月と散歩   )   
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2002年02月28日(木) 流氷。その後(改)

今日の流氷。
職場に展示(笑)。

…意外に薄い、みんなの反応。
それどころか、いい笑いのネタにされている。
まあ、こんなもんかな。
けどちょっと淋しい。

「笑わせる」のはいいが、「笑われる」のはいかん。イカン。
…ゴメン、親父。


そして帰り。
処分に困った。
捨てるのも忍びないし。

ちょっと迷って、親の酔狂に付き合うことにした。

…海に、かえしてやろう。

…。

海岸に車を飛ばした。
途中、携帯が鳴ったけど 無視をした。
なんか、儀式みたいで 邪魔されたくなかった。

砂浜から勢いつけて…。

…!

誰かが、呼んだ。
立入禁止区域に入ったので お叱りかな…。

「捨てたか?!」

「はい…すんません。でも…」
(続く⇒)


2002年02月27日(水) 流れ着いたモノ


まだ、種子島。

親が、わざわざ北海道から流氷を送ってきた。
送り状の品名に『流氷』とだけ、書いてある。
…まさかホントに、それだけ送ってくるとは(苦笑)。

いま、故郷の海岸には流氷が流れ着いている。
観光客で賑わうなか、スコップとノコギリを担いで流氷を削る親父。
想像すると笑えてくる。

―――

種子島では雪すら珍しい。
流氷なんてテレビでしか知らない。

旅館の女将さんをはじめ、みんなが珍しがってた。
写真撮ったり、なめてみたり。

―――

…あれ?
古くなってくると、涙腺が緩くていけないや。


2002年02月25日(月) カナヅチ、波に乗る。


昨日のこと。

自分が泳げないのを棚に上げ どこかサーフィンを甘くみてた僕。
カッコだけは一人前に、ぎこちなく抱えた板に全てを託し(頼りきり) 勇ましく荒波の海に…。

―――

おかしい…。

海水は浮力が大きい。
ウェットを着てりゃなおさら…。
なのに、なぜ沈む…?
海は『僕ら』の来た場所、還る場所…のはず。
なのになぜ、僕を拒むの?ママン。

―――

波に乗れたのか?

…波には、乗った。

立つことは出来なかったけど、波に乗る感覚はわかった。波に飲まれる感覚も。


…泳ぎの練習から始めます(苦笑)。


2002年02月24日(日) カナヅチ、図に乗る。


休日。
曇天。風は ない。
…波を、待つ。

「こんなん、ハナクソ(みたいな波)だ」
と、その人は言うけど…。

―――

僕がサーフィンをやろうと思ったのは、別にモテたいから ではない。
一応、弁解までに(笑)。
職場で話を聞いてるうちに、出来るような気がしてきた。

ちなみに、僕は全く泳げない。
昔、溺れてから 水がこわくなってしまった。

…これは、自分との戦いだ。

―――

『ハナクソ』は、それでも2m近い。
大きい時では 6mの波がくると言うから、まあ…(苦笑)。


…自分と戦う前に、ハナクソに負けた…。


2002年02月23日(土) サトリとサトラレ


『わかり過ぎて、なにも言えない』ってことが たまにある。

子供の頃、
世界中のみんなが『僕』だったらいいのに…
と 思った時がある。
みんな解り合えたらどんなに素晴らしいだろう!
でも、ちょっと考えて それはつまんないな…と思い直した。

―――

相手に、自分を重ねる。

気持ちが解り過ぎると、なんにも出来なくなってしまう。

…それは、相手の本当の気持ちに踏み込む勇気の無さを、誤魔化す為の自己満足なのかな?

それもみんな、わかんないから面白い。


けど…
あの時 僕は、なんて言えばよかったんだろう。


2002年02月22日(金) 『風になりたい』


いま泊まってる旅館のすぐ近くに 高校がある。

晴れた日には、向こうに 夕陽に照らされた屋久島が、そしてシュロの木に縁どられたグラウンドでは 長い影が走り回る。
そんな、青春まっしぐらな 南国高校。

放課後。
…島でも数少ない高校。あちこちから通っている。
バイク通学が認められてるようだけど、校則なのか みんな『カブ』。
郵便局だって こんな 団体のカブにはお目にかかれまい(笑)。

ほのぼの、あったかい風景。

―――

ここ数日、くしゃみ 鼻水が続く。
ただの風邪ならいいけど。

目もカユい。
…もしや(汗)。


2002年02月21日(木) Top of the World

今日は、高所での作業。

ロケットに繋がってた、フレキシブルの配管を取り外す。
(あの、打ち上げの時゙ポン゙って外れるヤツ)
黒コゲになってる配管を 発射台のてっぺんまで登ってクレーンで下ろす。

