寝たきり部屋のおしゃべりなおばちゃん。 またまた登場! おしゃべりなおばちゃんの斜め向かいに80才代おばあちゃんがいる。 そのおばあちゃん、調子が悪い。 吐き気が強く、今日もオエ〜〜〜って苦しんでる。 するとおばちゃん。 私が見たところ低血糖だな。 ハッ? 顔を見るとおばちゃんマジ顔! さっすが〜 見事な素人診断! 私は聞いてみたくなった。 どうしてですか? するとおばちゃん。 私には分かるの! ほほう〜〜 おばちゃんには分かるんだ。 私はすっかりおばちゃんの誤解を訂正するのも忘れ, 自信満々のおばちゃんに見とれてた・・・
お昼は非常に忙しい!! 我が病棟は 2科 の混合病棟。 平日12人ぐらいの看護婦が日勤で働いている。 お昼には各科1人が残り、あとは休憩! だからお昼は2人だけ。 最近狭心症で入院してきたおじさん。 安静度はベット上安静。 ベット上安静=寝たままで、起き上がっちゃいけない。 まさにまっ昼間。 ナースコールが・・・ 急いで行ってみると そのおじさんベットの上に立ち、ベット柵につかまりながら腰を落とし、 お尻の下には洗面器。 そう、そこでうんちの真っ最中。 でもすでに寝衣、シーツは汚れ、おじさんの手にもべっとり・・・・・・ 別にボケているわけではない。 ベットから降りてはいけないという指示を忠実に守っただけなのです。 うんうん、確かに守ってる?! おじさんの苦肉の策だったんだろう。洗面器でウンチ・・・ しばらく立ち尽くす私。 この光景を理解するのに8秒かかった。 もう一人の看護婦を呼ぶが、只今、他患心筋梗塞再発作真っ最中! 私の死闘が繰り広げられたのは言うまでもない。
少しの間お風呂に入らないだけで垢はたまっていく。 毎日拭いてても、手や足は垢だらけ。 久々に入ったお風呂で手や足をこするとポロポロと垢が落ちてくる。 これを取るのがまた快感。 手袋をつけてゴシゴシするのだがやっぱり素手がいちばん取れる。 今日もその快感を味わえる♪っておもいながら入院以来一回もお風呂に入ったことのないおばあちゃんと一緒に入浴♪ あらっ・・綺麗。 ここも・・・ なんで・・・ そういえばこの患者さんには有料さんがついていたなぁ。 (有料さん=雇われた付き添い婦さん) さすが有料さん! 看護婦もこの有料さんたちを見習わなければ・・・ で・でもっ あのポロポロの感触。快感を味わいた〜い! 予定外ではあったが時間があったので汚そうなおばあちゃんをお風呂に入れた。 ポロポロ・・・・ これよ!これっ。
お風呂介助、午後のメインイベント! Hさん、脳梗塞で左半身麻痺になったおじいさん。 長い時間をかけてやっと立てるようになった。 お風呂もほとんど毎回私が介助している。 だからHさんの動作のスピード、痛いところ、立ち上がるコツ、湯加減、などなどすべて心得ている。 Hさん、他の人が介助につくのはかなり嫌がる。 怖いのだそう。 なーちゃんさん!ご指名よ〜! 他の看護婦さんの叫ぶ声。 Hさんからご指名で〜す まるでホステス?! 私にはピンクのナース服が似合うのかしら?
