日々是迷々之記
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2002年01月23日(水) 解雇の理由

いつものように進まない仕事にいらつきながらがしがしとキーボードをたたいていると、所長が電話で話すデカイ声が聞こえてきた。その話の内容に思わず私は聞き耳をたてていた。

「あの子はやめさせたんや。一ヶ月派遣で雇ってから社員にしたんやけどな、派遣会社にその子の年収の何パーセントかを払わなアカンねん。ホンマに採用するんやったらな。試用期間は派遣期間も含めて3ヶ月らしいわ。いやー、かなわんで。実務経験ないから1からモノ教えなアカンわ、余計に金はかかるわ…。」

「所長、声でかいわ。」私の直属の課長がつぶやいた。私が聞いているのを知っているからだ。

しかしあけすけな男だ。最初から、実務経験のないことも、引き抜いたら派遣会社に支払いが発生することもわかっていたはずなのに。そんな気まぐれな行動で一人の人間のはじめの一歩を翻弄していいと思っているのか。

こんな所に長居は無用だ。エクセルの関数をマスターして、有給休暇が発生したら辞めよう。

って、その前に解雇されるかも。明日、明後日と職安経由で来た人を面接するらしいし。

こういう下らない状況で、先が見えないのは面白い。見届けてやろうって感じだ。解雇されてもこっちは特に困らないし。


2002年01月22日(火) 木枯らし吹く夜は

仕事が6時過ぎに終わったので、1つ手前の駅で降りて歩いて帰ることにした。スーパーに行って、洗濯せっけんやら海苔やら購入するのだ。

荷物を抱え、家につく頃にはすっかり体が冷えており、禁断のコタツに電気を入れずにはいられなかった。は〜、冷えるなぁってことで今晩は鍋物だ。

一人用土鍋に水と昆布を入れて放置。一時間後に水を火にかけ沸騰する寸前で昆布を引き上げる。そこに、アンコウのぶつ切り、白菜の固い部分、椎茸の軸をさいたものを入れふたをし、5分ほど煮る。その間に豆腐、ポン酢などの段取りをした。

こたつにカセットコンロを置き、ふつふつと湯気をあげる土鍋を乗せた。湯飲みに日本酒を入れ電子レンジでお燗をするのも忘れない。お酒をくぴっと一口飲むとほわんとぬくく感じた。

あんこうをつまむ。むむ、フワフワして骨に近い方はぷりぷりだ。んまい!豆腐がポン酢に合うねぇ。くぴくぴっ。という感じで食べ進む。最後はヒヤゴハンにタマゴ、海苔を投入して雑炊にした。全部食べ終わる頃には、お腹パンパン、体も温まり絵に描いたような幸せとはまさにこのことって気分だ。

で、そのまま寝てしまい、気がつくと12時を回っていた。いやいや、コタツ、アンコウ鍋、熱燗の三点セットにすっかりやられてしまったようだ。


2002年01月21日(月) ダークな会社を愛せない

今日は一人社員の女性が会社を辞めた。私とはほんの10日ほど一緒に仕事をしただけだが、バイクの免許を取得中ということで何となく気が合い、食後雑談をしたりしていた。

それは突然だった。先週の水曜日くらいだっただろうか。「21日まででもう来なくていいですよって言われちゃったんですよ。」と彼女は小さな声で言った。え?何でと聞き返すと、支店長から、「やる気がなさそう」「社風に合わない」「向上心がない」、から辞めて下さいと言われたのだそうな。彼女は地味だがごく普通の女性で、率先して電話は取るし、来客対応も率先してやるタイプだ。いろんな会社を転々としてきた私が見ても「やる気がなさそう」とはとても思えない。要は社員減らしなのだろう。

しかし、彼女は専門学校を卒業して、派遣でこの会社に来て、1ヶ月後に社員になって下さいと引き抜かれ、その2ヶ月後にリストラだ。自分に非があったと思いこんで落ち込んでいる。「…どうしたらやる気を見せることができるんでしょうか。」と小さな声で言った。

「会社は正社員から派遣社員に切り替えることによって、経費は半分になるんやで。せやから単に金けちりたいだけなんや。ほやけど、「儲かってないからアンタ辞めて。」って言ったら経営側の無能をさらけ出すことになるやろ?それが嫌やから「社風に合わない」とかどうとでもとれるようなことを言ってるだけやで。自分やったらどこへ行ってもやっていけるで。」と私は言った。特に最後の部分が彼女に届くようにと願いながら。

「ありがとうございます。」彼女は静かに仕事へ戻っていった。それからも何も変わることなく仕事を続け、今日を迎えた。

そして昼食の時間。私が食事を終えてコーヒーを飲んでいると、彼女がお弁当を買って帰ってきた。「支店長が「退職願」を書けって言うんですよ。私から言い出したことではないからって断ると「事務処理上のことで使うだけだから。」って言うんですけど、書いた方がいいんですかね?」と言った。彼女は勤務期間が短いから分からないが、一般的には自己都合と会社都合では失業保険の面で差が出たはずだ。にしろ、自分の都合で辞めるわけではないのに「退職願」は筋が通ってないので書かない方がいいよと言っておいた。

次に今病院にかかっているけれど、健康保険はどうしたらいいと思いますか?と聞かれた。ビックリした。会社側が説明をしていないのだ。普通はするだろ?って思うけど…。私は任意継続という制度で最長2年は今の保険を続けることができるはずだから、社会保険事務所あたりで尋ねたらいいよと言っておいた。

しかし、辞める人を気持ちよく送り出すくらいの余裕はないのかね?と思わずにはいられない。結局彼女は6時頃、「お世話になりました。」「お疲れさん。」のやりとりだけで会社を後にした。送別会も何もないってのもすごい。

今日は仕事上でもいろいろな問題が露出して愕然とした。と、同時に仕事がこなせないのは私が悪いのではなく、会社の旧態依然としたシステム、皆のやる気のなさから来る管理の杜撰さが原因だと確信でき、気が楽になった。

そのへんはちょこちょことこの日記で晒していこうと思う。派遣社員は会社を愛せないのだ。って、社員さんもちぃ〜っとも会社を愛してるとは思えないけど。


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