***** 誰かを好きになったこともなくて
誰かを大事にも出来ないのなら
いっそ沈黙で居ればよかったのに
久しぶりに、泣いた。 目頭が熱くなって、ぽろぽろ水が零れた。
あたしが、泣いた。
たくさん、酷い事を言ってみた。
あたしを、嫌に成る様に。 あたしが、面倒くさい生き物だと思う様に。 あたしを、放り出したくなるように。
そうしたら、きっとあなたのその手は、 違う誰かの手を握りに行くことが出来る。
勝手だけど、あなたから放り出してくれれば、 あんな悪い子、そうされるのが当たり前って
きっと、そう言ってくれる。 そして、あたしもアナタも解放される。
我儘で、駄々を捏ねただけだ。 嫌なことがあって、八つ当たりをしただけだ。
酷い子。
お前なんか、もういい。 どっかいっちまえ。
本当はそう思ってるんでしょう? じゃあ放り出せばいい。
偽善なんかであたしを抱きしめてくれるな。
甘えてる自分にも気付いて、吐き気がする。
なんで、放り出さないの。 なんで、嫌にならないの。 なんで、なんで、なんで。
他に握る手なんて、ほら、いっぱいあるじゃない。
ぽろぽろ、と、涙が出てた。
もう、やだ。 逢いたくない。
馬鹿みたいだ。
何が嫌で、何が欲しいのか 全然分からない。
期待なんてしたくない。 裏切られるのだってヤダ。
どうせいつか捨てるつもりなら、早く捨ててくれればいいのに。
いつまでも向き合えないでいる、あたしの気持ちは いつも何かに怯えて ぶるぶるぶるぶる震えてる。
産まれようとしたそのときに、 あたしと母にかけられた 呪いのことばが、忘れられない
耳を塞いで、座り込んで居たいだけなのに。 ひとりで居たい、だけなのに
どうして、どうして 泣いてるんだろう。
ぽろぽろ、ぽろぽろ
久しぶりに 零れる、水。
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