今日は休み。 だから日記も、休業中の看板出して休もうかと思ってるのだが、休みの日もとりあえず書いちゃう私・・・ 11月に祝日勤務が2日間あった。 婦長さんの手違いでシフトに入っていた。 契約上祝日は働かないことになっていたのだが、人のいい私は 仕方なく出勤した。ん〜〜なんていい人!自画自賛! でも調子に乗った婦長さん、1月の祝日勤務も私をシフトに入れやがった。怒 ここで甘い顔を見せるとちょうしこく! 婦長さん!前にも言いましたが、祝日は働きません! 婦長さん そう?やっぱり・・・分かったわ。誰かに代わってもらうわね。泣 やっぱりって・・・ 確信犯だったのね! まったく・・・・ 婦長さんといえども、言うときは言います。 私の祝日はこれから安泰です。
『Aさ〜ん おはようございます』 『おはよう』 『血圧、はかりますね〜』 『いつも高いのよね〜看護婦さんどこに住んでるの?車で来てるの』 『・・・・・』 『Bさ〜ん、おはようございます』 『昨日はね〜、あまり眠れなかったのよ〜、夜は長いわよね〜』 『Bさん、お昼間は頑張って起きててね。夜眠れなくなっちゃうよ』 『そうだわね〜、起きてなきゃだめよ〜〜〜、ほんとにね〜〜 今日、お父さんまだかしら?ちょっと頼みたいことがあったんだけど・・・・』 『Cさん、調子どう?辛そうだね。寒くない』 『ここんとこ寒いね〜〜、ここにいると夜なんて寒くてね〜 私ほんと寒いの苦手なの・・・・・・・・』 私、寝たきりのあばあちゃん達と話してるんだけど、すべて真ん中の40代おばちゃんが答えてる。 おばちゃんと話してるんじゃないんだけど・・・・ あばちゃんのお話は延々と続く・・・・
ツエさん、一緒にお風呂に入りましょ。 ツエさん寝たきり。 だから寝たまま入浴。 せっせと体を洗う。 ツエさんほんのり桜色 そろそろあがろうかしら?? あら?ツエさんなんだか苦しそう? どうしよう。長く入りすぎたかしら?? うぅ・・・ ツエさん、大丈夫?苦しいの? わーどうしよう急変??アタフタする私。 ツエさんかすかに首を振る どうしたの?寒いの? ツエさんまたしても首を振る。 うぷぷぷ・・・ なんだ?なんだ??うぷぷって・・・ ツエさん笑ってるの? ぷぷぷぷ・・・・・ニヤリ ツエさん、私をおちょくってるでしょ。
医師には派閥があるらしい。 出身大学による派閥です。ちなみに我が病院2派閥です。 一つは全国でも下のほうのランクの医科大学(らしい)。 もう一つはエリート医科大学。頭がいい! でもほとんどが前者の医師。 外科のみエリートなのだ(約4名)。でもこやつら、態度がでかい! 今日、外科の中堅医師、痔の患者さんの診察の為、我が病棟に来た。 担当のおばさん看護婦と、たまたま処置車を持って近くにいた私が介助についた。 手袋! 私はゴム手袋をわたした ドクターの指先にゼリーを落とす。 ドクターは患者の肛門診をし、無事終了。 はい。 ドクターはグーの手をして私に差し出した。 なに??? もう診察終わったんでしょ?? はっ? はい! はっ?? 横で見ていたおばさん看護婦。 手袋っ! 取るんですか? おいおい、幼稚園児じゃあるまいし自分で脱げよ!怒 でかい態度で無言で手を差し出しているドクター。 私はドクターの右手の手袋をとってさしあげた。 そしてドクターはでかいツラで帰っていった・・・ なんじゃ、ありゃ? おばさん看護婦に聞いた。 なんですか?あれ? あ〜〜、ここの外科の先生、みんなそうなのよ。 上の先生は手袋つけるのも看護婦にやらせるわよ。 あの人たちはいったい・・・・ いつの時代から来た人だ??
治療費未払い常習犯の患者さん 入院中のおじいさん。常習犯。 家族は払えません!お金がありません。 でも、手術をしたわけでもないしそれほど高額でもないはず。 家族もまったく払う気がないのが頭に来る! 治療が仕事の医師。 現在取り立て屋も兼業してる。 産婦人科でも・・・・ ある若いおかあさん。 一人目のお子様出産! 出産のときは 20万円ちょっとの費用がかかる。 しかし、出産費用はすべて夫や本人の会社(保険)や国だか県だかどっかから出してもらえるので自費負担はほとんどない。 でも若いお母さん、夫の会社から頂いた20数万円、他のことに使い込んだらしい。で、病院には未払い。 病院もこの不景気、だまっちゃいない。しっかり請求を続ける。 すると、若いお母さん、 二人目を妊娠し、来院! いい度胸だ!
