日々是迷々之記
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年末とは思えないほどぽかぽかとした昼下がり、オババは突然やってきた。今日は社長と専務は一日出張。社長夫人がせこせこと大掃除の前哨戦のようなことをやっていた時だ。まぁ、ほこりっぽいのは分かるけど、観葉植物をボロぞうきんで水ぶきしたり、ああ、忙しい忙しいと独り言を言いながらどかどか歩き回るのは止めて欲しかった。
そこにもひとつ輪をかけたようなオババがやってきたのだ。話から推測するに社長のお兄さんの奥さんらしい。で、息子は30代後半で未婚。大手ゼネコン勤務だが、父親のコネがなければとても就職できなかったほど、道楽三昧のボンボンだったらしい。別にそんな情報知りたくないが、オババ達の声が大きすぎてまる聞こえなんである。
しかし、オバサンはいろんな側面で他人より優位に立ちたがる。例えば、「私は北海道の出身だから、美味しい鮭を知っている。いくら大阪で高価なモノをいただいたとしても、舌が肥えているので美味しいとは思えない。」「北海道では天然の無着色のたらこを生で食べるのが当たり前だと思ってたけど、大阪では焼いて食べるのでびっくりした。まぁ、焼かなきゃ食べられないレベルよね…。」そんな会話をエンドレスで楽しそうに交わしている。例の息子についてすら、猫なで声で「コーちゃんはお仕事忙しいから、私がしっかり相手のお嬢さんを捜してあげなきゃいけないのよ。」とかのたまっている。自分で探させろ。
こんな話を私の真後ろで3時間もされてたまったもんじゃなかった。全然仕事が進まなかったです。ハイ。
やっと5時前になりババァ達は帰ったが、わたしは残業覚悟で書類を作る。私の向かいに座っている経理のねぇさんも仕事が残っているようでもくもくとやっている。
私は、ふと、「コーちゃんってどんな人か会ったことあります?」と聞いてみた。するとねぇさんはニヤリと笑って、「(アラレちゃんに出てくる)ドクターマシリトと小泉首相を足しっぱなしにして、12時間眠らせて思っくそ寝ぐせつけたような男やで。」と言った。どんな男やねんと思いつつ私はヒーヒーと笑ってしまった。39歳マシリト寝ぐせ男と天然たらこ生食命オババ。そんな家族に嫁入りする人なんているんだろうか?
そんなこんなでやっとこさ仕事を終えたのは6時を回っていた。世間はクリスマスイブだっちゅうのに、何かぱっとしない。私は家に帰るなりビールを飲みながらまんがを読み、ゴハンも食べずに寝てしまった。
| 2003年12月21日(日) |
零細企業事件簿・誘拐と臓器売買疑惑 |
先日に引き続き小さな事件をご紹介しようと思う。
ある日、社長婦人が聞いて、聞いてと話しかけてきた。 なんでもユニバーサルスタジオジャパンに行かないほうがいいという話であった。どういうことかというと「子捕り」(いわゆる人さらい)が多いとのこと。状況はこんなかんじ。
「近所の奥さんのお孫さんが行ってる幼稚園の友達のお母さんから聞いた話やねんけど、USJでさらわれそうになったんやて。娘さんがトイレ行きたいいうから、行っといでって行かせたんやて。そしたら戻ってけーへんねん。友達一家と3家族合同で行っとったから、家族ごとに3つの出入り口に分かれて、出口に娘さんが来ないかどうか待っといたんやて。そしたらな、その子のお母さんが待ってる出入り口にな、お父さんとお母さんと思われる男女に抱えられるようにして、ざんぎり頭の女の子が出てきたんやて。待ってたお母さんは直感で「あの子や!」ってわかったからそこで止めたんやて。」
ふむふむ、それで。
「でな、そこからや。確かにその女の子は娘やったんやけど、髪の毛切られて、服も着替えさせられて、薬かなんかでぐったりさされとったらしいねん。 で、USJの人に「警察呼んでください。」って言ったら、奥の部屋に連れて行かれて、風評が悪くなるからどうぞそれだけは勘弁してください。って言われて100万円を口止め料としてもらったんやて。」
ほうほう。
「後で幼稚園の仲良しのお母さんと話してみたら、USJでは某国とつながりがあって、栄養状態のよい日本の子供をさらって大阪湾に停泊した船の中で臓器を取り出して臓器売買に利用してるねんて。臓器抜いたら残りは大阪湾にセメント漬けにして放りこんでるらしいわ。そんでも騒ぎにならへんのは、ややこしい国が相手やからUSJと警察で結託してるかららしいわ。」
