確実に忘れていくので、とりあえず。 でも、本が見つからないと読んだことさえ覚えてすらないという。
■真昼の花/角田光代 何かを足りないという感覚から、バックパッカーとしてだらだらと旅する物語。でも、なんだか別にドキドキするようなも物語ではなくて、無気力な停滞感がどうにも合わなかった。それは別に旅行でなくても・・・とか思うあたりが自分が出不精なんだろうな。
もう一篇、別の物語も入っているんだけど、どうもよく分からない、という感じ。
■ぼくはこうして大人になる/長野まゆみ まあ、長野まゆみっぽい幻想的な少年愛の物語なわけで。幻想的というか耽美的というか。耽美的が良く分かってないんだけど、少年少女で耽美ってのはイメージつかないなあ、とか。 主人公が年の離れた兄と姉と従兄弟から、(主人公は男なのに)女なんだ、とか色々と間違えた知識を教え込まれていたのが、実は、別のことを隠すためで、という部分が衝撃的だった。間違えているような気もするけど、そこまで出来ることが。
■Miss You/柴田よしき 文芸編集者の主人公が、なぜか事件に巻き込まれていく・・・という物語。不自然さがなくて、久々にはまった推理物。うわー、面白い、と思ってたら、最後の方で、あ、これ読んだことある、と気づいた。でも、最後まで読んでもラストも覚えてなくて、ある部分だけ覚えてるってのが自分らしいなあ、とか思った。 ちなみに覚えてたのはこんな部分。と、書こうと思ったんだけど、犯人分かりそうなので最初の方だけ。
「私が知りたいのは理由だけです。」
ってか、なんでこの部分覚えてたんだろう。
■相棒に気をつけろ/逢坂剛 簡単なハードボイルド。気力も体力も読むのに要らないのは楽だなあ。でも、読み終わった後に、なんだかなあ、という気分にもなったりする。
■朝霧/北村薫 ふとした謎を知り合いの落語家の人に聞く、という形で繋がっていくシリーズ。本好きの女の人がついに編集になった、という話。でも、なんだか話しているうちに、そういえばこんなことがあったんですよ、って思い出す感じじゃなくて、分からないことは聞いてみよう、って雰囲気になってきて微妙な感じがした。
でも、それでも新作でたら買うんだろうなー。
■改訂・受験殺人事件/辻真先 シリーズ物の三作目だったことに途中で気づいたという。その時点で若干微妙な雰囲気がしていたり。受験戦争から産まれる殺人事件・・・なんだけど、気に入ったキャラクターが脈絡もなく殺される場面が、無性に嫌で。そういえば、だから推理物は嫌いになったんだっけか、と思い出した。
■密やかな結晶/小川洋子 ある島の物語。ものがなくなるということが起きる島。なくなるというのは、単語を知っていても、それがものとつながらなくなる、ということ。つまり、鳥というものがなくなったら、鳥を見ても、なんだか分からないし、何も思い出せずに記憶がなくなっている、ということ。ただし、その中でも記憶がなくならない人もいて、そういう人は秘密警察に捕らえられていく。
で、中身は、記憶がなくならない人をかくまって過ごしていく物語。
最初から最後まで必然性というものが見えてこなくて、「こうだからこう」みたいな設定がうーん、という気分。でも、使わない単語は忘れていくし、見えないものは忘れていくんだなあ、と思う。ただ、そのこととこの物語が繋がらないので、いったい何を書きたくてこの物語を書いたんだろう、と逆に気になる。
■図南の翼/小野 不由美 ある少女が、王となるために蓬莱に行くという物語。 都合のいいところも多いんだけど まあ、王になるから、というだけで納得させてる書き方。
■風の万里 黎明の空/小野 不由美 やっと最初の主人公の話。 反乱を起こした軍に対して、凛とした言葉を投げかける部分が ぞくっとする。
あ、楽俊も出てきてます。
■黄昏の岸 暁の天/小野 不由美 王を選ぶ麒麟が、部下の謀反に遭って日本へ逃げた後の物語。 逃げた際に記憶をなくしていて、 普通の人間として生きるわけなんだけど なんというか、作者の文明に対しての批判がきつくて あんまり楽しめず。
ついでに、この作品の裏に対応する作品も 読んだことがあるんだけど、 そっちもずいぶん気分が晴れない物語だったなあ。
■華胥の幽夢/小野 不由美 短編集。 なんかねえ、一つ前のかなり悲惨な主人公の 幸せだったとき、って物語はつらいね。
まあ、楽俊が出てきたので。
2004年08月09日(月) |
風の海 迷宮の岸/東の海神 西の滄海 |
■風の海 迷宮の岸/小野不由美 ■東の海神 西の滄海/小野不由美
昨日からの続き。
月の影 影の海、に出てきた人たちの昔話という感じ。 でも、これが3、4冊目じゃなくても、と思ったりも。 月の影 影の海の主人公がどうなったかの方が気になる。
まあ、今のところ4冊残ってるから それに期待ってことで。
あ、別につまらないというわけではないので、一応。
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