寝たきりのあばあちゃん。目が悪く、ほとんど目は閉じた状態。 言葉も発しない。 何かを聞いたときに軽くうなずく程度の反応。 ご飯も食べられず、鼻からチューブを入れて栄養ドリンクのようなものを入れている。 ほとんど無反応の毎日。 でも私たちは何かをするたびに声をかける。 『おはようございます』 『体拭きますね〜』 『気持ちいい??』 『今日は息子さん来てますね〜〜〜』 ま〜恥ずかしながらボキャブラリーの少ない声かけです。 今日手を拭いてたら、なんとなく指に見入ってしまった。 とっても綺麗な手。 80代なのにしみもなくしわも少ない。 指が長くて指先は綺麗にとんがってる。 なんだかうっとり。 『ツエさ〜ん』(そう、以前にも登場したツエツエ・・・) 『すごく綺麗な手してるね。うらやましい!!』 すると無表情なツエさん、フッフッフって笑った。 えっ?今笑ったよね。 『ツエさんピアノしてた?』 『えっ?』ツエさん聞き取れなかったのか聞き返してきた。 『ピ・ア・ノ。昔ピアノしてた?』 『してない』かすれるような声で、しかもうっすら笑いを浮かべながら。 『そうなんだ〜、すっごく綺麗な指だ〜〜』 私は何よりもツエさんが笑ってくれたことに大感激!! ツエさん、生きてるね!! それから私の褒め殺しが始まるのであった。 ツエさん、毎日あなたとお話するのが楽しみでしょうがないわ。
脳出血での手術。頭蓋骨を手のひらの大きさほど切り取り、血腫(血の塊)を除去する。手術終了後は骨を戻さないため穴があいたままなのです。 手術後数週間で骨をかぶせ出来上がり! 昔は削り取った本当の骨をまた戻したそうだが最近はセラミック製のものを使う。 3週間ほど前に手術したKさん、骨はずっと詰め所内に飾られていた。 血の混じった液の中につけられているため結構寒いものがある。 今日セラミックの型取りのため、Kさんの骨を洗った。 もちろん素手ではしません。 ゴシゴシ・・ゴシゴシ・・・ なんか膜が張ってる・・・ はがさなきゃ・・・ ピリピリ・・・ なんだか頭がガンガンしてきた。 ムカムカ、ムカムカ。 気分最悪。 綺麗になった骨。 型取り後は本人に返却されるそう。 そんなもんもらっても困るわ! 今日はこの作業のため体調不良になり寝込んでます・・・ う〜〜ん私ってデリケートっ。ウフ。
おばさん看護婦といえば、経験が豊富で、なんでもよく知ってる。 勉強になることも多い。 配置移動で我が病棟にKさんが来た。 50代のおばさん看護婦。 そのKさんと 急患で運び込まれた男性の処置にあたった。 急患はほとんど『膀胱留置カテーテル』を入れる。 尿の出る穴に管を通して固定し、尿はそこから排出して袋に溜まるという代物。 『膀胱に入れたまんまの(留置)管(カテーテル)』 女性は簡単に入るのだが、男性はモノの大きさによって難しさが変わってくる。 急患の男性、極小、包茎・・・・ するとおばさん看護婦、むやみやたらに管をつっこむ・・・ おいおい、そこじゃないでしょ。 包茎だから剥かないと尿道口見えないでしょ! 私:あの〜そこじゃないみたいですね。 Kさん:あら、そう? 2回目、手技が早すぎてちゃんと入ったのか確認できなかった。 でも管は徐々に入っていってるようだ。 入ったかな? と思いきやモノがどんどん縮こまっていき、中に入っていった。 私:あ〜〜〜、やっぱりそこでもないんじゃないですかね〜〜〜 と言ってもおばさんは手を止めない。 とうとう陥没。はじめて見た。モノが陥没した所を・・・ い・痛そう。。。 結局本当のベテランおばさん看護婦にかわり無事完了。 私には到底入れられない・・・ そして今度はそのおばさん。点滴をしていた。 患者さんは、なかなかいい血管! Kさん:あら?? なんだなんだ!と思いふと見ると・・・・ それ血管ちゃうやん!スジやスジ! それも違うみたいですね〜〜〜〜汗 なんだか、こんなおばさん看護婦もいるんだ〜って ちょっと残念。
