夕暮塔...夕暮

 

 

眩しさ - 2004年11月23日(火)

人待ちの闇にこぼれんばかりにて咲き乱れたる花の眩しさ



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遠い - 2004年11月15日(月)

涙より遠い国へと辿り着くまでの冬 きみと風を頼りに



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どういうわけなのか、夕暮れ近い横断歩道を渡っている時にしんしんと刺さるように間近に沈んできたので、以前作ったものを改作。


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科戸の - 2004年11月08日(月)

まぶしさに目を細め息を吸い込めば清く科戸の風の吹き立つ



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波に - 2004年11月06日(土)

過ぎてみればどうにかなっているものと笑っては今日も波に任せる



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やさしいまま - 2004年11月02日(火)

やさしいまま茫洋と時がすぎるのか 知りたいだけだときみが泣いても




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滴りに - 2004年10月26日(火)

いたましい滴りに聞こえないふりをしていると誰が告げているのか



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すれ違う - 2004年10月25日(月)

すれ違う車両にあなたが乗っているような気がして目を伏せる夜




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臨時便のエアーでどうにか帰宅する、悼む時間がないというのは決してありがたいことではない、疲弊しきるまでの雑音に満ちた暗闇を、目を伏せたまま走り抜けるようで。


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揺れる - 2004年10月23日(土)

多すぎると思うくらい豪華な食事の後、手入れの行き届いた広い庭を眺めながら長い廊下を渡り、昼風呂へ。内風呂は檜のいい香り、その後少し熱めの露天で祖母と紅葉前のもみじを見上げる。「孫の結納に立ち会うって、どんな気持ち? さっきのお祖父様、本当に嬉しそうで…幸せそうで」と私が言うと、祖母は「幸せに決まってる、こんな嬉しいことはないわ」と笑う。穏やかで優しい午後、晴れわたった山林の静寂。数時間後に、経験したこともないような激しい揺れで目を覚ますなんて思わなかった。


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秋の香を - 2004年10月18日(月)

秋の香を胸いっぱいに満たす午後 晴れた日に見る羽はあたたか



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言えないで - 2004年10月10日(日)

大事だから言えないでいるよいつまでも言わないと思うたぶんきっとね




今殺しているのは言葉かこころかと誰に問う 恋は朝を知らない





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会う度言いそうになる言葉がある、表現が少しずつ違うこともあるけれど、意味はあまり変わらない。こうしていつかこの糸が切れるのか、つながったまま伸びていくのかも知らぬまま、気がつけばなんだかとても長い時間が過ぎて。ごめんなさいずっと言えなかった、あんまり大切で、壊すのがいやなのか壊されるのが怖いのか、それとも触れること自体が禁忌なのか、もうわからなくなっていたから。自分の不誠実にあきれることをくり返したら、色んなものが麻痺していくように思う。明日でも明後日でもない遠い日、私はあなたの隣では笑わなくなる。


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