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「ミーナの行進」小川洋子 2010年08月09日(月) 父を亡くし、母は生計を立てるために洋裁学校へ通うことになり、朋子は叔母さんの家で少しの間世話になることになった。芦屋にあり、清涼飲料水の会社を経営する叔母宅は、豪華なお屋敷。 そこで暮らした、叔母の家族との暖かく少し切ない記憶…。 ------------------------ うちの姉とは11歳離れていて、寒い冬の夜なんかは、姉は私を布団に寝かせて、毛布や衿布で私をむくむくにした。そして、「外は吹雪、家の中には暖かい暖炉が燃えていてスープがくつくつと煮えていて…」なんていう話をしてくれた。 それはもう外国の児童文学や童話に出てくるような憧れの世界だった。ただ、姉の話は暖炉が暖かいところから一歩も進みはしなかった。それでも、あの時のワクワクするような気持ちはまだ憶えている。 「ミーナの行進」は、そんなお話。ああいいなあって、うっとりと想像するような世界。暖かい暖炉は出てこないけど、せつないことも起きるけど。暖かい暖炉のお話のその先を読ませてくれる一冊でした。 この人の、何かの決意を胸に秘めた行動の描写が、好きだなあと思います。心が洗われる(笑) ★★★☆ |
「紅一点論」斎藤美奈子 2010年08月01日(日) 「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」というサブタイトルがついています。どれも、子供たちが非常に大きな影響を受ける媒体であり、その世界は多くが「たくさんの男性とすこしの女性」でできているという事実。 ヒロイン像の分析などもあれこれおもしろかった。 なかなか興味深いです。 ★★★☆ |