前にも話した有料さん。 注) 雇われている付添いさんのことです。 有料さんがついている患者さんの向かいのベット。 おじさん入院中。その娘さんが小学生の子供3人を連れて面会に来た。 有料さん、興味ありげに向かいのおじさん達を見ている。 すると有料さん、娘(30代後半)に向かって あなた達(娘と小学生達)は姉弟なの? んなわけないじゃん! どこから見たって親子やん! すると娘さん、めっちゃ嬉しそうに、 そんな〜、私の子供達です。5人の子供がいるんです。 うんうん、確かに髪は茶色いが生活疲れしてる顔してる・・・ 有料さんに年を聞かれ、 こう見えても39歳です。 うんうん、そんなとこだろう。 すると有料さん え〜〜〜、まだおね〜さんみたいだから姉弟と間違えるよ〜〜〜 う・うまい!うますぎる。 そうか〜、これが世渡りというものか〜 この有料さんの褒め殺しには感服いたしました。 私を弟子にしてください。
今日は悲惨な一日だった・・・・・・・ 入院中のひろしさん。約30歳 意識混濁中。 おなかがパンパン。嘔吐もしたため、レントゲンを撮ったところイレウス。 いわゆる糞づまり。 なーちゃんさん、浣腸してくださ〜い。 了解!! さっそくグリセリン浣腸片手にひろしさんの元へ。 ほんとだ!お腹がパンパン。こりゃ、苦しいわ!かわいそうに・・・ で、ちょっとお尻の穴に指を突っ込んでみた。 決して趣味ではありません。 摘便というれっきとした看護行為です。 すると指先に硬く当たるものが・・・ そうです。これが蓋をしていたのです。 ひろしさんを横向きにして、私のゴールドフィンガーで掻きだしました。 出てくる出てくる出てくる・・・・・ 詰まってたってことはもちろんガスも奥に溜まってる。 そこから私の不幸が始まった・・・ ブフォ・・・ブブブ・・・ブブブブッフォ〜〜! うぎゃ、オオ〜〜、ううう〜〜〜 (私の実声) ガスと一緒にうんちも吹き出る・・・ とにかくガス爆発が収まるまでオムツで包んで一時待機。 収まった頃に再び出陣。 それを繰り返し、ひろしさんのお腹はやっとぺったんこになった。 なんだか充実感!達成感! 自己満足に浸りながらナースステーションに戻ると みんなが遠ざかっていく・・・ なーちゃん・・・くさい。 なんだか漂ってるよ・・・ くんくん、、確かに臭い。 体にひろしさんの臭いが染み付いてる。 初めて病院でシャワーを浴びた。 こんなシャワー室誰が使うねん!って日々おもってたシャワー室、私がつかってた。
病棟に主任が6人。 基本的にみんな好きです。 仕事ができる人、みんなに慕われてる人、頼りないけど優しい人・・・・ それぞれいろんな個性をもった人達。 T主任 今日は体拭きはやめ!オムツだけ見ましょう。 お〜〜〜主任の一言が出た! 体拭き=清拭、は毎日の作業。 オムツだけということで、いつも通り陰部を洗い流す。 でもここで体を拭いてあげてもそれほどの時間のロスは少ない。 結局私は体を拭くことにした。 ふと見るともう一人の若手スタッフも体拭きをしている。 でも主任が来ると、一応指示に従ってないことになるので、さりげな〜〜く 拭いていく・・・ だって、主任様怖いんだも〜ん。 でも主任様、なんやかんやと用事を見つけ清拭に手を出すことはなかった。 いいんです。主任様、もうお年ですから! あとは若い者におまかせください!