力仕事。
狭い足場。
昨日に続いて良い天気。
…汗まみれ(苦笑)。

けど、心地よい 疲労感。

ちょっと手を休めて、遠くをみる。

高いトコは大好きだ。
飛んでる自分を想像してみる。

世界は僕のモンだ!(違う)

とても 広い。
青い空。
海の、透き通った碧。
彼方まで、すべてが輝いていた。


…くしゃみ、ひとつ。


2002年02月20日(水) 止まった時間


種子島。

打ち上げの、後処置。

ずーっと やってるんだけど、実は作業が順調に進み過ぎてて(苦笑)。
今日は、『あさっての作業』をやった。

あんまり進み過ぎても いろいろあるので(オトナの事情)、適当に調整する。

というわけで、午後からは ちょっと ひなたぼっこ(笑)。

本当に、雲ひとつない 良い天気。
風は 凪(なぎ)ってて。
トンビが 高くで鳴いている。
カーラジオから流れる さだまさしも、何故かイイ感じで(笑)。

ゆとりって、大切だねー…と 夢ウツツ。
南の島の、早い春。

…実労働時間、4時間(内緒)。


2002年02月19日(火) ON YOUR MARK


出来るなら、戦国や幕末の時代に生まれたかった。
…と思う時がある。

そんな中なら、勢いで『行ける』気がしてた。

僕は、なにを誤魔化そうとしてたんだろう。

今も似たような混乱の時代だ。

侍。

要はココロの在り方なんだろう。

今、出来ないなら いつに生まれても出来ない。

鏡に、向き合う。

―――

空回りばかりの日々だ。

けど、それが『何か』としっかり噛み合った時 その回転は素晴らしい加速を産むだろう。

その日まで、僕は 偉大な空回りを続ける。

…。

前半と矛盾してる気もしますが(苦笑)。


2002年02月15日(金) 『いのり』


人間は、どこまでも貪欲で
エゴに満ちている。

どんな時だろうと、
腹は減るし 眠気はやってくる。

目が覚めれば太陽はうえにあり、
夜には月も昇る。

僕らは生きてる。
生かされている。

ちっぽけな僕らに、世界はあんまり広大だから
ついつい自分の足元を見るだけで精一杯になってしまう。

だから、いつも背中合わせにあるはずの『死』ですら
見落としがちだ。

それを忘れて恋をする自分を
『生き物の本能』だとか、
『いなくなった人の分まで』なんて
もっともらしい理由で 正当化しながら…

僕らは、生きてゆく。


2002年02月13日(水) 湯けむりの死闘


…やられた…!

丸腰。無防備。
そこを突かれた。

どうする!? 何か…何か武器になるモノは…ッ?!

…!
コレだ!

シャワーを取って、゙赤゙のバルブを全開にする。

これでひとたまりもないだろ…(持ってる僕も熱くてたまらない)。

…な、なにッ!?まだ動けるのかっ!
ヤツら…人間じゃねぇっ!!
これでもか!これでもかッ!!

………

排水溝を流れていく、黒い影。

…終わった…。

…!!

排水溝から沸いてくる、十数体の影。

「うわあぁい!!」

半狂乱の頭で思った。

゙一匹見たら、30匹゙…。


2002年02月12日(火) 『ちゃん』

女の子と話すのが、ニガテだった。

…なんていうか、『男子たるもの、かく在るべし』みたいなイメージが僕の中にはあり。
そんなのが空回りしてた、学生時代。

良く言えば、硬派?
けど、やっぱり『不器用』(苦笑)。

女の子を、『ちゃん』付けで呼ぶなんて タブーだった。

けど、そんな僕もいつの間にか大きくなっちゃって、女の子との会話も抵抗なく出来るようになりました。

ただ、『ちゃん』は未だにちょっと引っ掛かる。
なんか、立場が対等じゃない感じがして。

…僕だけ…かな?

―――

そして、また、種子島。


2002年02月11日(月) に、さんち

ここんとこ、こんな感じ。

―――

富士サファリパーク、いってきました。
往復、700キロ弱。出張明けには、ちと つらい距離。

んー…。なんというか…かわいそうになりました。
もっと、草原をガシガシ進むイメージだったけど、
もうすっかり管理されていて。
そこにいる動物達も、なんだか『やっつけ仕事』といった雰囲気で。
現代人間社会の縮図をみた…と言ったら言い過ぎ、かな?
心身ともに、ヤラレました。

おもしろかったけど(なら、いいやん)。

―――

ある日、こんなメール。

「名古屋名物の『ひつまぶし』ってどんなの?」

三連休 真っ只中。そんなことを訊いてくるあのコも…だけど、

「例えば、いま やってること」

と答えた、僕もなかなかの…(苦笑)。
(ちなみに、『ひつまぶし』とは、うなぎの蒲焼を細切れにしたものをご飯と混ぜた食べ物。たぶん、"おヒツ"に入って出てくるから、こう呼ぶんだと思う。暇かどうかは、関係ない)

