日記でもなく、手紙でもなく
DiaryINDEX|past|will
メールありがとうございました。 当日お目にかかれなかったのは残念でしたが、またそのうち別の機会もあるのではないかと思っています。
私のほうは、関内で少し寄り道をして、午後5時30分頃会場に着きました。 結局そこに7時30分頃までいました。 鰻の寝床のような細長いスペースで、1〜2Fを使って展示されています。 「今までの集大成のような個展になった」ということを本人は言っていました。
信楽(?)のような皿や、粉挽皿(?)など含め、なかなか良いものが置かれていると思いました。
午後7時過ぎ、そこに午後来た人が、別の客を連れて、もう一度見せてくれということでなだれ込んできました。(実はその時、その会場で楽器演奏をする予定だったものの、客が少ないので、一区切りして飲もうということで、ビールを飲んでいました。) なかなかノリの良いおっさんで、連れてきた人というのは(自分で陶芸をやりながら)別の作者のものを含め販売もしている人でした。
2Fのほうの作品も見た上で、何点か購入してもらえたようでした。
今週いっぱいやっているようですので、宜しければ、時間があればぜひどうぞ。 関内からですと、馬車道の方向に出て、広い通りを桜木町方面に5分ほど歩いていくと通り左側にそのギャラリーがあります。
2002年05月28日(火) |
宇治平等院参道<稲房安兼>の茶だんご |
お元気でお過ごしのことと思います。 今回は、久しぶりに宇治を歩いた話でもさせて下さい。
京都駅前の宿で一泊した次の日の土曜日は、早めにホテルを出て用事を済ませ、久しぶりに宇治まで行くことにしました。 JR奈良線<やまと路快速>に乗ると、六地蔵の次が宇治。京都から2つ目で、僅か15分で到着します。
JRで宇治まで行くのは初めてのことで、駅前の地図をよく眺めた上、平等院の方向へ歩いていきました。道幅の広い道路から一本入ったところに宇治の商店街がありますが、ここを通っていくと、平等院の参道がすぐわかるところに出ます。 この商店街、当然なのですが茶を扱っている店がやはり目立ちます。茶の「小売致します」と掲げた店もあって、いかにも古い感じ。ただ、そのような茶の店を除けば、よくありそうな商店街という感じもします。
この商店街の中ほどに、特に古くから茶を扱う上林(かんばやし)の看板。本当に古そうな門構えなども残っています。 平等院参道に入ると、いくつか店が並んではいるのですが、以前の記憶からすると、これくらいの数しかなかったかと思うくらい。長々と続く店という感じではありません。 平等院そのものは、もう何度も見ていますので、左側に続く道をいくと、すぐ宇治川に出ます。
川中にある小島にかかる橋を渡り、上流を望むと、本当に絵に描いたような風景が広がっています。新緑の小高い山が川の両側に連なる風景は、目に優しく映ります。嵐山の風景と、どこか一脈通じるものがありそうな。 川の水量がかなりあって、流れも比較的速く感じます。
橋を渡ったたもとに、宇治十帖の記念碑があり、宇治神社の入り口が目と鼻の先です。 宇治神社には、日本最古の木彫狛犬像が残っているとはいうものの、神社の境内には、さほど見るものはなく、すぐ隣の恵心院に行くことにしました。 小さい寺ではあるのですが、空海が開祖とされる、宇治ではなかなかの古刹のようです。 小さい観音が本尊。外からこの像を(ガラス戸を隔てて)覗き見ることができます。
目ぼしい建物はあまり残っていませんが、寺の敷地の半分以上は、花木が植え込まれた庭。ここを自由に見て回ることができます。ガクアジサイの青い花が既に開いていました。
考えてみれば、日本の仏教の寺というのは、庭に木や花を植え込んでいるところがとても多いように思いますし、それが有名になっていることすらあります。確かに禅寺などでは、枯山水のような庭もありますが、それでもその周囲には草木が植え込まれていたりすることも多いのです。 やはり、日本の寺空間、寺の敷地というのは、意図せずして、より<自然>を取り込んだ形になっているのでは、などと感じたりしていました。
更に川沿いに歩くと、宇治発電所からの水が宇治川に流れ込むところに観流(かんりゅう)橋がかかっており、ここの流れの音はかなり大きく響いています。
川沿いに更に上流方向に歩いていくと、木々のトンネルを通っていく感覚。夏でも比較的涼しそうな道です。今回は時間がなくて途中で引き返したのですが、観流橋から2km弱のところに、天ヶ瀬吊り橋などがかかっている場所があるようです。あと一時間くらい余裕があれば、そこまで行って戻ってくることができたのですが。
平等院参道や宇治商店街などには、茶だんごを置いてある店が多数あります。茶を売っている店でも、茶だんごがお土産用に売られていることもあるのですが、菓子の店としては、参道入り口の宇治駿河屋と稲房安兼という菓子店が少し目立つ感じもします。恐らく京都に住んでいるような人なら、茶だんごは、このどちらかの店で買うような人が多そうです。