納得のいかないことがある。 先日ある看護婦のお父さんが倒れた。 車で5時間はかかるところに住んでいるのだが・・・ かなり重症で、生死をさまよっている状態らしい。 翌日彼女は準夜勤。 てっきり休むものだと思っていたが、出てきた。 泣きはらした目をして・・・ 確かに急に夜勤を交代するのは無理があるかもしれない。 でも、婦長さんの力でどうにもならないことはないのだ。 なのに・・・誰とも交代するわけでもなく・・・ その方のお父さんは無事命はとりとめた。 本当によかった。もし亡くなってたら・・・って思うと 私ならこんなに好きな仕事も嫌いになってたかもしれない。 後悔ばかりの人生になったでしょう。 それほどまでに、働かなくちゃいけないのでしょうか? 親が倒れたときに休めない職場って、多いのでしょうか? 周りのスタッフがフォローしてあげたら一人ぐらいの穴は埋められるはず。 こんな職場環境でいいのでしょうか?
ガオレンジャ− 子持ちの一部の人にしかわからないかもしれないが、 日曜朝にしている子供向け番組。ゴレンジャーシリーズのひとつです。 そこに『ツエツエ』という憎めない悪役がいる。 鈴木 ツエ さん。(苗字;仮名) 寝たきりのおばあちゃん。 声をかけるとき『ツエさ〜ん』って呼ぶが どうしても頭の中ではツエツエってつぶやいてしまう。 顔を見るたび ツエツエ、ツエツエ、・・・・ 部屋の前を通るたびツエツエ、ツエツエ、・・・ 私の頭の中はツエツエに支配されている。 よく同じ歌が頭の中を何回もめぐてしまうってことがあるでしょう? まさにそんな感じなのです。 ツエツエ、ツエツエ、ツエツエ・・・・・・・
病院にはさまざまな業者さんが出入りしている。 布団屋さん、パン屋さん・・・・ 病棟に業者さんが来た。 しかしおじさんが『すみませ〜ん』って言っても誰も行かない。 あら??みんな忙しいのかしら?? おじさんは誰か来てくれるのを待っている。 仕方ないなぁ。 私は手を止めておじさんの対応に行った。 そしてパンフレットと、両手に抱えきれない見本品を受け取った。 すると、婦長さんを含めみんながニヤリ・・・ なになに すると婦長さん それ受け取った人が責任者になるのよ。 なんじゃそりゃ??聞いてないぞ〜〜 私は、かわいいプーさんシリーズ(大きなぬいぐるみ、クッション、マフラーに帽子などなど)を両手に抱え、立ち尽くした。 そして前回不幸にも責任者になってしまったAさんが それ、面倒くさいんですよね〜。あのおじさんが商品と、振込用紙をもってくるんです。だからみんなからお金集めて支払いに行かなくちゃいけないんですよ! あのオヤジ・・・・ お前が集金しろ! なんで私が買うわけじゃないのに集金して、オマケに振込みまでしに行かなくちゃいけないの!! 私は行かない!絶対行かない!!
