夕暮塔...夕暮

 

 

満ちひき - 2003年08月02日(土)

海へ向かう電車はすべてを知っている この町の風と人の満ちひき



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そんな気分になる、夏休みの子供を連れて海へ出かけるらしい母親のはちきれそうなバッグ、ややぐったりと疲れた様子のビジネスマン、色んなものを乗せて車両は淡々と海へ向かっている。





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色褪せるごとに - 2003年08月01日(金)

この町と我々をくるむ薄闇が色褪せるごとにはやる鼓動よ



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頬照らすため - 2003年07月31日(木)

夏よ降れ雲よ去れ光射す明日の彼のあたたかな頬照らすため



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隠逸の花 - 2003年07月29日(火)

歯科に通い始めようと思っていた矢先、マンション1階の空きテナントに歯科医院が入る事になったという張り紙をエントランスの掲示板で見つけた。同じ建物の中だったら通院が楽でいいなあ、でも腕は確かなのだろうか、評判を確認せず通い始めるのは少し怖いかもしれない。つらつらと考えながら張り紙を眺めていると、「開業は11月を予定」という文字が。ああ残念、ちょっと遅すぎる。

夕方からお稽古へ。今日のお軸は「風露新香隠逸花」、菊の花が露を宿して、風を受けて香っているという意味の禅語らしい。菊は清冽な香り、涼やかで、空気がきれいになるような錯覚に陥る。


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赦してと - 2003年07月24日(木)

同僚が倒れたこともあって慌ただしいスケジュールだった水曜の翌日、ちょうどよく今日は一日お休み。
約束した通りの午前11時、天井照明が収まった大きなダンボールが届く。戸を開け放って使っているダイニングと居間に取り付けるために、思い切って同じものを2つ買ってしまった。よくある平べったい乳白色の円形シーリングライト、円周の端から10cmくらいの所に段差になった切り替えがあるのが、ひと工夫あるけど主張し過ぎないデザインでいいと思った。試行錯誤して取り付けた後ソファで一息ついて見上げると、天井が高くなったように感じられて嬉しい。




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きみのために叫ぶ力はもうないよ 赦してと目蓋閉じてささやく


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雲の下 - 2003年07月22日(火)

雲の下ノウゼンカズラのつる先に橙の光灯る時来て



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梅雨がなかなか明けないなあと思ってしょんぼりと歩いていると、ブロック塀にかかるようにしてノウゼンカズラが伸びて、先の方ではいくつか花が開いている。遅いけれど多分ゆっくりと近づいている、仙女の落としたかんざしが姿を変えたというこのオレンジがいっぱいに輝く頃、この国を真夏が通り過ぎる。


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暮れ遅き - 2003年07月21日(月)

暮れ遅き夏は君の香やすらかに眠る前髪を風は撫でゆく



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旧岩崎邸 - 2003年07月20日(日)

じっとりと纏わりつくように暑い中、上野の旧岩崎邸庭園へ。
さまざまな様式美を凝らした内装、部屋ごとにテーマが異なっていて面白い。洋館から入って順路を辿ると、和館から庭に出れるようになっている。池に水が入っていないのが残念だけれど、水を張った状態で美しく保つには、きっとかなりの維持費と手間がかかるのだろう。それにしても畳の廊下っていいなと思う、広い廊下はそれだけで魅力的だけれど、この感触と穏やかな空気がたまらなくいい。いつかこういう家に住みたい。廊下でぼんやり空を見ながら座って過ごしてしまいそうなのが、難点と言えばそうかもしれない。
遅い昼食をとる場所を探して、不忍池を見下ろすホテルの地下の中華料理店を選んだ。以前ここの最上階で先輩の結婚祝の食事会を開いたことがある、懐かしい、もう一度来るとは思っていなかったのに。
注文を伝えた後、友人はおもむろに『旧邸訪問』とかいうような本をめくりながら言う。「で、次回はどこにする?」


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新調 - 2003年07月17日(木)

TVが届く。別のお店で買っておいたDVD/ビデオデッキと繋げてもらっているうちにもう一人の作業員の方がダンボール等を片付けて、あっという間に何もかも済んでしまった。一人になって、気付いたら旧いほうのデッキも業者の人に処分されていることに気付いてちょっと狼狽した。あれ、私は確か、TVの処分料金しか払っていなかったと思うのだけど…。いいのだろうか。困るような事になったらきっと連絡して下さるよね、と思いつつとりあえず放っておいてみることに。 新しいTVは、画面がとてもきれい。

夕食の買出しのついでに、新しい包丁を買った。ずいぶん長いこと迷った末に結局変わり映えのしないヘンケルスの、いわゆる三徳包丁の形なのだけど、台所で前のと並べてみるともう輝きが全然違っている。研ぎ澄まされた刃先の光、じんわりと嬉しい、明日は何を作ろうか。


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遠い - 2003年07月14日(月)

ぴったりと繋がったままの掌に覗き見た遠い遠いまほろば



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