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「セクシュアリティの心理学」小倉千加子 2006年12月24日(日) 人間の性別を指し示すする用語は、以下の3つ。(本文から)(a)セックス 解剖学的性差・性別 (b)ジェンダー 社会的・文化的性差・性別 (c)セクシュアリティ 性的欲望・性的行動の総体 本書は、結婚や恋愛などの場面での性差における人の心理や概念の推移などを考察したもの。 なかなかおもしろかった。特に第1章「摂食障害と女性のジェンダー化」は興味深く読みました。この人の書く、女性の成長における心理の考察を読むのが好きなんですね。 以下、私がおもしろかった部分を抜粋。 P12 「女児には早期から「自己抑制」傾向が存在することが発見されています。「自己抑制」とは「自己主張」(自分の欲求を相手に正しく伝える傾向)の対極にあるものです。」 P17 「幼児の依存対象(母)が、幼児の要求に一貫してうまく対処できないとき、幼児は自分の失望感を乗り越えるために、内的関係の世界を作り上げる。自分の欲求に対する世話役の対応が不適切なのではなく、自分の欲求が問題を引き起こすのだと考え、自分を罰し、自分を葬ろうと試み、否定的に体験された世話役の側面である悪い対象を再構築して、ファンタジーの世界を作り上げる」 P78 「女性と原始人は同じとみなされたのです。女性が使う装飾品は奴隷の装飾品と同じものにされています。たとえば、ネックレスやブレスレットは、アフリカ文化から生まれたものです。」 P106 「それ以前の人たちは私たちが恋愛と呼んでいるような感情を体験したことはありませんでした。感情とは、歴史的に新たに作り出されるものです。たとえば現代でも、地方の高齢者には「不安」という感情は理解できないことを精神科医の中井久夫は著書の中で指摘しています。」 P146 「心理学的には、達成動機から親和動機への転換と言い換えることができます。達成動機(achievement motice)とは、一定の基準を求め、それを完遂する動機のことで、親和動機(affiliation motive)とは、他人(異性)と友好的な関係を持ち、同性とともにあるあり方を望む動機のことです。男の子とも親和的につきあい、女の子ともうまくやるということです。達成動機から親和動機への転換が要請されていることを女の子はどこかで感じます。「男子に負けたくない」と「男子に負けない限り男子に愛されない」という2つのコースの分岐点に遅かれ早かれすべての女の子は立たされます。」 P171 「彼ら(※野生児のこと)は言語をまったくかほとんど使えなかったために、自分の性別を指す言語も知りませんでした。すなわち、ジェンダーを知らなかったのです。そして、その結果(と私は確信していますが)、彼らにはセックスもまた存在しませんでした。(中略)性器の形成も未発達で、性的欲望も存在しませんでした。要するに、ジェンダー(言語)がないと、セックスは形成されないのです。」 |
「花のささやき」川口まどか 2006年12月20日(水) シリーズものではない短編集です。虐待を受ける少年が、亡き母の遺品の薬を見つけ、不思議な力を手に入れる、ちょっとシリアスな「花のささやき」。 とある家族の一人になりすました宇宙人のつる子のおかしな行動に、兄だけは不審の目を向ける…コメディタッチの「E.T.ゴーホーム」。 など。他、短いのが3本。 彼女らしい話ばかりですねー。 |