子犬日記
むかしのことちょっと前ちょっと先


2004年05月22日(土) 五月の読書-2

『トガリ山のぼうけん6巻 あいつのすず』
『トガリ山のぼうけん7巻 雲の上の村』
『トガリ山のぼうけん8巻 てっぺんの湖』
いわむらかずお(理論社)

トガリネズミのトガリィとテントウムシのテントの旅も終盤。
旅の最初に出あった山の異分子「あいつ」とも、とうとう直接言葉をかわすことになる。
1巻を読んだときは一冊で一話完結だと思い込んでいたので、
ぜんぜんけりのついていないエンディングにびっくりしたものだ。
1991年から毎年一冊のペースで刊行されていたらしい。
完結してからまとめ読みできて、幸せだった。
里山の動物がミミズからイノシシ、サルにいたるまでオールスターで出てくる。
どれも昔の日本では馴染み深いイキモノだった。
夏から秋にかけて畑を荒らす彼らのニュースを聞くととても悲しい。

備考:
一冊は借りてきたその日に電車の中で、次の巻は見舞い先の病室で、
最後の一冊は見舞いから帰って一気に読んでいた。
「もっと読みたいのに終わっちゃうのか」と、とても残念がっていた。


2004年05月08日(土) 五月の読書-1

『トガリ山のぼうけん3巻 月夜のキノコ』
『トガリ山のぼうけん4巻 空飛ぶウロロ』
『トガリ山のぼうけん5巻 ウロロのひみつ』

いわむらかずお(理論社)

小さい頃、自分の身体が小さくなってどこにでもぐりこめたら、
夢想したことがある。
子供なら誰でも一度はめぐらせるであろう空想を、
世界最小の哺乳類であるトガリネズミに託して現実的な形で描き出している。
狛太郎も、図鑑でなじみのイキモノが次から次へと出てくるので、
飽きるひまもなく読み進められたようだ。

主人公トガリィの背負うリュックには、干しミミズが入っている。
何も取れなかったときのための、非常用食糧である。
「ネズミってミミズたべるの?」と思うひともいるだろうが、
トガリネズミは食虫目、ネズミではなくモグラの仲間なのだ。
栄養とエネルギーを身体に貯めておけない極小の動物にとっては、
食物をきちんと取れる取れないかは死活問題である。
十センチに満たない彼らは、自分よりも大きいバッタを食べることもあって、
このシリーズの中にもそういう場面があった。

森のぬしである古木の周囲ではたがいに食い合わない約束。
ぬしは(樹だから)何も応えないが、
話すだけで心は軽くなり、答えを得ることも出来る。
そんな「場」が、こどもたちのそばにもあったらいいのに。


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