日記でもなく、手紙でもなく
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2002年05月16日(木) 銀座の昼顔の花


 既に営業をやめた銀座第一ホテルの脇の生垣に、日曜日見たのと同じ昼顔の花一輪。同じ色、同じくらいの大きさで。
 しかも、同じ赤い花をつけた大きさも同じくらいのつつじの中に咲いている。

 偶然通りかかり、偶然同じような環境・周囲にほとんど同じ花を見つけてしまった偶然。


2002年05月12日(日) 昼顔の花

 交差点での信号待ち。
 脇に小さなつつじの生垣があって、花をつけているものも、既に花がほぼおわって枯れたような株もあるのだが、よく見ると、雰囲気が違う花をつけているものもある。
 何だろうと良く見ると、薄い肌色とピンクの間の色をした昼顔の花。3つほど、そのつつじの株に絡まって咲いている。

 ここ2〜3日、少しうっとうしい日だったが、今日はさわやかな、いかにも5月らしい日。


2002年05月09日(木) 京都へ行った折の話など

 お元気でお過ごしのことと思います。
 連休前半、京都へ行った時のご報告を兼ねた、Season's Greeting メールです。以下、お暇な折にでもご覧下さい。

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 今回、特に関西までどうしても行きたかったということではないのですが、3月の春分の日がちょうど木曜日で、その前後にいくつか仕事の予定があったため、墓参を見送ったことが一つ。もう一つの理由は、一昨年垂水で喫茶店をやっている知人のところに、貸出用CDを送ってはいたものの、店のほうまでなかなか行けないうちに、(葬儀やら、墓をたてかえたいとか、あるいは四十九日だとか、京都まで行く機会は多くなった半面、用事で時間をとられてしまい、友人や知人に会う機会や時間がとれないまま、)あっという間に1年半近く経ってしまい、CDの追加・交換にそろそろ行こうかなどと思っていたことなどがありました。
 それなら、ということで、予め知人の店のほうの都合だけを確認すると、4月27日(土)は普通に営業しているということでしたので、その日に垂水まで行き、夜中に京都まで戻り駅に近いホテルに泊まることにしました。

 午前10時過ぎの新幹線に乗ると、途中山頂にかなり雪がまだまだ残る富士山がよく見えました。去年から今年にかけて、明るい時間に6回ほど、関西方面まで行っていますが、富士が見えたのは今回入れてやっと2回だけです。

 梅田では、例によって、ラテン専門のCD店に久しぶりに寄りました。やはり、棚を物色すると、初めて見かけるような盤が多いのも、この店の特長でしょうか。 何枚かを買い込んで、ふと気がつくと既に午後3時半近く。午後4時過ぎくらいには垂水に着きたいと思っていたので、あわてて大阪駅まで戻り、神戸方面へ向かう電車のホームに出ると、2番目の電車が新快速。
 乗ってから、確か垂水というのは、新快速は停まらなかったと思い直しました。芦屋、三ノ宮までは、ほんとうに僅かな時間しかかからない感覚です。神戸で各停の電車に乗り換えた時に、やっと垂水の位置というのが、子どもの頃一度だけやってきた、須磨と舞子の間だということを初めて認識しました。
 小さい子供のころに一度だけ、須磨−舞子−明石とやってきたような記憶がありますが、その後神戸に来たのは、一番西が神戸駅。三ノ宮までは何回かきてはいるものの、目と鼻の先の須磨や舞子には何十年かぶり。もちろん、子供のころの記憶が残っているわけでもないので、初めて来るような感覚です。
 須磨のあたりから線路は海岸近くを通り、明石海峡大橋などがよく見えてきます。

 垂水駅東口から出て、知人のやっている店は、東口から歩いてすぐのところにあるかなり大きい建物の1F。駅から一番近い、ビルの南西角にある店の位置表示を見たら、ビル南側に並ぶ店の一番東にある店でしたね、これが。
 駅前は工事中で、後で店をやっている知人に尋ねたところ、ビルが建つわけではなくて、駐車場とグリーン・エリアになるとのことでした。

