自言自語
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2003年07月26日(土) ---2_3

実は先週
今日こそは声をかけると決心して出掛けたのに
結局怖くて
周りの目が気になって
声をかけることができなかったの

何度も何度もオジサンの前を通り過ぎて
チラッチラッとその存在を横目で確認し
隣のショーウィンドウを見る振りをしながら立ち止まって
オジサンを見て
深呼吸をして
目を戻したら
オジサンと目が合ったの!

オジサンは無表情だったわ
私完全に固まってしまったの
オジサンの顔をまじまじと眺めてしまったわ
意外に精悍な顔立ちをしてた...

先にオジサンが目を逸らしたの
私その瞬間何故だか恥かしくなって
走ってその場から逃げ出しちゃったの

そのまま車に飛び乗って家まで帰ったの

その日はもう一日中そのことばかり考えてたわ
ううん、この一週間ずっとそのオジサンのことばかり考えてた
私絶対に顔を覚えられたと思う
もう2度とあの通りにはいけない
だってもしもアイツが変態だったら
後を付けられて襲われるかもしれない...

ううん、あの人はそういう類の人じゃない
私のなんとなくの直感だけど
あのオジサンは危険な人ではないような気がする
私が気にしなければ
たぶん何も起こらない

でもあのオジサンのことを考えないで
あの通りを通ることは今の私にはもう無理なの

変な話
変な話だけど
もうあのオジサンが気になってしょうがないのよ

だから今日こそ声をかけると決心した
もう顔を覚えられてしまったから
もう次回なんて有り得ない

だから今日
あのオジサンに声をかけるの


2003年07月23日(水) ---2_2

私はあの通りが好きだけど
別に毎週通ってるわけじゃないわ
いつも同じところで服を買うわけじゃないから
2、3ヶ月に1回とか多くても2回とか
だいたい給料日の次の週末に大抵一人で出かけるの
誰かと一緒に買い物するのは好きじゃない

それで
それからその通りに行く度に
そのオジサンを探すようになったの
探すって言っても
そのオジサンはいつも必ず同じ場所にいたから
何気に通り過ぎる振りをして
そこに居る事を確認するだけ

いつも必ずいるのよ!
同じ場所に同じ格好で
私がそこを通る時間はいつも一緒な訳じゃないわ
昼過ぎだったり
夕方だったり
時にはその通りの(大部分の店の)閉店間際の21時ごろだったり
でも
そのオジサンは必ずそこにいるの

ねぇ?
私がどれほどそのオジサンに
「そこで何をしてるの?」って聞きたかったか
あなたに分かる?


2003年07月22日(火) ---2

その通りは
繁華街からちょっと離れた場所にあって
ちょっと静かで
でも決して人通りが少ないわけじゃなくて
車は滅多に通らなくて
通りの左右に並べられたショーウィンドウが綺麗で
ふらふらふらふら
歩く道

そこはお気に入りの場所だけど
買い物はほとんどしない
その通りの雰囲気だけを楽しみに
ふらふらふらふら

最初にそのオジサンを見たのは
去年の冬だったかしら
店と店の間にある小さな路地に
オジサンが一人たたずんでいた

この通りには似つかわしくない形(なり)だったわ
浮浪者だと思った
だから気にしなかった

2回目に見かけたのは今年の春だった
やっぱり同じ場所にいたの
何気なく視界に入って
最初は気付きもしなかった

でも帰りの車の中ふと思い出して
そういうえばあのオジサン去年の冬にも見たわ
だって全く同じ格好だったんですもの
間違いないわ
あそこに住んでるのかしら?


2003年07月17日(木)

夜よ早く眠れ。


2003年07月15日(火) ---

夕暮れの公園で、

小学校3年生くらいの女の子が泣いていた。

一度通り過ぎたけど、
なんだか気になったので、
戻って声を掛けてみた。

「どうしたの?」

彼女は下を向いたまま、

「わたし、
 
 右手と左手の長さが違うの」と、

異様に長い左手を僕の前に差し出した。


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