我が家のおみやげは、どちらかというと、稲房安兼で買うことが多くなってきています。稲房安兼は享保二年創業というかなりの老舗。老舗ながら店構えはそっけない感じもあり、むしろ駿河屋のほうが、偉そうな店構えに見えてきます。 宇治で売られている茶だんごというのを、いろいろ食べ比べてみたわけではないものの、4−5店比べてみても、この稲房安兼の茶だんごは遜色がないように思えます。 生菓子で、本当に日持ちがしないので、その日のうちに家に帰るというような日でないと、なかなかおみやげにしにくいところが、難点といえば難点でしょうか。 京都の河原町とか京都駅ビルなどに置かれていれば、このだんごをおみやげに持って帰る機会も増えるとは思いますが、わざわざだんごだけ買いに(宇治まで)来るわけにはいきません。やはり5〜6回ほど京都に来て、やっと一回くらいおみやげにできる、みたいなところもあります。
ところで、この茶だんごですが、一つ、二つ、また一つと食べているうちに、あっという間に十や二十くらい、大人でも子どもでも食べられます。飽きずに食べられる菓子というのは、なかなかお目にかかれるものではありませんが、この茶だんごはその右代表みたいなところがあります。 中にだんごが入っている箱を手で持ち上げてみればわかるのですが、結構な重さがありますので、そんなに数は食べられない−−ような印象も受けますが、これが大違いです。
一般的には串にささず、小さい粒のものを、楊枝で食べることになります。上品に一粒づつ食べていても、最初は味がわかりにくいので、2〜3粒まとめて食べるとこのだんごの特質がよくわかるように思います。 ほんのりと茶の香り、ほんのりとした甘さは、なかなか他所では見つけることができません。 このだんごを食べてしまうと、花見だんごというのは、いかにもお子様向けに作られているような感じもしてきます。 たかがだんご、されどだんご。そんなことを言いたくなってしまう典型。 京都へ戻る帰りの電車も、ちょうどやまと路快速になりました。ただ、奈良線というのは単線なので、快速が停まらないはずの駅で、反対方向の各停電車が来るのを少し待つ、ということもありました。 少し、気分の良い時間が過ごせた土曜日でした。
東京駅に夕方戻り、午後7時30分に渋谷で知人と落ち合うことにしていた。 携帯に連絡が入り、遅れそうだという。
胃の調子があまりすぐれなかったので、できれば和食にしたいという話をする。 渋谷で和食といっても、まあまあのところは限られる。少し考えて<雪月花>まで行くことにした。たぶんこの店なら駅からかなり離れていることもあり、行けばすぐ席があるだろうと思ったからに他ならない。 渋谷公会堂から原宿方面への坂を少し下ったところの地下にある店。
現在は和風家庭料理と会席、それにバーだが、10年以上前は、和風家庭料理ではなくて、フランス料理だった。和風家庭料理というのは、7−8年ほど前からだが、1〜2回行ったきりで、かなりブランクが空いてしまった。 当時、味的にさほど感心しなかったというのが、たぶん一番大きな理由だろうか。ただ、会席のコーナーには、その頃でも数度行った記憶が残っている。
行ってみて、ちょうど、2人分の席だけが空いているだけだった。周囲には確かにこれという店は少ないのだが、久々に来て、あまりの賑わいに少し驚いてしまう。 この賑わいが何か、続けて何品か食べてみるとよくわかった。以前来た時よりも、かなり洗練されたメニューが多くなっているような.... 根菜類がしっかり食べられるメニューが多いのも特色の一つ。 かぼちゃと大根の炊き合わせでは、かぼちゃは型崩れせず、硬くなくほくほくに仕上げられて色もきれいだったし、その下に置かれた大根は出汁がよくしみてやわらかく仕上がっていた。 魚料理は刺身は避けたのだが、甘鯛と蕪の酒蒸や、銀鱈の粕漬焼など、どちらも美味しかった。治部煮だけは、金沢の山芋を使ってとろりとさせた治部煮とは違って、少し濃い目のさらっとした出汁を使った治部煮だった。
一品一品はさほどボリュームがないので、結果としてかなりの品数を頼むことになるが、どれもちょうどよい味に仕上げてあり、感心してしまう。恐らく、飲み物は別で、一人3〜4品+おにぎり(またはお茶漬け)くらいを頼むと、三千〜四千円くらいになる感じ。量は少なくなるが、2人でとりわけて食べるのなら、取り皿をもってきてくれるので、より多くの品数を食べることもできる。 家庭料理とはいえ、会席で出てくるようなメニューも多々あるので、満足感は高いのではないかと思う。デザートには、わらび餅も置かれていた。
お腹の調子が今ひとつでも、こういう食事をすると元気回復。そんなことがよくわかった日。
|