解放区

2002年01月15日(火) 追想

高校生のときに、とあるイベントのスタッフとして参加する機会があった。で、自分は何でか知らんがそこのある部署の責任者になった。自分は2年生で、自分の下で働くスタッフには3年生も混じっていたが、楽しく仕事させていただいた。

そのときのスタッフに、自分よりひとつ年上の3年生の女性がいた。おしゃべりばかりに興じるほかの連中とは違い、彼女はいつも真っ先にやってきては、黙々と、しかし楽しそうに仕事をしていた。休憩になると冗談を言っては笑い、人の冗談にもよく笑った。差し入れのおやつもパクパクと食べていた。屈託のない女性だった。友人も多く、みんなに好かれていた。

ちっこい体に真っ赤な髪にやたらと長い制服のスカートをいつもはいていた。その年のスタッフの中では唯一3年間スタッフをしてきただけあって、仕事にも慣れていたし、手際もよかった。個人的に少し話をする機会があったが、その経てきた道はまったく平坦ではなく、自分ならとっくに世を儚んで気が狂っている人生を歩んできているかのようにもみえたのに、彼女には卑屈さがなかった。過去についての話も、自分はたった一度しか聞いたことはない。

高校を卒業したら、一年だけ働いて結婚するのだ、と彼女は自分に言った。多くの人がそのことを知っていた。相手はもう社会人で、とっても優しい人だ、と彼女はいつも言った。仕事を終えたらいつも彼女の家に来て、彼女が帰る頃には毎日駅まで迎えにきてくれるらしい。でも、結婚したらたぶん家庭に入ることになると思う、相手の家の人は古い考えの人だから。だから、一年だけでも働かせてほしい、とお願いしたのだ、と彼女は言った。和装が好きなので、その勉強もしたいし、と彼女は言った。


いつもにこにこと笑っているが、男兄弟に囲まれて育ったせいか気が強く、いつもはっきりとものを言った。彼女の意見はまったく「考えた末に導き出されたもの」というよりは、ほとんど「直感で」の意見だったが、いつも彼女はいいことを言った。直感でいいことを言う彼女を、自分は少し尊敬した。


なんだか自分と対極のものを見たような気がした。



そんな話をぼんやりと聞いていた高校2年生の頃だった。季節はもう春から夏に入ろうとしていた。


それからいろいろと時間は流れて、それから6年後の春に、その女性は自分の妻になった。



2002年01月13日(日) ふう。

孤独ですなあ、とふと思ったり。ほんまはそんなことはない、たくさんの人に支えられてここにいるということは百も承知しているのだが、けどふと思う。


例えば、どんどん先に行ったりすると、気がつくと周りには人がいなくなっていたりする。自分は何も変化していないつもりでも、まわりはそうは思ってくれなかったり。

それでも「前へ」ですか。自分の望む道なのでぐだぐだ言うな。共感を求めて生きているわけでも、憐憫を求めているわけでもない。共感はあれば嬉しいが、「な、な、どう?」とそれを求めるのは嫌い。くそったれ。


甘えんな。




今日は結構暖かいので、学校に残って勉強。暖房がないのでコンビニでホッカイロを買ってきた。それでも右手は痺れるほどに冷たい。もうひとふんばりしたら帰る。

今日は生化学と血液の勉強。生化学は、目的のところまで終了。新しいテキスト(英語)の読破に入った。

血液は3ケースを学習。一つ目は血小板減少。von Willebrand病だった。二つ目は貧血。一口に貧血と言ってもいろいろある。女性の月経に伴う鉄欠乏性貧血からその他もろもろまで。このケースは結局G6PD欠損症だった。三つ目はリンパ腫。ホジキン病だった。次は白血病に入る予定。ざっと読んでみたら白血病だった。

んじゃ生化学をしよう。新しいテキスト。



2002年01月12日(土) 続けて

恋は甘い花である。
しかしそれを摘むには、恐ろしい断崖の端まで行く勇気がなければならない。

スタンダール「恋愛論」



どうしたんでしょう、この方。やっぱロマンチストだと言うことが判明して少し安心。少し遊びすぎた。また勉強。


最近の課題。

「二人はその夜、自然と結ばれた」と「二人はその夜、なんとなくその気になってなんとなくヤった」もしくは「二人はその夜、お互いに下心を隠し切れずに徐々に体を触りあい、とうとうお互いに目的を達することができた」は、すべて同じ現象を表現している。しかし何だろうか、この受ける印象の差は。

どーでもいいや。

どーでもいいこと、大好き。でも、どーでもいいことによってどーでもよくないことが引き起こされるのは死ぬほど嫌。ほんまに世の中はどーでもいいことだらけだ。みんなどーでもいいことに必死になっている。自分も、その一人だ。



2002年01月11日(金) 友人からのメールにて

決して誤ることのないのは何事も成さないものばかりである。

生きたる真理の方へ邁進する誤謬は、死んだ真理よりもいっそう豊潤である。

ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」

From TK



2002年01月10日(木) ふと

愛してる、っていうことは、かっこ悪いかもしれない。


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