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天帝妖狐/乙一
2001年08月05日(日)
まだ読んでいなかった乙一の最後の一冊が文庫化されていたことを知り、旅先の本屋でさっそく購入。二編を収録している。この作家、よく「ホラー」と書かれていたんだけど全然ホラーじゃないよな、と思っていたが、この二編はなかなかホラーだった。

「A MASKED BALL ア マスクド ボール-及びトイレのタバコさんの出現と消失-」
学校のトイレの落書きから、事件が大きくなっていく…という話。トイレの落書きが、ネットでの匿名の書き込みと重なってなかなかおもしろい。全体的にはミステリー仕立てで、よくできてるんじゃないかな。

「天帝妖狐」
狐狗狸さんのせいで永遠の命を得てしまった青年。ずっと人目を避けて生きてきたが、ふとある女性に助けられて彼女の家に住むようになるが…。
これは、なかなかホラーだ。正直言うと私は全然怖くなかったが(笑)、ひたひたと暗い雰囲気が漂っていて、いい感じだ。
でも、いまいち入り込めなくて泣けなかった…。

これで乙一を全部読んでしまったのかと思うと、残念。
早く次が読みたい。と思っていたら、8/30に発売の雑誌に書き下ろしが載るらしい。期待!
群青の夜の羽毛布/山本文緒
2001年08月04日(土)
坂の上に住む三人の女。厳格な母親、体が弱く家事手伝いの長女、明るい次女。そして、長女が新しくつきあい始めた恋人をめぐって、家族の事情やら心の闇やらが徐々に見え始める。
なかなかおもしろかった。少し異常な世界を淡々と描いているのに、妙にリアリティーがある。
章の合間に挿入される、誰かがカウンセリングを受けているらしき独白の部分が、インパクトがあってよかった。少しずつ、彼女たちの生活に引き込まれていく感じ。

図書館で会うシーンが好きだった。
その後で恋人が、やっぱり自分はこの面倒くさい神経症的な女が好きなんだ、と自覚する。そうね。便利だから好きになるわけじゃないんだもんね。

人が黙り込むのは、言いたいことを飲み込んでるからだ。


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