―――

それくらい、暇だったので(苦笑)ビデオを借りてきた。
『けものがれ、俺らの猿と』と『ココニイルコト』。

前者は、僕には正直むつかしかったけど、なんていうか とてもパワーに溢れてた。
映像に というより、言葉に。
観たあと、町田康の詩集を購入した。せずにはいられなかった。
むつかしいけど。

後者は、いろんな意味ですごくキレイな映画。主に、いい意味で。
あとに観て、よかった(笑)。
ちょっと、泣いた。

…『古く』なるにつれて、涙腺がゆるくなってる。

―――

なんと。
チョコを貰った。
ちっちゃいの、6個入り。

でも、僕はこんな調子なんで 6個目の、ハート型のヤツは食べられなかった。
ゴメン。

…んー。カッコつけ(苦笑)。

―――

最近、胃腸があんまりいい調子じゃない。
イヤ、洒落じゃなく(汗)。

…風邪かなぁ…疲れかなぁ…。

―――

姪っ子の名前が決まった。
『芽依(めい)』。

…僕は、姪っ子を誰かに紹介するとき、
「姪の、メイです」
と言わなければならないのだろうか。

…兄貴め…(笑)。

―――

夜。
ふと、外を見たら まっしろだった。

しんとした空気を胸いっぱい吸い込んで、故郷のにおいを思い出して 元気が出た。
やっぱり、雪はいい♪

―――

また、名古屋とは しばしのお別れ。


2002年02月08日(金) 種子島漂流記 27(ラスト。とりあえず。)

『ただいま』

すでに荷造りしてあった 名古屋へ送る荷物を旅館に預けて、
最小限の身の回り品で 飛行機に乗り込む。

冬の種子島にしては珍しく、風はない。

気流も安定して、揺れも少なく。

鹿児島で、(ちょっと)大きな飛行機に乗り換え。

うえから見る 名古屋は、うすどんよりとしていた。
たくさんの家。ビル。 その、たくさんの 窓。
ひとつひとつに生活があり、呼吸をしている。
二酸化炭素と一緒に吐き出される、喜び。悲しみ。憎悪と、怒り。
さまざまな感情が、排気ガスに溶けた『うすどんより』。

これからその中に入っていくのかと思うと、吐き気がした。


…三日間の、バカンス。


―――

昨夜、名古屋の同期のヤツから電話。

「おまえ、三連休 ヒマ? サファリ行かない? サファリ」

…ライオンの赤ちゃんに会えるらしい。
話はトントンと決まり、僕がクルマを出すことに。
…?! おいおい。

「けど、ライオンの赤ちゃんだぞ!?」

…快諾(苦笑)。

男3人に、そいつの彼女。
僕のパジェロ・イオは、いっぱい いっぱい(定員:4名)。
はてさて、どうなることやら。

―――

14:15、名古屋空港 到着。
見上げた空は、晴れていた。


真っ直ぐ帰ってもなんなので、伸びきった髪を切りに行く。

「ライオンに負けない髪型にして」
といったら、失笑を買った。
でも、しっかり『それらしく』仕上がる。 さすが、プロ。

同期に新年の挨拶をして、夕飯食べて。


…さっき、トイレの鏡に映ったアタマは
なぜか『キューピーちゃん』になっていた。

…アレ??(苦笑)






