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「ジェシカが駆け抜けた七年間について」歌野晶午 2004年04月24日(土) アメリカの陸上競技クラブで仲の良かったアユミとジェシカ。しかし、アユミはカントクに選手生命を台無しにされたと、失意のうちに自殺。アユミは、以前ジェシカに、自分が二人いたら…という話をしていた。 そして、日本での競技中に起きた殺人事件。被害者はカントク…。 なんというか…作者のやりたいことは、わかります。 でも、これ、読んでおもしろい? その昔、「推理小説は人間が描けていない」なんていう論争がありましたよね。そういう論争はナンセンスだとは思いますが、この小説にはその言葉を送りたい。 丑の刻参りだとか、催眠術だとか、雰囲気作りなんでしょうけど、空々しい。説得力がなさすぎる。 この人の「ブードゥー・チャイルド」も、評判がよかったので読んでみたら失望させられましたが。今大人気の「葉桜〜」も読んでみたいと思っていますが、あまり期待しないでおこう…。 クイズやパズルのつもりで読むのなら、おもしろいのかもしれませんけど。あと、マラソン業界(?)の内幕という意味では、おもしろいのかも? 酷評ですが、ここは書評サイトではないんで。私の率直な感想を書く場所なんで。あしからず。 ★☆☆☆☆ |
「ワイルド・ソウル」垣根涼介 2004年04月11日(日) 戦後の南米移住政策。広大な農地と豊かな収穫物…バラ色の夢を謳った計画に応募者が殺到したが、彼らが連れて来られたアマゾン川最奥の土地は、とても人の手で切り開けるような地ではなかった。耕した土地は雨季にはあっけなく流され、病気に次々と倒れていく仲間。移住は、政府の棄民政策であったのだ。前半は、衛藤という一人の男の眼を通しての移住生活の苛酷さが語られます。 後半、入植地で生を享けたケイと松尾という若者、そして衛藤と同じようにブラジルをさまよった経験のある山本という男が、政府への復讐のために行動を開始します。 テーマがテーマだけに、硬くてへヴィーな内容なんだろうと構えて読み始めたのですが、文章も読みやすく、何より息もつかせぬ展開で、どんどん読み進めてしまえます。 前半の重さは、くどすぎず、それでいて悲しみや憤りも伝わってくるし、一転、後半の痛快さ、スピーディな展開にはにやりとさせられます。 後半は、報道記者の女性も事件に巻き込まれていくのですが、彼女も等身大で好感が持てます。男性の書いた女性とは思えないくらい。ケイとのやりとりがおもしろい。特にラストの手紙では彼女と一緒に笑ってしまいました。 久しぶりに、読み応えのある本を読んだ気がします。かなりオススメ! ★★★★☆ |