今日、魚屋のおじさんが退院する。 以前脳梗塞で入院し、今回2度目の梗塞で、再入院してきた。 入院時 Iさ〜ん、分かりますか あっ、なーちゃんさん。 私の顔を見たとたんわずかに男泣き。 また、こんなになった・・・ウッッ 泣 大丈夫ですよ一緒に良くなろ!頑張ろうね またなーちゃんさんにはお世話になるなぁ。 ウッッ こんなに涙もろいおじさんだっけか?? そして数週間が過ぎて今日、リハビリ専門の病院に移ることになった。 昨日、おじさんが久々にウルウルさせて、 ほんと世話になったなぁ。明日R病院に行くんだ。 もうウルウルどころか鼻水たらして泣いている。 向こうでも元気にがんばってね。 周りの患者さんもみんな感激。 私もなんだかジーンとしてきた。 ほんとにIさんには頑張って再び魚屋さんのおじさんに戻って欲しい! 付き添いさんが よかったね〜最後にちゃんとなーちゃんさんに挨拶ができて。 ちゃんとまた来るよ〜って言った? するとおじさん、とっても冷めた口調で もう、こね〜よ!! 確かに、もう来ないでね。元気でね。
年末から本当に忙しかった。 今日、やっとスタッフの数が通常人数になった。 さぁ、やっと余裕がでてきた。 でも、いつ急患がきて忙しくなるか分からない。 今のうちに寝たきりの人の手を洗ってあげよう!! 病棟にはお風呂に入れない人が19人。ほとんど寝たきり。 毎朝蒸しタオルで体を拭き、陰部はお湯で流して洗っている。 長く入院してる人や入院当初から汚かった人は、やっぱり臭い。 特に手は何とも言えない臭いがする。 洗面器にお湯をはり手をつけて石鹸で洗う。 さぁ、誰から洗おうかなぁ・・・・ 臭そうな人の手を嗅ぎに行く。 くん、くん・・・ おぇ・・・ まず、このおばあちゃんだ。 口と脇がいつも臭いから一番あやしかった。 さぁ、お次はだ〜れ? くん、くん・・・ うぅっ、 このおじいちゃんだ! 色白だから綺麗そうに見えたけど、意外とくさかった。 次々と仕上げていく・・・ 瞬く間に一時間が過ぎた。 タイムオーバー また次回の暇なときまで待っててね〜
バス通勤の私。 昨日いつも通り仕事が終わってからバス停へ向かった。 そこは薄暗く、民家もなく・・・ でも交通量がまぁまぁあるので、それほど危険ではないのだが。 バス停に怪しい人が立っている。 黒いコートに深くかぶった黒いぼうし。 『もぐろ ふくぞう』の痩せた感じ。(ふる〜〜〜い) なんかめっちゃ怖い。あそこに行きたくな〜い でもバスが来ちゃう・・・ 仕方なくバス停に近づくと 看護婦さん、今帰り? なんで、看護婦って知ってるの〜〜?怖〜い ○○(バス停留所の名前)まででしょ? なんで私の降りるとこを知ってるの??嫌だ〜、怖いよ〜〜〜 私の顔はかなり引きつり、上半身はのけぞっていた。 あっ、私、佐藤(患者さん)の息子です。 えっ?佐藤さんの?そういえばこんな顔の人が付き添いでいたかもしれない。 でもその格好は怪しいよ。 早く言ってくれよ〜ちびりそうだったよ。 で、本日もバス停に怪しい姿が・・・ またあのおっちゃんだ。相変わらず怖い。 正体を知ってても怖い。 も・もしかして 佐藤さんが退院するまで帰りは一緒なのだろうか? はぁ〜素敵な男性だったら帰りも楽しいのに、喪黒さんじゃ〜ねぇ〜
看護助手さん。仕事量は多くかなり大変な仕事です。 私もいつも感謝感謝の毎日なのです。 特に免許はいらないので誰でも出来る仕事・・・でもかなり大変な仕事なので、向いている人しか続かない。 10月から働き始めた助手のおばさん。 働いて二日目に別の看護助手さんと言いあいをしてる 教え方が悪い!ってほざいてるらしい。 しかしどれだけ教えても覚えない。 三日目、いきなり主任さん達のいる前で 看護婦さん達は私を見下してます! って愚痴っている。独り言のように話してるが、しっかり皆の耳に入っている。 きっと聞こえるように言ったのだろう。 おいおい、まだまだあんた誰?の状態なのに・・・ 見下すも何も、何とも思ってないやい! ある日、大部屋の空気が悪く、換気しようと窓をあけると あっ、私ですね。私がいるからそんなことするんですねっ。怒 そんな小学生のいじめじゃあるまいし・・・ あんたがいると換気もできひんのかい! あるときは処置に使うせっしが2本足りない。 数があわないと、ややこしいことになる。 