私の手のひらには 淡いピンクの 花びら1枚
私の心と 同じ色した 淡いピンクの 花びら1枚
あなたに渡したくて 渡せなくて
風に吹かれて あなたの心に 飛んでいけ
私は大きな背中の人が好き 寄りかかってお昼寝できるから
私は無口な人が好き 大事なことしか話さないから
私はあまり笑わない人が好き 微笑が私だけのものだから
大きな背中のあなたを そっと見つめている私のこと 気づいてほしい
でもある日 あなたは微笑んで言った 好きになったのは 僕のほうが先だよ
白い龍を見た
白いからだを揺らしながら 龍は 火を食べていた
田んぼの中の 小山のような焚き火 老人は 長い棒で藁をつつきながら 白い龍に 火を食べさせていた
龍は からだを揺らしながら 嬉しそうに 火をほおばる
白い煙から生まれた 不思議な龍
車窓の景色は 忽ち見えなくなった
あなたの風を受け止めようと 窓を開いて 両手を広げている
でも あなたの風は 私の窓から 入ってこない
どうして信じられないの どうしたら信じられるの
私の風は 気まぐれ あなたも 私の風を 受け止められないのかな
でもこの想い 分かって欲しくて
心が壊れるほど 愛してしまったら
もう どうやっても 離れられない
全てを壊して 一緒にいるしかない
あなたは まるで白磁のよう
触れると 揺らぎそうで 抱きしめると 粉々に壊れそうで その透明な白さが 眩しい
まだ大人になりきらない心と身体 それでいて 大人の女を惑わす 森のように深い 黒い瞳
一瞬にして過ぎてしまう美しさ あなたは それに 気づいてはいない
私の悩みや愚痴を聞いて 怒ったり 涙を流してくれる他人が どれだけいるだろう
年老いたあなたも その一人です
私の手を しわだらけの両手で包みこんで 無理しないでね 身体に気をつけてねと 涙を滲ませながら言う
思わず私は おかあさんこそ大事にしてねと その小さな身体を抱きしめる
木枯らしの吹く中 振り返ると まだ 私を見送っている
空気が 春のように温かくなった
今日は幸せだった
13時半に駅で待ち合わせて モーツァルトのケーキを 4個も食べて 紅茶を4杯も飲んで いっぱい笑って いっぱいおしゃべりした
ただそれだけのこと
10人の友達と一緒だったけどね
瞳を開ければ いつも そこに あなたがいた 私を見つめるあなたがいた 優しく微笑むあなたがいた どんなつらいときでも 大丈夫 僕が傍にいるから あなたはいつも そう言って 私を抱きしめた
あなたと私とは 全てを超えた存在
たとえ命が尽きても 握り合った手は離せない しっとりと溶け合った心は 離れない
あなたから 最後のメールが届く 決心していたのに 涙が溢れる
ごめんね あなたの愛 ごめんね わたしの愛
窓の外には 今年初めての 雪が降る
あなたの誕生日が もうすぐ やってくるね
雪の乱舞は 美しくて悲しい わたしの心の中にも 雪が舞う
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