夕暮塔...夕暮

 

 

到着 - 2004年08月07日(土)

よりによってというタイミングで、北京に到着。ホテルがアジアカップ決勝会場から程近いので、今夜は外出せずに大人しくテレビ観戦することに。ゲーム終了後、中国と日本のスポーツ番組の反応を見比べながら、「明日郊外に出かける予定にしておいて、良かったかも…」と話し合う。万里の長城まで行けば過激な反日サッカーファンもいないだろう。
宿泊先の第1候補に挙げていた別のホテルに、ジーコ監督と選手団が泊まっていると知ってちょっと残念。あちらにしておけば良かっただろうか。

※帰国後、祖父に「選手団は、向こうの人に妨害されてホテルから外出できなくなっていたんだよ。同じホテルになんて泊まっていたら、帰国できなかったかもしれない」と聞かされる。そんな事になっているなんて、現地にいる時には(すぐ近所のホテルなのに)全然わからなかったので、大変に驚く。


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準備 - 2004年08月04日(水)

紺色のサムソナイトを、ようやくクローゼットの奥から引っ張り出す。明後日昼には発つというのに荷物も書類もまだ全然準備していないので、そろそろ危機感の波が押し寄せてきた。一週後に帰国したら、成田近くのホテルで一泊してそのまま実家に帰る事になっているから、家中綺麗にしてから出たいのだけど……。


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とこしえを - 2004年07月31日(土)

まだ誰もとこしえを知らぬこの国の地平まで夏は腕を広げる




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陽が落ちてからようやく流れ始めた風に乗って、エコーのかかった祭り囃子が届く。遠くの夕雲の陰は深くて優しい、濃密な虹を溶かしたような甘い色合いで、かたく結ばれていたものがほどけそうな気持ちになる。予定通りに仕事が1つ終わりを迎えて、来週からようやく土曜夜が空くことになるのに、なぜだか私はあまり嬉しくない。大きな河が静かに横たわる街、土手沿いに緑と花々の揺れる風景、きっともう来ることはないと思えば随分寂しい。
ガラス張りのビルの最上階で食事を摂る、私の席からは花火が、向かいに座る知人からは14夜の月が見える。花火と月光は本当は空に同居しない方がいい、花火が弾ける時、あらゆるものに夜の影が広がるあの瞬間が、本当に稀有で美しいと思うから。



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綾なす - 2004年07月28日(水)

どの人の夢にも綾なす幻は宿りたり甘き祈りに満ちて



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灰になるまで - 2004年07月23日(金)

きみにしかさわれない傷の哀しさを憶えてていつか灰になるまで




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静かに沈む - 2004年07月22日(木)

常々わかってはいることの筈なのに、心から尊敬する人によって直面させられたら格段にリアルで痛いものだと思う。自分の浅はかさを改めて噛み締めれば、どこかがぎゅうっと絞られたように悲しくてつらい。もっと物事を深く緻密に考えられるようになりたい、けれどどうしたらそうなれるのだろう、それすら濃密な霧の中だ。明らかに正しくて私には見えていなかったものを突きつけられれば、自分の愚かしさばかりが浮き彫りになる。こういう時には、悔いるべきものも責めるべきことも自分の内側にしかない。声も涙もなく、静かに沈む。


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揺れる柳の - 2004年07月21日(水)

さらさらと揺れる柳のひとすじになりたくてなれぬ熱の渦中で




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連休 - 2004年07月18日(日)

こんな天気のいい日にも外に干せないのはどうかなあと思いながら、衣類乾燥機のスイッチを入れてから外出。もはや本人が憶えているかどうかすらあやしいけれど、親元を離れる時に父が提示したささやかな条件は、今日まで一度も破られていない。
カフェ巡りを趣味にする知人に連れられて、焼けつくような天の下吉祥寺を歩く。その後私の地元に移動して「今日、お茶しすぎ」と言いつつさらにお茶を飲み、何度か訪れたイタリアンレストランへ。
明日は初めての宝塚観劇、歌劇自体も客層も、どんな風なんだろうととても楽しみ。


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茜空 - 2004年07月15日(木)

厚い雲の向こうには滲む夕焼けが押し寄せて文月なかばを越える



明日はもう隣町まで来ていると信じたくなる茜空波




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時の舟だけ - 2004年07月13日(火)

いつかどこへ辿り着くのか知らぬまま 時の舟だけゆるく流れて



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