●7つの贈り物 監督・ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス/ロザリオ・ドーソン/ウディ・ハレルソン
『幸せのちから』のウィル・スミス×ガブリエル・ムッチーノが贈る、感動のヒューマン・ドラマ
男の名前はベン・トーマス。ベンは7人の名前が載ったリストを持っている。彼らは互いに何の関係もない他人同士。ベンは彼らに近づき、彼らの人生を調べ始める。そして、ある条件に一致すれば、彼らの運命を永遠に変える贈り物を渡そうとしている。ベン・トーマスとは何者なのか?彼の目的は何なのか?そして、贈り物の中身とは…?(作品資料より)
●チェンジリング 監督・製作・音楽: クリント・イーストウッド
出演:アンジェリーナ・ジョリー/ジョン・マルコヴィッチ/ジェフリー・ドノバン
C・イーストウッド×A・ジョリー、夢のコラボレーションで贈るサスペンス
1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。
老境の域に達してなお、自身の最高傑作を塗り替えている感さえあるクリント・イーストウッド監督の“硫黄島”二部作に続く本作は、誘拐された息子の生還を祈る母親の闘いを描くサスペンスドラマ。平凡な主婦が、子供の行方をつきとめたい一心で腐敗した警察権力に立ち向かい、真実を求めて闘い続ける姿を寡黙なタッチで描き出している。ヒロインを演じるのはアンジェリーナ・ジョリー。華麗なアクションを披露したかと思えば重厚なドラマに出演と、多彩なキャリアを誇る彼女の集大成とも思える熱演ぶりに注目だ。また、綿密に時代考証されたセット、脇役の俳優一人ひとりまで行き届いたイーストウッド流の演出を体感できる一本といえよう。
2009年02月11日(水) |
旭山動物園物語〜ペンギンが空をとぶ〜 |
●旭山動物園物語〜ペンギンが空をとぶ〜 監督: マキノ雅彦
出演:西田敏行/中村靖日/前田愛/堀内敬子/長門洋之
動物たちへの愛と人間の知恵がかなえた夢
北海道の旭山動物園に新人の飼育係・吉田が採用される。集客力の低迷や財政難で閉園の危機に瀕している旭山では、滝山園長を中心に知恵を絞って“ワンポイントガイド”や“夜の動物園”などの企画を考え出し、なんとか入場者数を増やそうと懸命に努力を続けていた。幼い頃から苛められっ子で人間よりも昆虫に愛着を抱いてきた吉田は最初こそ頑な態度だったが、次第に心を開き、旭山の再建に夢中で取り組むようになる。
人間もなかなかやるじゃないか。そう素直に思わせてくれる映画だ。動物を題材にした作品にありがちな動物の野生を讃えることのみに留まらず、人間が持つ知恵の素晴らしさを再確認させてくれる。“ペンギンのお散歩”でお馴染みの北海道旭川市の旭山動物園が度重なる閉園の危機を乗り越えて、日本一の人気動物園になるまでを描いたこの真実のドラマ、『寝ずの番』『次郎長三国志』に続くマキノ雅彦監督の第3作である。西田敏行扮する滝山園長たちが“ペンギンを飛ばす”夢を実現するために市長の心を掴む作戦に出るが、彼らの奮闘に観る者もすっかり心を掴まれてしまうのだ。もちろん動物たちの魅力的な表情も存分に楽しめる。
2009年02月07日(土) |
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 |
●ベンジャミン・バトン 数奇な人生 監督: デビッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/タラジ・P・ヘンソン
さよならだけが人生。でも、さよならこそが人生―― ブラッド・ピット主演の静かで壮大な人生のドラマ
1918年、ニューオーリンズ。生まれながらに80歳の姿で生まれたベンジャミンは、父親に老人ホームの前に置き去りにされた。しかしそこで働くクイニーに育てられ、少しずつその肉体は若返っていく。そして1930年の感謝祭、彼はその後の人生を変える女性、6歳のデイジーと出会う。2人はすぐに心を通わせ、ベンジャミンの身体の秘密もデイジーは受け入れた。その後ベンジャミンは船員として働き始め、海へと出るが……。
原作はF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説。80歳の肉体で生まれ、歳をとるごとに若返っていく男・ベンジャミンの生涯を描いた、静かで味わい深いドラマだ。普通の人々とは違う時間を生きる彼が経験する出会い、必然たる数々の別れ、そして最愛の女性デイジーと愛し合う姿。その一瞬、一瞬を、鮮烈かつ印象的に映していく。ベンジャミンを演じたブラッド・ピットは徐々に若返る男という難しい役柄を、これまで見せたことない寡黙な演技で淡々と表現。ケイト・ブランシェット演じる生命力あふれるデイジーと対比すると、その印象はさらに強くなる。ベンジャミンの生涯を通して、愛や生、死についてじっくりと考えたくなる作品だ。
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