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「くらやみの速さはどれくらい」エリザベス・ムーン
2006年04月22日(土)
内容(「BOOK」データベースより)
近未来、医学の進歩によって自閉症は幼児のうちに治療すればなおるようになっていた。35歳のルウ・アレンデイルは、治療法が確立される前に大人になってしまった最後の世代の自閉症者だ。それでも、ルウの生活は順調だった。触感やにおいや光に敏感すぎたり、ひとの表情が読みとれなかったり、苦労は絶えなかったけれど、自閉症者のグループを雇っている製薬会社に勤め、趣味のフェンシングを楽しんでいた。だが、新任の上司クレンショウが、新しい自閉症治療の実験台になれと自閉症の社員たちに言ってきた。ルウは、治療が成功してふつうになったら、いまの自分が自分ではなくなってしまうのではないかと悩む。ルウの決断のときは迫っていた…光がどんなに速く進んでもその先にはかならず闇がある。だから、暗闇のほうが光よりも速く進むはず。そう信じているルウの運命は?自閉症者ルウの視点から見た世界の光と闇を鮮やかに描き、21世紀版『アルジャーノンに花束を』と評され、2004年ネビュラ賞を受賞した感動の長篇。

作者の息子さんが自閉症で、その経験を元に書かれた作品ということです。(モデルにしたわけではないそうですが)
ルウの視点で話は進みます。自閉症の方の思考の仕方というのがとても興味深く、かつわかりやすく書かれていました。フィクションではありますが、確かにそうなんだろうと思うのです。
普通に過ごしていると、人がどういう思考の仕方をしているかなんて、考えないし違っていても気づかないものです。
だから、こういう物語を読むととても興味深く感じます。

そういう思考方法の違いもおもしろかったし、「なにが普通なのか」という問題、そして「なにが自分なのか」ということ。
自閉症である今の自分を、受け入れてくれる人、変わることを望む人。それは、自閉症以外のあらゆることに言えることです。ただ、それらは性格の範囲として位置づけられているし、治療という強制での変化ではないから、私たちは決断をせまられることはないだけであって。

ラストは、なんともせつないです。
解説(梶尾真治)の一文。
「意外な結末というわけではない。だが、一見ハッピーエンドに見える結末を振り返るたびに、微妙に複雑な感情がエコーのように湧き出てくるのだ。一見、予定調和に見せかけながら、この結末の複雑さは、ちょっと例を見ない。」
自分が決断を迫られた時に、何をどう選べるだろうか?と思います。

「不思議のひと触れ」の感想で翻訳ものは読みにくいとか書きましたが、これは読みやすかった。なんでしょうね、元の文章の違いか、訳者の違いか…。両方かな。
読みやすいし、おもしろい。おススメです。
★★★★
「不思議のひと触れ」シオドア・スタージョン
2006年04月18日(火)
SF短編集です。SFと言っても「ちょっと不思議な話」。
最近海外SF(及びミステリ)を読んでみようかなーと思っていて。なぜかというと、大森望の書評を読んでいて読みたくなったから。
どれも味のある話でしたが…。2編目の「もうひとりのシーリア」の後味がどうも悪くてねえ。
イマイチ、どれもこれもすっきりしないまま、読み終えてしまいました。あわないのかも…。
「閉所愛好症」は、うらやましかったけど。私にもお迎えこないかなあ(笑) もっと専門分野に突出してないとだめかしら。
「タンディの物語」は割りと好き。

しかし、翻訳っていうのは慣れないとほんとに読みにくいね。日本語読んでるはずなのに、気づくとどういう状態なのかがさっぱりわからないことがあります(笑)(日本人の作家でも、菊○秀行はそういう状態によく陥ります)


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