夕暮塔...夕暮

 

 

報われる - 2003年07月13日(日)

「寄り添えば報われる」そんなあやまちを掌の狭い熱に見ていた


寄り添っていればいつかは報われる 誰もみる夢 ひどく不実な



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夏風邪 - 2003年07月11日(金)

風邪をひいて、数日ふらふらしながら暮らしている間に新しいパソコンが届いてしまった。どうしても放っておけないので、朦朧と開梱してセットアップする、最近のはよくできてる、何にもしなくてもあっという間に使えるようになってしまう。

そんな中に妹から携帯にメール、「実家から、お盆休みにダーをつれてくるようにと指令が。結婚相手として連れて行けって事? と訊いたら、単に顔を見せて紹介したいだけなんだけど、みたいな事を言ってたけど。ダーからしたらあんなところまではるばる行って、食事だけして帰れないよって思うわねえ。どうしましょ」。
どうしようと言われても、難しいな、どうやっても今は頭が回転しない。でも彼からしたら確かに負担だろうねと伝えて、あとは「男の子のお友達に相談してみたら」と添えた。

羽鳥アナ似の彼、多分まだまだ家庭安定志向には程遠いだろうと私は見立てている、彼のせいだけじゃない、もともと都会と田舎では時間の流れ方が全然違う。差別するわけではなく、本当にあるひとつのささやかな事実として。


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みどりの蔭 - 2003年07月06日(日)

電化製品の量販店に行った後、小さなペットボトルのお茶を買って緑地公園に寄った。広く巡らされた池の水際にクチナシの花が咲いている。風が通るたびに芳香が揺れて、濃い緑の中、世界はゆったりと夏に近付く。




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その胸が早鐘のごとく張り詰めて怒濤を迎えうつ夏を知る



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夢をみる度 - 2003年07月02日(水)

何もかもまだここにあると幸せな夢をみる度思い知るのに



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電化製品 - 2003年07月01日(火)

パソコンとTVと、ビデオ/DVDデッキを買い換える事になった。どれも長く使ったものだと思う。パソコンのメーカーはもう決めてあるけれど、TVとビデオの方はどうしよう。液晶テレビは部屋が広くなるしきれいだけれど、29インチのは高価すぎて検討する気にもならない。普通のフラットテレビで十分。
しかしどこで買おう。新聞に入ってきたチラシを見ながらまた悩んでいると、友人から電話がかかってくる。彼女はかなり前から、TVの色合いが変だから買い換えるようにと勧めてくれていた。「いよいよ買い換えかあ…いいねえ」と少し陶然とした様子で呟くので「そういうの、得意そうだよね」と言うと、「ふふ、かなりしつこく下調べして、歩き回って値段を比べて買うんだよ。結構ねちっこいかも」と楽しそうに笑う。ああ、彼女と買いに行けばいいのか。今度一緒に出掛ける時、付き合ってもらおうかな。


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妹の彼 - 2003年06月28日(土)

ええと、ええと、誰かに似ていると思うんだけど。

妹の彼の顔を見ながら静かに考える。妹とその恋人、私と母とで銀座のニッサンショールームの前で待ち合わせ、おいしくて混まないという中華料理屋さんに向かった。妹はちょっと前衛的な模様のスカートを履いて、前に会った時よりずっとスレンダーになっている。「すっごく痩せたね」と私が驚くと、「株主総会の準備で、ここ二ヶ月くらい夕ご飯を食べなかったらこうなった」と笑って「でも気付かないの、この人、ね」と言いながら彼の背中あたりをつつく。痩せろとか忠告するような神経の細かい人よりはずっと素敵だけれど、こんなに変わってもわからないものなのだろうか。おおらかというか、不思議な感性だと思う。どういう所に女性の身体的美点を見出すんだろう。
彼に是非とも競馬の話をして欲しいのに、妹は「その話は、お母さんの前ではしてほしくないみたい…」と私をこっそり止める。残念、彼が一番いきいきする話題をふってみたいのだけど。別れた後、母は「可愛かったわね、目がくりっとして。でもわりと大人しい人?」と言う。母の評価はそんなに悪くないようだ、それはそうだろう、だって野淵さんはやっぱり見た感じがどことなく父に似ていると思う。父親の呪縛にとらわれるのは長女だと言うけれど、うちでは多分次女もそうなのだ。母と2人きりになった地下鉄の中でうとうとと考える、…ああわかった、ズームインサタデーのアナウンサー。くっきりした眉、彫りの深い美形。あの人に、よく、似ている。


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約束の - 2003年06月24日(火)

そういえばうちはお米を切らしているのだった。梅雨バテでしばらく素麺と冷麺ばかり食べていたから忘れてしまいそうだったのだけれど、ようやく実家に伝えて安心した。ああ危ない、明日あたりまでに母に伝えておかないと間に合わなくなるところだった。妹の彼に会う為に、母が金曜から泊まりに来る。母はきっともの凄く楽しみにしている、ずっと前からその人に会いたいと言っていたけれど、彼のほうが乗り気でないために実現しないままでここまで来た。私も写真でしか知らない、田舎の人間がびっくりするような経歴の人、顔立ちが父に似ていて、実は妹の初恋の人と同じファーストネーム。
だけど多分母は知らない、妹は今、恋人を親に引き合わせる計画をしつつ、内心では結婚相談所に登録する事を真剣に考えている。三年越しの彼をあっさり捨てて、左の薬指に新しい約束の指輪をあてがう事を。




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約束のない指輪ならがらくたと同じこと ごめん 今わたしには






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夕刻の鐘 - 2003年06月20日(金)

人多き街の真ん中に鐘は鳴る 懐かしくぬるき夜を過ごせと


夕刻の鐘鳴りて水無月の晴れ間 銀座にも虹の雲は輝く



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梅雨バテ - 2003年06月13日(金)

雨が上がって、眩しいくらいの十三夜。もう夜なのに食欲がわかない。毎年恒例の梅雨バテ、この時期は本当にしんどい。具無しの冷やし中華か冷麺ならなんとか食べられそうな気もするけど、もの凄く栄養のない食事だと思うともうげんなりしてくる。明日は友達にタイカレーをご馳走する約束をしているのに、この胃腸の弱り方であんな辛いものを消化しきれるかなあ。


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辛いニュース - 2003年06月11日(水)

「きよのさん、入院だって。結石が大きくなりすぎて、手術するって…」
「………うわ、とうとう、か…」
その後の言葉が見あたらない感じがして、複雑な顔になって黙り込んだ。
事態が悪い方に進めばこんな風になる、そんな曖昧な予期なら充分にあった、おそらくは誰の胸にも。だけど誰もがこんな事にならないように願っていた筈だった。あのプロジェクトが忙しくなれば彼女にしわ寄せが一気に来るだろう事は明白で、そうならないように周囲もかなりの注意を払っているように見えた。でもやっぱり結果はこうなのか。あんまりにストレートな展開過ぎて、私までじわじわとどこか痛くなってくる。彼女に全く非がないとは言えない、だけどそれはもう特定の行動というよりは、彼女自身の性質のレベルだ。「性格は変えられない、変わらないよ、でも、努力する事はできる」 彼女の言葉を思い出す、切ない、多分今はひたすらに自分を責めているんだろう。性格は変え難い、それは確かに正しい。だけどわかっていたって人はいつも繰り返し後悔したり苛立ったりするばかりで、その言葉に救われることはない。だからいつもこうやって傷つく。ずっと時間の過ぎたあと、残るのは傷跡だけじゃないと思いたいけど。






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