「硝子の月」
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2006年09月30日(土) <輝石> 瀬生曲

 そんな青年の胸の内などお構いなしに、ティオは小声で傍らのルウファに問い掛ける。
「さっき言ってたのってこいつ等のことか?」
「そ」
 彼女は一音だけでそれを肯定した。
 少年は改めて老王とカサネを見、そして『影王』を見つめた。
「何か訊きたそうだなティオ・ホージュ。建国祭サービスだ。俺に答えられることなら答えてやろう」
 『第一王国』の国王と寸分違わぬ姿を持ち、またこの国の『護り』であるという存在は、にやりと口の端を釣り上げた。


紗月 護 |MAILHomePage

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