Story of love
目次|次回
髪の毛が床につかないように、片手で押えながらベットの下をのぞきこむ。
小さい頃には、ドロボウが家に入ってきたら、ここに隠れていれば助かるかもしれない、って真剣に考えたこともあったっけ。
ひっくり返っているスリッパに手を伸ばす。
その時、サイドテーブルとベットの間くらいの場所に、ホコリにまみれた紙が落ちていることに気がついた。
ベットから起き上がって足を床につけると、あまりの冷たさに身震いがする。
あわててつま先でスリッパを探す。片方がどうしても見つからない。
仕方なくため息をついて腰をあげると、しゃがみこんでベットの下をのぞきこむ。
その拍子に長く伸びてしまった髪が、ばさっと顔にかかった。
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