雇えばいいではないかと思ってしまう。
今日も終業時にはパソコンやプリンタの電源を落とし、社長夫人が手作りした布のカバーをかぶせる。数年前、「パソコンのウィルス」が流行した時に、社長の指示で嫁に作らせたものらしい。
この会社もぼちぼち辞めようかなぁと思う今日このごろである。
さて今日は仕事始めだった。久しぶりの通勤なので早めに家を出た。が、勘が鈍ったのか、そんなに早く到着しなかった。といってもやはりというか何というか、会社のドアは閉まっていた。とほほ。
会社の中に入ると微妙に荒れていた。昨日は例の家族の宴会だったようである。私は掃除機をかけながら愕然とした。床にラムネがたくさん転がっているのだ。床の上だけでなく、応接室のソファーの背もたれと座面の間にも押し込まれていた。
わたしはくそーと思いながらソファーのカバーを剥がしてラムネをほじくり出した。そのころ経理のねぇさんが出勤して来たので、ラムネのことを話した。すると、昨日はお子様がた、「元気いっぱいモード」だったとのこと。んで、親達は子供達の御乱行を「のびのびしていていい。」って感じで注意なんか全然だったとのこと。世も末である。ちゃんとしかったりしつけたりされるだけ、犬や猫のほうが数倍ましだ。
応接室のテーブルの上には一升瓶があった。月桂冠の超特選吟醸という何だか金色のラベルがきらきらしたやつだった。私はふぅんという感じで成分表示ラベルを読んだ。(くせなのだ。)
すると、「醸造アルコール」とあった。成りは高級そうだけど、まぜものなしではないらしい。この辺は好みだろうけど、どうせ飲むんだったら、素性がわかりやすいベーシックなもののほうがいいような気がする。しかもこんなキンピカラベルに金をかけたようなものを飲むんんなら、「男山 大吟醸」でも飲む方がよっぽどリッチな気がするが。(飲んだことないけど。)
というような話をだんなさんに電話で話したら、縁起物だから味はどうでもよくて、金箔が入ってるほうがポイントが高いことになってるねん、とのことだった。それだったら「大五郎」とか「ビッグマン」でも金箔が入ってたらめでたいわけ?と聞いてみたら、そんなんないけど、ありがたがって飲むことに意味があるんじゃないのと言っていた。
私は金箔は入ってなくても本当にうまいほうがいいなぁ。
とまぁ、やっと仕事モードの話を書けると思ったらやはりというか何というか、最後は酒の話になってしまった。何だか今年を暗示するような気が…。
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