Court (防衛) 2002年08月22日(木)
いよいよ、この日がやってきた。 余裕をもって、7:30にミッチェルさんが迎えに来てくれた。
入り口で手荷物&ボディチェック。 まるで飛行場みたい。
部屋に入る。 広い。 議会中継なんかで見る最前席のような雛壇がある。 一番上が、ジャッジの席。 左下が、記録係の席。それにしても記録係のおばちゃん怖い顔だな。 なんかこっちにらんでる?いや、元々そういう顔なのか? 右側に証言台。あそこに立つのか・・・ 右の壁側にアリッサの弁護士とポリスの席。 たぶん、そこが陪審員の席なんだろうけど、今回は民事だから無し。 部屋の真ん中が私たちの席。 ジャッジに向かって左側が私たち、右側がアンソニー家族。 後ろに仕切を入れて、聴衆席。 それにしても、綺麗で明るい。 壁は白で机や仕切などは木製。 サスペンス劇場なんかで松尾和子がうなだれて立っているシーンだと、 裁判所って灰色なイメージだったんだけど。
10:00 やっぱり、向こうは家族総出でやってきた。 変更後、初めてみる向こうの弁護士。。。 でっぷり太ったおばちゃん。 あごはペリカンだし、目は白目三白。 手の平以上に小さくて真ピンク色。 順子曰く、そういう手の人は肝臓が悪いらしい。 どう見ても、前の弁護士の方が切れそうに見えた。 「勝ったな」密かにそのときは思った・・・
10:30 ジャッジが入室 一同起立 着席 緊張してきた。 チャールズ(私たちの弁護士)さんと私たちの間には通訳がついた。 日本人のみゆきさんと言う方で、朝きてちょこっと事情を聞かされただけだったので、コートが進むにつれ内容を把握し、胸を痛めていたみたい。 途中に要約を言ってくれるんだけど、そのたびに順子がでかい声で反応するから、「シッ」っと注意されてしまう。だから、同時通訳はしてもらえなかった。 山本先生・エディさんと順番に証言に立つ。 まずは、チャールズさんが質問してそれに答える。 一通り終わると、こんどは向こうの弁護士が質問。 なんだかわからないけど、偉い剣幕でがなり立ててるぞ。 チャールズさんのは何となく聞き取れるけど、彼女のはさっぱりわからない。 勢いでは完璧に負けてる・・・気がする・・・大丈夫なのかなぁ? 開始からずっとあたしは、前アトランタ教会でもらったクロスを握りしめていた。
そんなときあちらの弁護士は言った。
「警察が学校へ来て騒がれ怖かったと言っているが、 その時母親は何をしていたのか?」
・・・・・
「彼女は死んでいました」
バカか、この弁護士。 何のためにこのコートが開かれてると思ってるんだ? これには、皆笑うしかなかった。
エディさんの証言の途中で1時間半のランチタイムになった。 コート近くの中華でミーティングしながらの食事。 領事官も忙しいのに来てくれたから合流。 こんな時でもおなかは減るのだぁ。パクパク モグモグ ん?エディさん、チャールズさんはそれぞれ餃子、春巻しか頼んでない。 あんなに大きな体なのに、それっぽっちしか食べないの?ダイエット? 違った、私たちのためにあれこれ考えて胸一杯で食べれないみたい。 ちょっとモリモリ食べてる自分が恥ずかしくなった。
13:30 エディさんの証言再開 と、思いきや、なんだかお互いの弁護士がモニョモニョ話してる。 どうやら、むこうが示談交渉してきたらしい。 その内容は 1.メインガーディアンシップ(保護者権)は私たちに譲る。 2.夏休み2ヶ月、冬休み1ヶ月はアメリカへつれてくる。 3.その費用は、アンソニーの口座にあった$20,000から支払う 4.アメリカへいる間のガーディアンシップはアンソニーサイドが持つ。 と言うようなことだった。 「これをのまないと全てを失う可能性もあるとチャールズさんが言っている」 と通訳された私達。かなりブルったけど、この条件はのめない。 後から、その訳が誤解だったことをしり、すぐに却下した。 なんでも、一瞬でも向こうにガーディアンシップがいくと、 そのまま親権申請に持ち込まれてしまうらしい。危ない危ない。 この間に費やした時間2時間半。無駄でした。
さて、エディさんの尋問タイム。 向こうの家族は、エディさんをかなり敵視しているから、 ひどい言われようだったみたい。かなりしつこく尋問されてた。 またまた通訳は自分の胸にしまっているから私達にはさっぱりわからず、 ただ不安を募らせる時間が過ぎていった。
次は、あたしの番。 左手を聖書にのせて、右手を「インディアンうそつかない」調に差し出し、宣言。 マイクごしに大きな声で話すよう、注意をうけたけど、 自分の声ってマイク通して聞くとかなり不気味。つい小声になってしまうま。 ここでもずっと、クロスを握りしめてた。 緊張で、ドキがむねむねしてしまう。 途中まで順調(?)にいってたんだけど、むこうの質問で、 「(アリッサの)パスポートは、どうやってお母さんに渡ったんですか?日本で渡したのですか?アメリカで渡したのですか?」 って質問、本気で忘れて答えにつまった。大木さんに渡したんだっけ? 日本でお母さんに渡したんだっけ?あれ? お母さんが2度目にこっち来る前、あたしは日本でお母さんに会ったっけ? あれ?入れ違いで会わなかったんだっけ・・・?やっぱ、あたしアルツだわ。 昔、面接の時に総理大臣の名前ど忘れしたこともあるし。アッハッハ(マジ) そんなあたしに日にちに関して聞いたって答えられるわけも無いじゃない。 みゆきさんの顔をすがる思いで見たけれど、そこに答えがあるはずも無く なんか、自分が恥ずかしくて、一生懸命やってくれてるチャールズさんの顔をまともに見れないくらい申し訳なかった。もう2度とこんな経験したくない。
今日のところはここまで。 ってことで、明日また再開されることになった。 げ、帰りのチケット変更できないやつなんだけど、大丈夫かなぁ?
コートを出て駐車場に向かった。 「あれ、アキコさんの車・・・」ミッチェルさんが教えてくれた。 やつらは、姉の車で乗りつけたんだ。なんて酷い奴ら! それは、アリッサも物でしょ?なんでおまえ達が使ってるわけ? 消え去るまで順子は仁王立ちしてにらみつけていた。 悔しいけど、涙が出た。
夜は、皆で『寿司ヨコ』にて食事。 「明日のために」他、語りあかしてなんだか楽しかった。 楽しんでちゃいけないのかな? あしたは、順子がつるし上げられる。大丈夫かなァ?
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