「硝子の月」
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2007年02月22日(木) <輝石> 瀬生曲

 その言葉に、ティオは唇を尖らせる。
「『あんたには借りもあるし』って、さっき言っただろ」
 認めたくはないのだけれど仕方がない、と言わんばかりのその様子が珍しく年相応に見え、グレンは思わず吹き出した。
「お前が笑える立場かよ!」
「いてっ!」
 向う脛を蹴られて顔をしかめると、カサネが「まだまだ修行が足りないな」と今後の特訓を匂わせる。かなり情けない気分で溜息をつく青年を励ますように、二羽のルリハヤブサがピィと鳴いた。


紗月 護 |MAILHomePage

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