つたないことば
pastwill


2004年11月29日(月)  午前6時の月

明るみ始めた空の反対側
薄らぐ紺色に黄金の月が浮かぶ
見渡すのは大地
仰ぐのは果てしない空
誇らしげに輝くも月は空に一人きり
今ここに立つ俺をあざ笑い、話しかける

無様な人間
血にまみれるのは楽しいかい?
お前が殺した人間にも家族や愛しい人間がいたろうに
お前はそれを奪った
しかしそれは仕方のない事
殺さなければお前が死ぬ
そう、仕方のない事


解るか、俺の気持ちが
そうさお前はここに一人きり
俺もここに一人きり

馬鹿な人間
自分を傷つけるのは楽しいかい?
夜空を見てみろよ
俺の周りには輝く星々がある
ほら、お前の周りにも



おおい、月よ
教えてくれ
何故お前は誇らしげだ
朝陽にその姿を晒しながらも


俺はあの人の足元を照らす月になりたいのだ


2004年11月16日(火)  おとなはしらない

自分を押し殺して足早に歩く大人たち
俯きながらどこへ急ぐの
この世界の果てはもう知れているのに
立ち止まれないのね 気の毒に
わたしたちはまだ何も知らない
急ぐ必要はない この世界に果てはない
大丈夫 もう少し立ち止まっていられる

大人は知らない
汚れた街で息を潜めるわたしたちを

大人は知らない
ささやかでもいいから愛がほしいことを


大人は知らない

空がこんなにも美しいことを



My追加