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「夏の名残りの薔薇」恩田陸 2005年02月13日(日) 山奥のクラシックホテル。金持ちの三姉妹の老女に招かれて、今年も客がやってくる。章ごとに変わっていく語り手、嘘や偽りの記憶が交じり合い、不思議な雰囲気を醸し出す小説世界。非日常の空間で、人と人との会話などによって過去の罪やら記憶が暴かれていくというのは、恩田陸お得意の世界ですね。次々と語り手が変わっていき、最初の人物をまた違う角度で見る人間の視点になっていくというのは、私はとても好きです。 ふと気づいたんですが、私は恩田陸の小説には、どうしても嫌い、受け付けないっていう人間がいない気がします。どの人も、考え方とかがしっくりきて、けっこう好きだなーって思うし、同じ世界に住んでる気分になる(笑) なので、雰囲気とかは大好き。三姉妹の作り話の雰囲気とか、いいなあと思います。 でもねえ、今回は話自体にワクワクさせられるかというと、首を傾げる。 あのままで終わったらどうしようかと思って、あのままじゃなかったけどあのままだったようなものだとも言える(笑) 着地してるようなしてないような、不思議な感じ。 ちなみに私は各章のつなぎのところで、舞城を思い出しましたが…。 「真実を嘘の中に隠す」だっけ? そのテーマは、最近私が考えていたことだったので興味深かったです。あと「記憶の曖昧さ」というのも最近考えていたことだったので…。 ★★★ |
「大人になれないまま成熟するために」金原瑞人 2005年02月07日(月) 副題は「前略。「ぼく」としか言えないオジさんたちへ」です。著者は、芥川賞受賞で話題となった金原ひとみさんのお父さん。 「中高年者が自分が大人ではないと思っていることと、比較的若い人が若さを実感していないことの間には、おかしな捻れがあります。つまり、昔は、自己認識と、自分の実年齢との間で意識過剰に陥る人などいなかったのに、今では、誰もが方向を見失って、意識過剰に陥っているということでしょう。」 どうしてこんなふうに捻れてしまったのかを読みたかったのですが、全部読んでもぴんときませんでした。 ★★ |