一生懸命助手さんたちは探している。 するとまたもや彼女、 看護婦さん達が困らせようと私に意地悪してるんじゃありません? なに〜〜〜!だいたいあんたなんか好きでも嫌いでもない!な〜んとも思ってない。それにあんたに意地悪するほど暇じゃない! なんだか毎日毎日、彼女の言動でみんなが気分を悪くしていた。 そして二言目には『絶対辞めませんから!生活かかってますから』 しかしまったくみんなと協調しようとしない。それどころか婦長さんに対してもかなり挑戦的。 今日、仕事に行ったら、彼女はいなかった。 とうとう、昨日、途中で帰されたそうだ。 大きな失敗を繰り返し、反省もせず、病院中に迷惑の輪が広がっていたようだ。 もしかしてクビ? でも、世の中にはこんな人もいるんだ・・・・ 攻撃的で、どんどん敵をつくっていく。。。 なんだか損してるよね。
病室には6人部屋、重症のための個室、お金を払えば誰でも入れる特別室がある。 昨日もおじさんがゆっくりできるからと個室希望で特別室に転室した。 長い間家で介護されてた寝たきりのおじいちゃん。 肺炎でかなり状態が悪い。 血圧も徐々に下がっていっている。 もう皆が覚悟し、安らかに看取ってあげたいと思っていた。 しかし、現在大部屋。 家族も個室に移りたいと言うが空き部屋がない。 こんなとき、ゆったり新聞を読んでくつろいでいる特別室に移ったおじさんを恨めしく思ってしまう・・・ その、おじさんは状況を知らないから仕方ないのだが・・・ でも、できればあと何日、何時間生きられるか・・という人を家族が望むのなら静かな個室で家族だけで看取らせてあげたい。 でもなんとか他科の病室を借りることができて転室することが出来た。 よかったね、おじいちゃん。
今日も人手不足。 泣きたいくらい忙しかった。 私の担当している部屋に、午前中に脳梗塞のおじさんが入院。 午後、植物状態のおじいちゃん、肺炎を起こして入院。 その時点で、すでに私はいっぱい、いっぱい。 髪を振り乱し、顔はテカテカ。 こんな姿、誰にも見せられな〜い。 夕方、またしても脳梗塞のおじさん。 きっとこれはブームなんだ。 そうだ!はやってるんだ。 寒いし、正月で酒も飲むし、みんなが集まってタバコも増えるし。普段飲んでる薬も忘れてるんじゃないか〜〜〜?? 世の中にはたくさんの脳卒中、心筋梗塞の予備軍がいるが、今はまさにラッシュなのだ!予備軍さんたち、気をつけて! そして、もしあたるのなら人手の多いときにしてください。拝
正月はやっぱりバスがなかった・・・ 元旦はそんなことも知らずバス停で待っていたら車で通勤しているおばさん看護婦が拾ってくれた。 今日は別の看護婦さんが車で拾ってくれる約束だった。 だった・・・ しかしっ、いつまでたっても彼女は来ない。 寒さに耐えひたすらバス停で待つ私。 そこへ違う若い看護婦が彼と一緒にご出勤。 車の助手席で満面の笑顔で両手を振って去っていった・・・・ 来ない!来ない!来ない! 諦めて家に戻り自転車で行くことにした。 久々の自転車は非常につらい。 正月早々自転車で息を切らしながら鼻水たれながら出勤だなんて、悲しすぎる。 なんとかギリギリ時間に間に合い、ホッ 彼女は ごめん、忘れてた〜 わ・忘れるなよ〜〜〜泣
2連休明けで出勤。 たった2連休なのに病棟の雰囲気はすっかり変わっていた。 年を越せなかった患者さんが数人。 数ヶ月入院して、回復は望めなかった患者さんばかり。 4名の患者さんが12月最後の一週間で次々に亡くなった。 人が亡くなるとき誰かを連れて行くって聞くことがあるけど本当なのだろうか? そのうちの3人の方がいつも付きっきりで看病している家族が家に帰ってしまったときに亡くなった。 いつも愛情いっぱいでご主人の看病をしている奥さんは亡くなってから1時間後に駆けつけ、最後にオムツを替えてあげたかった。なんでそんなに急いでいっちゃったの。って泣いていた。 いつも傍にいる家族がいなくなると患者さんも気が緩むのだろうか?それとも少しでも悲しませないように・・・なのでしょうか?確かめることは出来ないけれどなんだか自分が逝くタイミングもはかっているような気がするのは私だけでしょうか?
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