夕暮塔...夕暮

 

 

ヤミで - 2004年07月07日(水)

白いコットンのワンピースに薄手のカーディガン、涼しいようにと配慮した服装の筈なのに、あまりの陽射しと湿度にぐったりしてくる。友人の車で食事に向かう時、こちらで運転するのは怖くないのと尋ねてみたら、「車線が逆だから、最初は怖かった…でも元々免許をヤミで取ったから、向こうでも路上教習ってしなかったけどね」とさらっと言うので、思い切りのけぞる。「それってどういうこと!?」と詳しく訊くと、信じ難いような事実が淡々と語られる。「そういうのがあるって事は、結構世間では暗黙の了解みたいなものなの? それとも一部の人しか知らないのかな」という問いには、「知らない人の方がずっと多いと思う、私も声かけられるまで知らなかったし」。世の中わからない事がまだまだ色々あるものだ、もしかして日本にもそういうシステムがあるのだろうか。私は教習無しで路上に出たら間違いなく事故を起こすだろうから、ヤミ免許システムがあったとしてもチャレンジしてみたいとは思わない気がする。本物のハンドルを握った事もなくいきなり運転を始めた彼女の度胸とセンスには、心底感服してしまう。


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七夕の前 - 2004年07月06日(火)

声をどこか遠いところに置いてきたような気がする七夕の前



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夏越 - 2004年06月30日(水)

六月晦日、明日からはもう今年の後半になってしまう。茅輪をくぐったわけではないけれど、息災でありますようにと願いながら、ならわし通りに水無月というお菓子を頂く。小学生の頃は「禊ぞ夏の…」の意味なんてよくわかっていなかったと思う、本を読んで理解したつもりでいただけで。


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一服 - 2004年06月28日(月)

「ちょっと、一服してきます」
煙草を吸う仕草を真似て声をかけると、愛煙家の同僚が「ライター貸そうか?」とにやりと笑うので、私も吐息だけで笑い返す。私は煙草を吸わないけれど、最上階の非常階段で煙をくゆらせる時の彼女の気持ちになら、なんとなく共感できるように思う。夕風にあたりながら、煙を吸い込む代わりに小さなカメラを構える。西は掠れるように夕暮れて、東には飛行機雲と白い月。


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期待して - 2004年06月27日(日)

期待しているばかりでは痛いけど優しげなものをそばに置きたい



だからお願いもう少しそこにそのままでいてねと黙って期待している




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密室は - 2004年06月26日(土)

密室はやわらかな鎖 ことばさえ吸い込んでゆれて消える熱病



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懐かしいことなら - 2004年06月23日(水)

懐かしいことならいつでも鮮やかに思い出す夏はもうそこにいる



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烈日 - 2004年06月22日(火)

新月黄昏五更の雨、のびやかで遊び心のある書体、起こった事をそのまま書くだけで美しい旋律のように人の心を動かす、こういうものを上質なことば遊びと言うのかもしれない。帰り道に夜を見上げれば研がれたような青白い月、今日で言うなら烈日黄昏三日月の静、とかかな。…だめだ、うまくない。


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夕星の下 - 2004年06月20日(日)

夏嵐予感する街で君が笑む 青白く揺れる夕星の下



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送り出す - 2004年06月18日(金)

ありがとう 伝えることばより先に送り出すシャツの色も愛しく



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金曜は早く上がれるので、新宿に寄って父への贈り物を選ぶ。しっかりした生地のポロシャツはラインと小さな刺繍が入っただけのベーシックなデザインでゴルフに良さそう。紫外線カットや発汗対策の機能がないから、もしかしてゴルフの時には着ないかもしれないけど、普段着にしてくれてもいいと思う。濃い目のグレーを送って頂くことにした。日曜に電話しようと思いながら晴れた午後の電車に乗る、電話線よりずっとずっと時間をかけて、贈り物が父のもとへと向かうことを考えれば、そこにはどこか穏やかな楽しみがある。


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