2004年03月14日(日) |
イッソ、タオヤカニ。 |
その目は澄んで、なお激しく慎ましく。 彼の慟哭を感じ入るものは皆無に等しく。 鳴り止まない警鐘だけが彼のまるで味方のように。 信じる物は何一つなく…否、信じれるものはすべてこの手で すべからく抹消した。それが責務であるように。 信じるものがこの手にあれば、もてあまし縋ってしまうから。 そうして得たものは、それはもうこの命を捧げてもいいと 思わず祈りに口を開いてしまいそうなほど猥褻で猥らで美しく。 儚くも果てしないこの身の本質をえぐる様な有様で。 彼は思わず瞠目す。この視線の先に理想が、ある。 問えば答え、探せば阻まれるそれは無常。 切っ先を滑らせ刃を押し込めば、なお一層思いはますというのに。 嗚呼、時は十分に過ぎていく。孤独を装いその足音に 背を向けても、見開いた目に映るものはゆがんだ真実か。 吐息と焦燥と少しのザワメキを、不慣れな洋装に押し込めて、 やはり止まらぬ時へと足を進める。 ワレイザユカン。マコトノハタヲイザフラン…。 士道は私道にあらず。我この身を永遠の士道に捧ぐ…。
快賊船・幕末新撰組異聞−BeRunMens−べらんめぇ…男達は走りゆく。
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