 土曜日は暇だということだったのですが、午後4時半頃に着くと先客もあり、行った後でも更に2人ほどお客がありました。本当は、持って行く時に納品書ならぬ、貸出CDリストを作っておくのが順当なのですが、そのリストを作る間がなかったので、持っていった貸出用CDを取り出してカウンター席の一番左側に積み上げ、泥縄ですが、そこでリスト用のメモを作成したりしていました。
 客は顔見知りの人が多いようで、CDを積み上げていると、クラシックはだいたい聴いたのでこれから何を聴こうか考え中という人が興味深そうにそのCDに目を遣っていました。
 それならカンツォーネなどは、ということで持っていったウィルマ・ゴイク(といっても、歌手の名前ではあまりわからない人が多いのですが)その盤の2曲目に入っている曲(花のささやき)をかけてもらいました。コーラス部分は確かに聞き覚えがある、20年ほど前にこの曲を聞いたことがある、という話になったりもしました。

 リスト用のメモをつくり、シールを貼り込み終ると、午後6時半近くになってしまっていました。午後7時くらいまで店にいた後で、歩いて5分ほどの中華料理店へ行くことにしました。
 オリエンタル・ホテルでシェフをやっていた人が、その後この店をやっていて、ここの味は保証つきだということでしたが、烏賊を使ったつきだしが出てきたのを食べてみてすぐ納得しました。なるほど。

 9時を回って、垂水駅前で、ではまた、ということで分かれた後、神戸で乗り換えた新快速の中で、結構ぐっすりと眠りこけてしまいました。ふと気がついたら既に乗り過ごしていて大津。どうも雰囲気が田舎っぽい.....

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 ホテルは、悪くもないかわりにさほど良かったという感激もない、いかにも駅前のホテルではありましたが、予約した時の金額に含まれているバイキング形式の朝食のパンは、どれも比較的美味しい感じがしました。卵やソーセージ、サラダなどは、このようなホテルではまあまあのところでしょうか。この朝食がついていれば、京都でこの値段なら、さほど悪い気はしませんでしたね。

 ホテルを出たのがまだ午前8時30分頃で、どこかを見てからわが家の寺へ向かおうという気になり、来たバスに乗り込んで京都博物館前で下車しました。博物館に入っていく門の横に、建仁寺開創800年記念の特別展示案内、俵屋宗達の風神・雷神図が描かれたポスターが掲示されていました。これはいいかもしれないと考えたのですが、博物館の開館は午前9時30分。時刻はまだ9時前ですので、かなり待つことになってしまいます。

 博物館の目の前にあるのが、三十三間堂(正式名称・蓮華王院)。いかにもおのぼりさん風ではあるけど、まだ中をよく見たことがないので、博物館の開館を待つよりも、ここを覗いておこうと考えました。
 何回も京都に来ている割に、その上この左隣にあるパークホテルに4〜5回は泊まったことがあるにもかかわらず、実はこの三十三間堂というのは、見たことがなかったのです。見ても、京都観光ガイドの写真のように、多数の千手観音が並んでいる、というわかりきったイメージしかなかったので、入ってみようという気にならなかったのだろうと思います。

 拝観のための入口は、見事なほど団体観光客向けにしつらえてあることに感嘆しながら、堂に入ると、写真では何回も見ているものの、その千手観音が整然と並んだ光景は、やはり迫力がありました。まさに千躰仏。一体が思っていたよりも大きいので、一層迫力があります。
 実は、(恥ずかしいことに)よく知らなかったのが、中央に巨像(中尊)の座した千手観音像があって、千手観音の前には風神雷神、観音二十八部衆なども置かれているということでした。千手観音(正しくは十一面千手千眼観世音像)は、中央の巨像の両脇に500体ずつ、合計1001体置かれていることになります。あわせて二十八部衆は、インド起源の仏像が多いのも、やはりこの寺の古さをよく伝えているようです。
 中尊の写真というのは、あまり本などには出てこないのですが、この寺の仏像配置の一番興味深いところは、このあたりにあるように思います。