――――――――――――――――――――――――――――――

出張中、i-modeからの書き込みで
文字化けしてた箇所、
書きたりなかったトコ、etc...
修正&ちょこっと加筆(どこかは秘密)。

暇つぶしになれば、コレ幸い…。


2002年02月07日(木) 種子島漂流記 26

『厄日』

今日で、種子島 最後の作業。
名古屋に送る機材を梱包する。
それが今日一日の作業。
はっきり言って、『いただき』♪
ほとんどが午前中に片付いてしまった。

もう、やる事なくなった午後4時。
突然、名古屋の作業長から電話。

「はい?」

「おう。元気か?お前、明日 移動だろ?」

「(…?)はい。」

「でな、12日からまた行ってもらうから。種子島。」

…。
……。
…僕が何をした…(泣)。

―――

また、メールが来た。
「怖いので、送りました(笑)」と。
チェーンメールの類。
10人に送らないと呪われるらしい。

…何だってんだ…。

―――



…というわけで、このチェーンメール 欲しい人募集(笑)。


2002年02月06日(水) 『休日』

よく晴れて、風も ない。

穏やかな 休日。

同期のヤツと、ドライブに出掛けた。
二日酔いのアタマに、窓から入る風が うっとうしくも 心地良く。

麗らかな日射し。

―――

種子島に初めて来たのは5年前。僕は学生だった。

九州縦断。
みるもの全てが新鮮で、光ってて。
自転車に跨った、僕と幼馴染み。
背負いきれない、大きな荷物。
その時 僕らの前には、たくさんの道が伸びていた。

―――

5年前の道を走りながら、ふと そんなことを思い出した。

いま、後悔はない。
けど その頃の僕に説明する自信も、ない。


2002年02月05日(火) 種子島漂流記 25

『祭りの後』

打ち上げ、ロケット自体に関しては成功!
ただ、二基の衛星のうち一基が 分離しなかったらしく、目標を完全に果たせなかった という意味では、失敗…かな。
なんだか、すっきりしませんが。

今日の作業は、打ち上げの後処置。

主のいなくなった発射台は 真っ黒コゲ。
熱でやられて、発射台の手すりは曲がってる。
辺りには、ほんのり磯の香り。
壁や柱は白い粉が付いている。
…なんだ、コレ?

―――

ロケットのメインエンジンは、基本的に無公害だ。
燃料は水素と酸素。
それが化合(燃焼)すると、あとには 水と二酸化炭素が残るだけ。

匂いの正体は、SRB(固体ロケットブースター)。
ロケット本体の横にくっついてるヤツ。
コイツの固体燃料は、燃えた後に強酸性の粉を残す。
『白い粉』が それ。
磯臭く感じたのも、そのせいだろう。
プールの塩酸の臭いをきつくした感じ。
…ちなみに、有毒(汗)。

―――

そんなとこで作業するもんだから、おかげで喉を痛めた。

けどまあ、とりあえず ホッ(苦笑)。


2002年02月04日(月) 種子島漂流記 24

『X-0〜カウントダウン〜』

03:00
電気系(現場での)最終準備、完了。
宿に帰る。

08:40
メールで起床。
風呂に浮かぶ。

11:20
旅館の屋上から打ち上げを見よう
…としたところで、打ち上げ時刻が11:45に変更になったとの情報。
規制区域(海上)に、タンカーが入っちゃったらしい。
ロケットの不具合じゃなくて ホッとする…けど(苦笑)。
「打ち上げを見たくて 入り込んじゃったんやろ」
と誰かが言って、緊迫した空気が やや和む。

11:30
ちょっと早いけど、屋上へ。
2階の『誰か』の部屋を抜けて(笑)外へ出る。
…だいじょぶ。女将さんの了承は取ってあるから(いいのか?)。
屋上へ伸びる、いまにも壊れそうな錆びたハシゴ。
さらに、給水塔の上へ。
遠くに射点が見える。
目の前の家。そこの屋上にも、人だかり。
ちょっとした お祭りみたい。

こっちのほうが良く見えますよー(笑)。

―――

11:45(X-0)
カウント、ゼロ。
小さな光。
ゆっくりと 加速していく。
白煙が、青い空に線を引く。

…轟音…!

空気が、震える。


…みんな、それぞれの思いで眺めてるんだろう。

声援なんか送っている人もいたけど、
僕は、僕の想いは口から出るには多すぎて、そこで詰まっていた。

口が、開いていた。
笑いながら、泣いていた。

…ちょこっと(照れ笑)。


2002年02月03日(日) 種子島漂流記 23

『Re:Y-1〜Y-0』

昨日は結局、天候不良という判断で 打ち上げは一日 延期。

今日、また 仕切り直しです。

―――

今朝、兄ちゃんの子ども(ふたり目)が生まれた。

今回の打ち上げ、『お祝い』の意味も込めて 成功させなきゃ。

―――

…今日の種子島は、雲ひとつない 良い天気で…(苦笑)。
まあ、風は強かったから…。


2002年02月02日(土) 種子島漂流記 22

『Y-1』

午前中は、僕らの系統は作業がなく 旅館でゆっくり。

昨日の夜半から降り出した雨は、風を伴って強くなり。

ともあれ、これから出勤。
機体を射点へ移動させて、燃料を充填。
明日の昼11:32、カウントはゼロになります。

―――

…さて。

ちょっと 打ち上げてきます。

(打ち上げの時は旅館待機なんだけど(苦笑))


2002年02月01日(金) 『はじまりの日』

24年前の今朝、『僕』が はじまりました。

「まだ、24」と「もう、24」が入り混じる、複雑なトコですが
日々の流れは んなことにおかまいなく。
僕も負けずにがんばってます。

たくさんの人に祝ってもらって。
たくさんの人に支えられて。
…たくさんの人に、ありがとうを言えるように…これからも。

―――

…そして終わりには、
困っちゃうくらい たくさんの笑いジワがあるように。


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