今日はこんな感じ?
今日、考えたこと。そして読書の記録など。

2011年10月13日(木) 天地明察

「天地明察」冲方丁 角川書店

冲方作品、ファフナーの次はこれって、どうなの私!?……な感もあることはあるのですが。
SF作品はシリーズが多くて、ちょっととっつきが悪いです。あまり時間がない昨今なので。

黒地に日月星のカバーは素敵ですが、どうにも一気読みは出来なさそうなので、
持ち運びが楽なようにカバー外して読みました。が、これは私にしてはかなり珍しいこと。
表紙外した中身がやっぱり素敵で、ちょっと嬉しかったです。
濃いベージュというか薄い茶色というか、そんな地にうっすらと模様が。箔押しかなあ? 
今、たまたま手元にないのでいい加減かも(^_^;

暦って、あまり考えたことのなかった分野でした。
科学なんですね〜。
そして、旧来のものを改めることの難しさを、描いていますね。
最初にコミック版を読んだらあまりに面白くて、すぐに続きが知りたくて、原作に手を出した、
という、まさに逆順読みだったのですが、コミックにはお礼を言いたいな。
良い作品を読めたから。
数学は大っ嫌いだけど、和算の歴史をもっと知りたくなりました。
あと、主人公・春海が初代に就任した、幕府の天文方とやらのことも、もうちょっと知りたい。

後半、改暦にかかわる人々が次々とこの世界から去ってゆくくだりは、切ないの一言。
外出先で読んでいるというのに……にじむ涙に困りました。
みんな、夢を持って生きて、精一杯かかわって、為せたことも為せなかったこともありながら、後進に託して去ってゆく。
ロマンですよね。

時代小説という古臭さは、微塵も感じませんでした。
そこに、その時代に生きた渋川春海は、かわいい、魅力的なひとでした。

☆☆☆☆☆(文句なし 星いつつ)



2011年10月07日(金) 妖精作戦

「妖精作戦」笹本祐一 創元推理文庫

懐かしいタイトル。
著者のデビュー作である本書を初めて読んだのは、出版されて間のない頃で、高校
1年生だったと思う。
わあ、26〜27年前だね。
学園物のSF。超能力少女もの。
すべての要素がツボで、なおかつ、たたみかける様なテンポの速さに酔いしれました。
自分でも書いていたけど、ここに出てくる全寮制の星南学園と、那州雪絵のコミック
「ここはグリーンウッド」の舞台となった緑林寮が憧れで、そういう学校を作り出して
舞台としたほど。
本作はシリーズ1作目に当たり、このあと「ハレーション・ゴースト」「カーニバル・ナイト」
「ラスト・レター」と続きます。

今回は、出版社替えの新装文庫化。(なにせもとは朝日ソノラマ文庫。今はありませんから)
実は持っていた本を行方不明にしていたので、この本が出るのを楽しみにしていました。
今回の文庫には、作家・有川浩が解説を書いています。
彼女も妖精作戦世代なのは「レインツリーの国」を読めばよくわかります。
解説文にはただただ納得。そうそう、そうそう、と思いながら読みました。
そしてやはり、あのころの懐かしい自分に会えた気がしました。
飢えていたのです。
私、学園物のSFが、本当に読みたかったのよね。

シリーズ1巻目の本書は、ただただ気持ちよく、キャラクターがどたばたしています。
小気味よいテンポを楽しめばいいと思います。
楽しいから。

今の自分が読み返すと、確かに読みづらい部分も多いです。
確かに下手だよね;
でも、補って余りある「何か」があるのです。

☆☆☆(星みっつ。やっぱ尻上がりだもん)


 <いままで  INDEX  それから>


りえち [MAIL] [HOMEPAGE] [BBS]

↑エンピツ投票ボタン
My追加