 中尊は湛慶(運慶の長男)の作と伝えられる鎌倉期の作品で、創建時(平安期)の千手観音像は124体がまだ残っているとのこと。
 ちょうど仏前結婚式が開かれるようで、中尊の前では、その準備が行われている最中でした。マイク・テストをやっている僧などもいて、観光客向けの入口のつくりといい、商売熱心な寺であると実感しましたね。

 この千手観音を一通り見ると、裏手へ回って入口へ戻ることになりますが、この通り道に、寄進されたものや、寺にこっそり捨て置かれたような仏像が並べられているのを眺めると、その中に結構変なものもあり、可笑しくなってしまいます。

 更にバスで五条坂まで出て、そこからぶらぶらと、五条松原の方向へ。
 五条坂というと、清水焼の店や窯元などが集まっているような場所です。かつて、清水焼の窯というのは、清水寺の管理下にありました。この付近の土は、さほど良いものではなかったため、清水焼の場合デザインで勝負せざるを得なかったとも言われています。このへんも、なかなか京都的ではあります。

 少し方向を修正しながらも、大黒町通にある壽延寺へ辿り着き、一周忌のスケジュール確認などをした後、確かここから少し大きい寺が近くにあったことを思い出し、その方向に向かって歩いていきました。
 その寺はすぐ見つかりました。何のことはない、開創800年の建仁寺でしたね、これが。南門から入ると、生け花のイベントが大々的に行われていたり、草鞋を履いた托鉢姿の僧が3人または5人、広い境内を歩いていたりして、なかなか活気があります。

 方丈と法堂に入れるようで、特に何の期待もなく入場料を払って入ってみました。方丈のほうの橋本関雪による「生々流転」と名づけられた襖絵などが、枯山水の庭に面した部屋にあるのを覗き、また、裏手に回ってみると、そこに俵屋宗達筆と伝えられる風神雷神図が目の前に置かれていました。
 博物館の中へ入っても、ポスターに描かれていた作品は、見られなかったことになります。一瞬唖然。

 法堂のほうでは、本尊とともに、開創800年を記念して天井に描かれた小泉淳作双龍図を見ることができます。本尊を拝む人よりも、腰をおろして双龍図を眺めている人が圧倒的に多かったのも、面白いところです。

 買い物があったので、まず高島屋の地下を覗いてみたところ、<きょうの味どころ>というのがあって、そこで、数日間ごとに、異なる店の味が楽しめるしかけになっていました。<きょう>は京と今日がかけられているようで、安くはないものの、実際の店で食べるよりはお手軽な価格設定になっています。

 ちょうどその日は、伏見・魚三楼の点心コース。
 初鰹の季節に入っていますが、その鰹の燻製が粒マスタードとともに、最初に供されます。上に鰻を乗せ、もち米を小さな「せいろ」を使い蒸しあげた最後(その後更に果物のデザート)まで、決して値段が高いと感じさせないところは、やはり京都の味処らしいと思いました。

 錦で本わらび粉と、つくりたての七味(中辛七味と柚子七味)唐辛子を買って帰ることにしましたが、このわらび粉の話や七味唐辛子の話は、既に私のHPに掲出していますので、もし関心あるようでしたら、そちらのほうをぜひご覧下さい。

 本当は、午後宇治のほうへ行くか、あるいは嵐山へいくか、どうしようかなどと考えていたものの、午前中かなり歩いたので、疲れ果ててしまい、カフェに腰を下ろすと、またすぐ来るから、もういいか、という気になってしまった京都ではありました。

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 連休後半は、水墨画の雪村展(松濤美術館)、雪舟展(東京国立博物館)、ミロ展(大丸ミュージアム)などを覗くに止まりました。雪舟展はかなり混みあっていました。(この展覧会のコメントについても、HPのほうに既に掲出済ですので、もし関心おもちでしたらこちらのほうも、どうぞ。)



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