| .....PAPER MOON |
| .....HOME .....MAIL .....OLD .....INDEX .....NEW |
自閉症だったわたしへ/ドナ・ウィリアムズ 2001年09月04日(火) 「自閉症だったわたしへ」読了。(私、読了って言葉を生まれて初めて使ったわ!笑。深い意味ナシ)そういえば、数年前藤井フミヤがドラマで自閉症の青年を演じていたけれど。 自閉症とは脳の発達障害によって起こると考えられているそうだ。人と目を合わせるのが苦痛だったり、言語能力に障害があったり、自分の世界に固執し、繰り返しを好んだり…。 本書は、自閉症の女性(タイトルの"だった"というのは正しくない気がする。過去形ではないから)が、自らの世界を自らの言葉で語った作品。 彼らには、世界がどう映っているのか。何を苦痛に感じるのか、彼らの中の世界はどういう世界なのか。そして、世界に適応するためにどうやって生きてきたのか。 「自分は世界に適応できている」と思っている人と、「自分は世界に適応できていない」と思う人は、読んでみるといいと思う。地球はひとつでも、みんな、同じ世界に住んでるわけじゃない。でもどうにかこうにかしてやっていかなくては。こうして生まれてしまったんだから。 印象的だったエピソード。 幼い頃、可愛がってくれた祖父が死んだのだけど、彼女にはその死が理解できなかった。16年も経ってからようやく、"人間は死にたくて死ぬんじゃない。祖父が死んだのは意地悪でじゃない"ということがわかって、大声で泣いたそうだ。 せつないね。。 続編を読むかどうかは保留。読むのはいいんだけど、文庫のくせにめっちゃ高いのよー。 |
未来予報 あした、晴れればいい。/乙一 2001年08月30日(木) もう夜遅かったので、読もうかどうしようか迷ったのだけど、誘惑に負けて読んでしまった。…やっぱり泣かされた。よかった。小学生だった主人公と近所に住む女の子は、転校生と友達になる。その転校生は「未来予報」の力を持っていた。天気予報と同じく、絶対確実ではない「予報」。彼がある日言った、その「未来予報」のひとつが、話のキーになる。 時の流れを淡々と、追った話。雨や雹など、タイトルにひっかけて様々な天気を場面場面に絡めていて、それらのシーンがとても鮮やかで印象的。特に雹のシーン、会話は何もないのに、じーんとくる。 けれど、この話の冒頭に書かれているように、彼はその物語の中の十年間、「だらだらと何もない日々をすごしていただけ」。表面的な出来事としては。 淡々とした文章で、物語は進む。この作家は、決して文章が達者だとは言えない。なのに、「何もない日々」「無関係」を、こんな風に描けるなんて、すごいことだと思う。涙が出る。 目に見えるものだけがすべてじゃない。でも、目に見えないものだけが尊いわけでもない。それでも、目に見えない何かを信じようとして、みんな必死で生きている。 何もなかった。でも、そこには何かがあったんだ。 彼の書く話は、目に見えないものを、「あるよ」といとも簡単に言ってくれる。そして、たとえ今信じられなくても大丈夫だよ、と言ってくれる。 私は、いつもいつも、そんな言葉を欲しがってるんだ…。 |