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「女の人生すごろく」小倉千加子
2005年07月02日(土)
小説以外の本を読みたいと選ぶ根底には、世の中のことに興味があるんだとか、人間ておもしろいもっと知りたいとか、自然て謎がつきないとか、いろんな探究心てものがあると思います。
私の場合、もっと知りたいからこんな本読んでみたい、という探求の中心は、いつも「自分」のことだったりします。自分がどうしてこう思うのか、こんな風に感じるのか知りたい、そんな気持ちで本を選ぶことが多いです。
…と書くと、なんだかナルシストな感じがしますね(笑)
この本の中でも、「人は自分にないものを求める」というようなことが書かれているんですが、私は自分に近いものに惹かれるんですよね…。そんなに自分が大好きなんでしょうか、私は(笑)
ま、よく言うと自己探求ってことで。

そんなわけで、私は女性なので、社会における女性の立場やなにかというのに興味があるのですよね。
で、ちょっと前に「負け犬の遠吠え」という本が流行ったじゃないですか。(現在進行形?)
私も読んでみるつもりだったのですが、図書館でも人気だったので借りられなかったのと、酒井順子さんの他の本を1冊と、「負け犬〜」のいろんな方の感想など読んでたら、なんとなく内容はわかったので読まなくていいかなと。
その感想などを見ていて、時折引き合いに出されている「結婚の条件」(小倉千加子)という本の方が読みたくなったのです。そちらの方がちゃんと分析してあると書かれてたので。
そういう経緯で小倉千加子さんの名前を記憶の片隅に留めていた私は、少し前に古本で「結婚の条件」と本書「女の人生すごろく」を購入しました。

文庫だったのでこちらを先に読んだのですが、なかなかおもしろかった。
小倉千加子さんは短大の教員をされていて(専攻は心理学)、本も何冊か出版してらっしゃいます。
本書は1988年の講演をもとに書き改められたものということです。(文章が語り口調です)
内容はというと、女の人生をすごろくに見立てて、春の目覚め篇、おつきあい篇、OL篇、結婚篇(あがりらしい)と順に語っていくというもの。
講演は1988年、文庫の奥付も1994年なので多少古い部分もあるんですが、根本的なところはこの頃からもう変わってないんだなと思いました。

まず、春の目覚め篇の一文
「ひと言で言いますと、女の子の思春期というのは、自分の身体が、実は自分のものではなくて、誰かの快楽のための道具であり、誰かに鑑賞されるものであるということに気づく時期のことです。」
でがつーんときました。
他にも、なるほどーと思うことがたくさんあって(そうかな?と思うこともありますが)、あれこれ考えさせられました。
たとえば会社とかで、他の女性が当たり前みたいな態度で要求していることが、私には信じられなかったりする理由とか。
みんな、女性なんだなと思いました。私は自覚が足りない(笑)
「おつきあい」は「お見合い結婚みたいなもの」というのも、確かにそうなんだろうなあと思いました。「あなたじゃなきゃダメ」なんて恋愛、簡単にそこらへんには落ちてませんよね。


いくつかおもしろかったところを抜粋。

「人間はみんな平等だという理念を片一方でたたき込まれているのですが、片一方で恋愛には暗黒の世界が残っています。平等だと教えてもらったからといって、(中略)恋愛がすぐ成り立つわけではない。
(中略)近代を知ってしまって、自我の確立を成し遂げた女の子は、恋愛の不条理にぶつかったとき、いやがらせの電話(中略)そんなバカなことはできない。(中略)それでどうするかというと、これは私自身の問題である。彼にそういうのをぶつけるのではなく、彼女にぶつけるのではなく、私ひとりで何とかあきらめるしかないのだという、近代的自我を持ってしまった女の子の不条理な恋愛に対する、恨みでもない、嘆きでもない、ただの慟哭みたいなものを歌っているのが中島みゆきです。」

「だから恋愛をする能力、相手が素敵な人に見える能力というのは、そう見る人の側の能力です。見られる側の能力ではない。
(中略)そして相互投影がうまくいくこと、これを恋愛といっているわけです。(中略)自分の中にあるスライドが相手のスクリーンにぽっと映る。それを見て、わあ素敵と思っているんですが、その素敵なものは実は自分の中にあるんです。」

「都会のよさはマゾヒズムなしに生きられることです。ずーっと農村に生きてたおばあさんたちというのは頭を下げる。人の下に立つ。(中略)誰が下座に座るかというので競争です。下座を一番にとった人がマゾヒズム的快楽を手に入れるんです。
(中略)日本人はそういう女の人を『よくできた奥さん』と言うんです。」



今読んでいる「結婚の条件」の方の一文ですが、
「学生は十八歳や十九歳でも、無意識のレベルでは教員以上に現実の困難さを知っている。無意識に言葉を与え、それが『腑に落ちる』なら学生の無意識はそのことを前から知っていたのであって、ただ意識化していなかっただけなのである。」
なるほど。
「20世紀少年 19」浦沢直樹/「秘密」清水玲子
2005年07月01日(金)
「20世紀少年 19」浦沢直樹
東京へ行くために関所を通ろうとする矢吹丈。通行手形を漫画家に偽造してもらうことに。

「歌なんかで世界が変わるわけねえだろ。」
「いや、そんなことないスって。」
「俺ぁそんなものはこれっぽっちも信じちゃいねえ。」

「悪になるのは大変だ。正義の味方になる方がよっぽど楽だ。」

などが印象的な台詞でした。


この漫画はいろいろと既視感のあるものがでてきて、元がわからないものもあったりするのですが、なんとなく見たことあるよなーって思っておもしろい。
でも昨今は著作権の問題で裁判やらなにやらが起きてますよね。境目ってなんだろうと思います…。



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「秘密」清水玲子
「輝夜姫」の連載を終えた清水玲子、メロディで7月号から「秘密」の連載を始めていました。
「秘密」は、もうコミックスが2冊出ているシリーズで、近未来サスペンス。死者の脳に残された記憶としての映像を元に捜査する警視庁科学警察研究所「法医第九研究室」の物語。
今回は左手左足を粉砕され、全身の皮を剥がれ、首を落とされた死体が発見され、5年前の事件が浮かび上がる…という話。
静謐で美しくすらあるのにぞっとする怖さがあって、流石すごい…と感心して続きを楽しみにしていました。今月号も、自分の身体をかきむしり始めるシーンとか怖くて、怖いもの見たさでワクワクしました。

…が、妊娠のため来月から休載だそうです……。
残念です。でもしょうがないですね。
ただ、高河ゆんが出産後復帰したら絵ががらりと変わってしまっていて、それがすごく厭だったのでちょっと怖いです(笑)
でも、元気に復帰されることを楽しみに待ちたいと思います。待つのは慣れてますからー(笑)
40歳を越えてらっしゃるということなので、なにかと大変だと思いますが…。
しかし、人生わからないものですね。うちの姉も40を越えて結婚したので…。何が起きるかわからないなあ。


今号のメロディは、川原泉も成田美名子も柱で謝っていて、この雑誌大丈夫かいな…と思ってしまいました。


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