んなアホな。と、思いつつも相手は社長夫人なのではぁ、それは怖いですねと 適当に相槌を打っていた。するとその話を聞いていた専務もさすがにアホらしと思ったようで、いきなり2ちゃんねるを検索しだした。
すると、「USJ 誘拐 臓器」でずばり出てきたのでびっくり。いわゆる都市伝説だったようだ。USJ側も相手にしていないようで、そういう問い合わせがあったら、どこの誰からそういう話を聞いたのかと尋ねるそうだ。すると、子供の友達のお母さんの知り合いとか、マンションのうわさでとか、そんな程度で結局出所はわからないらしい。まぁ、USJもえらい迷惑だろう。
今までもこの手のうわさはいろいろあったわけだが、ネットのおかげでうわさの広まる速度は異常に早い気がする。ネットのニュースで夕方見た記事が、翌朝の朝刊にも載ってなかったりするわけで。
そんな中でうわさを鵜呑みにして、人に言いまくると思わぬ醜態をさらしてしまいそうだ。先日の偽札疑惑にしても、ちょっと調べれば裏づけに足るソースは見つかるだろうに。まぁ、そのソース自体の信憑性をどこまで信じるかという問題はついてまわるが。
ともあれ、そんなこんなで午前中が終わっていったりする。平和な会社だ。
| 2003年12月20日(土) |
零細企業事件簿「偽札騒動」 |
年末も押し迫っており、経理のねぇさんは大忙しだ。毎日銀行に行っている。今日も何に使うか知らないが、百万円単位の一万円札をおろしてきたようだ。
そのお金を帳面に付けて、封筒に分けている。その作業をしているねぇさんが、あっと小さくつぶやいた。「なおぞうさん、見てみ。これ。偽札ちゃうか?」私はねぇさんのデスクに行って見た。確かにちょっと違う。私は瞬時に「ネタになる!」と思い、とりあえず神妙な面持ちを装い、スキャンニングした。(お札ってスキャンニングしたらあかんかもしれへんけど、全体じゃないから多分大丈夫だろうとも思うのでとりあえず。)
以下、表と裏です。ものすごく小さな文字なので画像をでかくしなくてはならず、重たかったらごめんなさい。幅もでかいし。

↑10000の下の波線状の文字「NIPPON GINKO」が下のものは一本の線になっている。マイクロ文字というらしい。

↑裏も同じく左下の波線状の部分が文字のモノと線のものがある。
果たしてこれは本当に偽札なのか?
こんなことはネットで調べればすぐにわかることだが、我が社はISDN。実は光も先日開通したのだが、忙しい、忙しいが口癖の某氏が「雨でクルマを止められなかった。」とか訳のわからない理由でルーターを買ってこないので某氏のパソコンしか光接続を使えない。しかも直つなぎでファイヤーウォールはオフだ。ただの踏み台にでもどうぞなってくださいって感じだ。
これらのことは後日詳しく書くとして、とりあえず、偽札である。結局とろい回線で調べモノをするヒマもなく、私はUSBのメモリにスキャンニングした画像を入れて家に持って帰って調べた。
奇しくも我が家はADSLの接続業者を変更する日だったのでネットは使えず、やっと土曜日に開通し、ネタを調べることができた。
結果。偽札ではありませんでした。
ある程度予想してたけど、やっぱりなという感じである。100枚のうち4枚も偽札がATMから出てきたら大問題やろし。
理由は「偽札防止のために平成五年から線を文字に変えました。」とのこと。(国立印刷局)
でも、偽札や!と言ったねぇさんの気持ちも分かる気がする。家にネットもない、普通の生活をしていたら、「違う絵柄の札→偽札」を疑うのも当然の心理だと思う。もしかしたら平成五年当時、「線から文字に変わりました。」とかテレビのニュースでやったのかもしれないが、そんなもの、万人が見ているわけではないと思うし。
まぁ、ネットのねたも中にはトンデモないのもあって「事実を事実と判断する目がないと難しい」というのは事実で、やたらと鵜呑みにするとちょっとイタイ人になってしまうこともよくある。
ネタか?「偽一万円札は某国で…。」
明日は引き続き、零細企業事件簿をお送りしようと思う。(例によって、くだらない内容です。事件簿だけど事件なんか起きてないし。(^^;)
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